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「発想は大喜利」人気4コマ作家に聞く、SNSでバズる漫画の作り方とは?

 TwitterなどのSNSで多くの「いいね」を集めている4コマ漫画作家たち。週に数本ペースで次々に作品を発表する彼らは、アイデアをどのように生み出しているのだろうか。彼らにネタづくりの極意をインタビュー。「自分自身に大喜利のお題を出して答えを考える」「オチが最優先。小ネタや固定キャラは蛇足」といった興味深い答えが返ってきた。

画像提供:あくまでクマさん(上)、留々家さん(下)

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■自らに“お題”を出して、答えをオチに 『大喜利』を4コマ漫画に生かす

 自分自身に「お題」を出し、それに回答する形でオチをつける“大喜利4コマ漫画”が人気を集めているのがあくまでクマさんだ。もともと大喜利が好きで、大喜利サイトで投稿や採点をすることにハマり、それを4コマ漫画で表現できないかと3年前から漫画制作に着手した。

 「ネタ作りは、まず描きたいと思う題材を見つけ、それを“違った視点で見られないか”、“意外性のあるものと組み合わせられないか”と考えていきます。自分でお題を選び、回答を考える大喜利に近いですね」(あくまでクマさん)

 なかでも『タイムリープ』という作品は、大喜利らしい自由な発想でたくさんの「いいね」を集めた。タイムリープもので誰かを救うという設定に対し、「もしもその設定に気づいたら…」というお題を自らに出し、その答えから生まれた作品だ。とはいえ、アイデアを思いついても、それを「4コマにどう落とし込むか」に苦労することも多いという。

 「たとえば『露天風呂』という作品は、“メデューサ”と “三猿”を組み合わせるのが面白いかな、というアイデアが始まりでしたが、どうしても出オチになってしまい、ストーリーをつくるのに苦労しました。今でも“設定は思いついたけど漫画に出来ない”ということがあり、まだまだ苦労しています」(あくまでクマさん)

 あくまでクマさんにとって4コマ漫画は、ちょっとした思いつきでさまざまな作品を生み出せる表現ツールだという。最近はTwitterで大喜利のお題を出し、それに答えてもらう形でフォロワーとの交流も楽しんでいる。

 「最近少しずつフォロワー数が増えてきたので、さらに読者を増やしていきたいです。そのためにも定期的に漫画を描い続けて、もっと色々な絵が描けるようになりたいですね。大喜利のほうも頑張ります」(あくまでクマさん)

■バズった理由は「元ネタを知っていることをアピールしたくなる心理」

 「オチ最優先」と語るのは留々家(るるいえ)さん。「4コマで一番大事なのはオチ(アイデア)を読み手に円滑に伝えること」と答える。

 「オチのスムースな理解を妨げるような無関係な小ネタや、毎回登場する固定のキャラは基本的に描きません。そのキャラクター性がオチのためには蛇足だからです。1本1本の4コマが完全に独立していて、それぞれの4コマにブレなく1つのオチを表現している。それが私の作品の強みです」(留々家さん)

 今年の2月に投稿した『鶴』という4コマ作品は、オチが秀逸だと3.3万のいいね(2020年8月現在)を集めた。バズった理由を「適度にマニアックなオモチャ(アニメ)を題材にしたから」と冷静に分析する。

 「『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』というオモチャ(アニメ)が題材なのですが、 引用RTやRT後のツイートを見てみると、“これってあのオモチャのネタじゃんw”というコメントが多かったです。元ネタを知らなければあまり面白さがわからない、それだけに、元ネタを知っている人は、そのことをアピールしたくなる。クイズやなぞなぞの答えが分かった人がアピールしたくなるのと同じ心理が働いているのでは」(留々家さん)

 これまでにない斬新なオチをつけることに人一倍こだわる留々家さんが最も影響を受けたのは、小学生の頃に読んだSF作家の星新一氏のショートショート作品だという。「短い物語が一つのオチに向かってまとまっていくストイックな作風にしびれまくりました。以来ずっと“オチのある短い話”に執着し続けています」(留々家さん)

 4コマのアイデアを思いついても、既出っぽいネタだと感じたらボツにするだけでなく、実際は既出でなくてもすでに誰かがやっていそうだなと感じられた時点でボツするなど、ネタ作りにはストイックな姿勢を見せる。

 「今は4コマ漫画を週1本はアップするようにしていますが、もっとアップするペースを上げていきたいですね。それと、まだ先は不透明ですが『オチとは何か』という4コマ漫画の研究にも興味があり、そちらの方で結果を出せないかと考えています」と話してくれた。

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  • 画像提供:あくまでクマさん(上)、留々家さん(下)
  • 「鶴」かわいらしい女の子が訪ねてきた…画像提供:留々家さん

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