俳優の役所広司、仲野太賀、女優の長澤まさみ、西川美和監督が21日、都内で行われた映画『すばらしき世界』（2月11日公開）プレミアイベント上映に出席した。

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　本作は、佐木隆三氏の小説『身分帳』が原案。『蛇イチゴ』（02年）『ゆれる』（06年）『永い言い訳』（16年）などで知られる西川監督が、初めて実在の人物をモデルとした原案小説をもとに、舞台を約35年後の現代に置き換え、自らの取材を通じて脚本・映画化に挑んだ。

　役所が演じるのは、人生の大半を刑務所で過ごし、社会から“置いてけぼり”を食らいながらも、まっすぐすぎる性格と、どこか憎めない魅力で周囲の人々とつながっていく男・三上。その三上自らテレビ局へ送った、刑務所内の個人台帳「身分帳」を手にするディレクターを仲野太賀、三上が更生していく様子をテレビ番組にしようと近づくプロデューサーを長澤まさみが演じる。

　本作について、長澤は「モヤモヤとした晴れない気持ちをどこか救ってくれる作品になっているんじゃないかと感じています。こういう状況ですし、映画館に足を運ぶのも大変だと思いますが、自分の体と相談しながら鑑賞していただけたら」とメッセージ。

　そして「生きづらさを感じている人はたくさんいると思います。そういった人も、そうでない人も、この作品を通して自分の中で疑問に思っていたことが、共感してもらえるところもあると思います。見終わったあとは、とても温かな気持ちになります。この映画からなにか感じてもらえたらと思います」とアピールした。主演の役所も「なんとなく晴れ晴れとする気持ちになれるんじゃないかと思います」と前向きになれるきっけかにしてほしいと訴えた。