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「何色のパンツ履いてるの?」セクハラに“倍返し” 社会の闇切り取るギャグ漫画作者の作品作りとは?

 社会の闇を切り取り、SNSで注目を集めるギャグ漫画をたびたび見かける。今回は、「自覚のないままセクハラ扱いを受けてしまった上司」、「昭和の時代によく見たセクハラ迷惑電話」で“いいね”を集めた漫画家にインタビュー。“セクハラ”をテーマとしながらも、シュールなオチについ笑ってしまう…2人の作者に、作品作りのこだわりを聞いた。

マヌケナナマケモノさん(左)、大町四天王さん(右)

マヌケナナマケモノさん(左)、大町四天王さん(右)

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■芸人だと20%だった「自分の面白いと思うこと」を、漫画なら90%くらいまで表現できる

 「自粛中何してたの?」。女性部下への他愛もない質問で「セクハラ」扱いを受けてしまった部長の悲哀をコミカルに描いた4コマ作品『上司と部下』がSNSで話題になっている。作者は芸人でもあり4コマ作家でもある大町四天王さん。

 同作品は、新型コロナ終息後の世界を描いた全100話のシリーズ『こんなコロナ終息後の世界は嫌だ』の中の一つ。「100話になる頃にはウイルスの危機が収束して、本当のコロナ後の世界になっているように」という願いを込めて制作したというが、同じテーマで100本も描くのは難しい部分もあったそうだ。

 「テーマが限定されるため、ボケ自体が弱くなって、イイね数も減ったような気がします。でも、いろいろ試すことで見えてくるものもあるので、やってみてよかったと思います。このシリーズは一旦100話で最終回にしましたが、これからも世の中に必要になりそうなテーマが思いついたらまた描き始めたい」と話す。
 
 ネタ作りは「突然、空から降ってくる」タイプではなく、きちんと考える時間を作り、一気に50個ほどボケを考えるのだという。その中で面白いものを1コマや4コマの漫画にしたり、ブログのネタにしたり、芸人としてのネタにしたりする。

 「漫画は僕の面白いものを表現できる、数少ない手段です。芸人としてコントや漫談をやっているときは、面白いことが20%くらいしか表現できていないと思っていましたが、漫画なら90%くらいまで表現できている気がします。同じボケでも、喋りで伝えるのと絵で伝えるのでは笑いの量が圧倒的に違います。絵で伝える方が得意だったみたいなので、この道を信じて、進んでいきたい」と話してくれた。

■変態の”心の機微”を上手く表現「孤独であればあるほど良いネタが作れる」

 「へへへ…いま何色のパンツ履いてるの…?」。昭和のにおいのするセクハラ電話からはじまるギャグ4コマ漫画がたくさんのいいねを集めている。固定電話の時代に、実際にあった迷惑電話がモチーフの作品だ。作者はシュールなギャグマンガをSNSで投稿しているマヌケナナマケモノさん。普段は学生だという。

 「3コマ目で変態の機微を上手に表現できたことが、ウケた要因なのかなと考えています」と分析する。作風はシチュエーションも登場人物もバラバラのシュール系ギャグ漫画。「なんとなくおもしろいと思ったものを漫画にしているだけ」と話すが、セリフをできるだけ少なくして、見た目もシンプルにまとめるのがこだわりだ。

 作品は「孤独であればあるほど、退屈であればあるほど良いネタが作れる」と話す。「部屋の中をずっとウロウロしていると、たまにおもしろいことを思いつくので、それを元にネタ作りをしています。ネタが浮かばないときは無理に描こうとせず、浮かぶまで待ちます。僕の場合は趣味でやっているだけですが、これが仕事なら精神的にしんどそうだなと思います」

 自分のペースで作品を生み出しているようだが、あるフォロワーから「ナマケモノさんの漫画のおかげで日々バイトを頑張れます」と言ってもらえてからは、少しだけ読者を意識するようになったという。

 「最初はおもしろいと思って手を付けても、描いているうちに何がおもしろいのか分らなくなってくることがあるんです。だから、いただくコメントを見て“これは自分以外には刺さらないんだ”、“こういうのがウケるんだ”と分析して、次の作品に生かさせてもらっています」

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  • マヌケナナマケモノさん(左)、大町四天王さん(右)
  • 画像提供:マヌケナナマケモノさん

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