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“音の無い世界”をラジオドラマで届ける ニッポン放送の意欲作が字幕付きで公開

 「わたしは耳が聞こえません。だから、このラジオを聞くことができません。でも、話してみたいと思います。それでは、はじめます。音の無い世界へ…ようこそ」。11月21日深夜に放送されたニッポン放送『令和3年度 文化庁芸術祭参加作品 ラジオドラマ 音の無い世界へようこそ!』の冒頭、聴覚障害のある主人公・ココロが心の声でリスナーに呼びかける。“音の無い世界”をラジオで届ける。タイトルを見ただけでは、なかなか想像できなかったが、実際に聞いてみると、その意味が見えてきた。

ニッポン放送 (C)ORICON NewS inc.

ニッポン放送 (C)ORICON NewS inc.

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 ドラマは、ココロの幼少期から高校生の今にいたるまでにスポットをあてた構成となっており、友人などの言葉がどのように聞こえているのかを、リスナーが実際に体感できるような演出も。知らない人にいきなり声をかけられる、同級生から無視したと勘違いされる、バイト先で起きたボヤ騒ぎに気づかない…日常生活にあふれている、さまざまな光景がココロの視点を通して描き出されていく。

 両親、親友、学校の先生など、信頼できる人たちの支えも受けながら、好きなアイドルの推し活に励んでいたココロ。親友と、そのアイドルのラジオについてトークする中で「書き起こしサイトで読んだ。全部のラジオでやってくれたらいいのに」と何気なく話していたが、ココロの目線で物語が進むからこそ、健聴者とのコミュニケーションにおけるやるせない思いも紹介される。

 「耳が聞こえない人に声をかけたらいけない決まりがありますか? ろう者が話してはいけませんか? 小さい頃から私が声を出すとみんな、見てはいけないものを見たような、知ってはいけないことを知ったような顔をします」

 こうした心の叫びが響く中、推しのアイドルの卒業、高校卒業後の進路など、ココロにとって大きな人生の岐路が迫る。友人の後押しを受けて、文化祭でラジオDJにチャレンジすることになったココロは「私が私の言葉で変わらなきゃ」と決意を固めて、いざ放送に挑む。クライマックスでは、今回のドラマで伝えたかったことが詰められており、ラジオというメディアだからこそ“音の無い世界”に触れることができるのだという気持ちになった。

 「radiko」のタイムフリー期間は過ぎてしまったが、現在同局のYouTubeチャンネルで、全編字幕がついた状態で音源がアップされている。

 最後に、『新明解国語辞典』の第八版に掲載されている「ラジオ」の用例を紹介したい。「ラジオから得られる情報は多い」。

YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」

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  1. 1. “音の無い世界”をラジオドラマで届ける ニッポン放送の意欲作が字幕付きで公開
  2. 2. “音の無い世界”をラジオドラマで届ける ニッポン放送の意欲作がギャラクシー賞の奨励賞に

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