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LiSA、アニメ作品で歌ってきた強さ「一緒に正解を目指す仲間ができた」 “音楽で遊ぶ楽しさ”忘れず10周年へ

 昨年末、TVアニメ『鬼滅の刃』のオープニングテーマ「紅蓮華」で『第70回NHK紅白歌合戦』に初出場し、大きな飛躍を遂げたLiSA。明けて2020年、「紅蓮華」は累計100万ダウンロード、ストリーミング1億再生を突破する大ヒットを記録した。先月より公開されている『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌「炎」のシングルも、同日発売のアルバム『LEO-NiNE』と併せ、令和初の同時1位を獲得するなど、輝かしい記録を連発。その快進撃は昨年をも上回る規模だった。名実ともに国民的なシンガーの地位を確立したLiSAに、転機となった経験や楽曲、そしてこれからの夢などを聞いた。

ファンへの感謝とこれからの活動についての意気込みを語ったLiSA (C)ORICON NewS inc.

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 2010年に放送されたTVアニメ『Angel Beats!』の劇中バンド『Girls Dead Monster』の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜てきされると、翌11年にソロデビュー。来年でソロ10周年を迎えるが「10年続けられることを想像していませんでした。10年後にこんなに幸せな未来が待っていると思いませんでした。想像を超える未来の上を歩いています」と現在の活躍を素直に喜ぶ。

 しかし、10年という決して短くない時間を振り返ると、歌手としての自身を確立するまでに苦い経験も重ねてきた。特に糧となった出来事を聞くと、ファンの間でも思い出深い2014年1月3日の初武道館ライブを挙げてくれた。あの日の体調不良は、今でこそ自分にとって「良かった」と語れるが、「最初に目指していた武道館でのライブが思い通りにできなかったことは、自分の中では大きな挫折でした。途中から声が出なくなってしまい、裏声でなんとか乗り越えていくライブでした」と危機的な状況に追い込まれた。

 「それでも、ファンの方たちは残ってくれて、一緒に歌って、最後までその日を一緒に過ごしてくれました。それはすごく大きな経験で『絶対にこの人たちを裏切らない活動をしよう!』と思いました」と支えてくれたLiSAッ子(ファンの呼称)のために歌おうと、決意を新たにした経験だった。

 そして、武道館ライブから約4ヶ月後にリリースした『魔法科高校の劣等生』のオープニングテーマ「Rising Hope」はアニメソングとして初めて自分で作詞を行った曲で、LiSA自身も“転機”となった曲と考えている。

 「自分の活動や経験も入れながら、アニメ作品に寄り添いながら制作させていただきました。そこで培った形がいまの経験になっています」といい「それまでは、作っていただいた曲や作品に対して、自分の思いを込めていく形でした。『Rising Hope』では、自分の思いやフレーズを直接入れていくことで、結果的に作品とリンクしていき、主人公たちの気持ちと『同じ気持ちを思っていたんだ』と共感した気づきもありました」と話す。

 こうして『鬼滅の刃』のみならず、『魔法科高校の劣等生』や『Fate/Zero』『ソードアート・オンライン』など多くのアニメ作品の楽曲に携わってきたことが今、LiSAの“強さ”になっていることは間違いない。LiSA自身も「作品と一緒に音楽を届けられる場所があるのは、すごく大きな強みになりました」とアニメを通し多くの出会いを得たと感謝する。

 そして、これまでのさまざまな経験を注ぎ込み完成させたのが、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌「炎」だ。作曲は梶浦由記氏で、作詞は2人による共作。 “文通”で曲を仕上げていったといい、完成した楽曲を聴いたときは確かな手応えを感じられたという。

 詞には今作の要となるキャラクター・煉獄杏寿郎の生き様を反映させた。「誠実に生きること、諦めずにやりきることを感じました」と、過去に培ってきた“自分の思いと作品をリンクさせる”曲作りが見事に結実し、この楽曲が今、全国の劇場で多くの人に届けられている。

 天井知らずの大活躍だった今年も終盤にさしかかり、2021年はいよいよソロデビュー10周年。今後についてLiSAは「いまとても幸せなので、変わりたい、とは思ってはいないのですが、“変化”ではなく“進化”したいです。おばあちゃんになっても歌い続けたい。みんなと遊べる空間を大事にしたいんです」と生涯アーティストでありたいと展望する。

 その上で何より大切にしているのは、歌う時が “楽しい”と感じられる純粋な気持ち。最後、自分にとって“歌うこと”とは?とたずねると、「みんなと遊んでいる感覚というか、仲間を見つけた感じがしていますね。好きなものを一緒に好きになったり、自分が感じたことを作品に落とし込んだときに共感してくれる人がいっぱいいたり。同じものを好きになった仲間と音楽を遊んでいるという感覚です」と音楽で同じ時間を一緒に楽しむ喜びを語った。「仲間や応援してくれる皆さまがいることがうれしいです。『今日もいい日だっ。』と唱え続けながら、みんなと遊び続けたいです」。

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

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