TOKYO FMで、2019年8月18日に放送した、特別番組『ねじれちまった悲しみに』が、4日に発表された『第46回放送文化基金賞 番組部門ラジオ番組』において最優秀賞を受賞。同局の番組での受賞は初の快挙となり、9日の午後7時から再放送されることが決定した。
同番組は、『敗戦後論』をはじめ、一貫して戦後日本の「ねじれ」を指摘し、向きあい続け、昨年逝去した思想家・文芸評論家の加藤典洋さんの足跡に焦点を当てたドキュメンタリー。小説家の小川哲氏が、加藤さんと同学年の研究者で社会学者の上野千鶴子氏や、日本文学研究家のマイケル・エメリック氏との対話を通して、加藤さんと戦後日本の「ねじれ」をたどった。
番組が放送された昨年8月は、元号が平成から令和に変わった初めての夏。参議院選挙を経て憲法改正が現実味を帯びるかに思えたこの時期、番組では小川氏が、8月15日の靖国神社や都内の選挙演説の中を、最後の著書となった『9条入門』を携えてめぐった。『敗戦後論』『アメリカの影』などで、平和主義を唱えながらも世界で戦争を続ける米国に従属する、戦後日本の「ねじれ」を指摘し続けた加藤さんの遺した思いを探っていった。
番組のストーリーテラーは、女優で日本舞踏家の藤間爽子が担当。今回の受賞を受け、小川氏、上野氏がコメントを寄せた。
■小川哲
かつて日本は他国に侵略し、多くの人々の命を奪いました。その結果、戦争に敗れ、平和憲法を制定しました。それ以来、僕たちは長い間「戦後」の中にいます。加藤典洋さんは、「戦後」という他人事のような概念を、どうにかして掴みとろうと考え続けました。僕たちはこれからも、永遠に「戦後」を生きることになるでしょう。加藤さんの言葉を通じてこの事実について考えるという無謀な番組に、このような形で光が当たったことを光栄に思います。
■上野千鶴子
加藤さんの訃報を聞いたとき、息が止まりそうになりました。この番組は加藤ラブに満ちています。それだけではありません。戦後のわたしたちの出発点にあった「ねじれ」を忘れてはならない、と警告しつづけた加藤さんを、わたしたちが忘れないために作られた番組です。ふたたびめぐる敗戦記念日の前に、この番組が受賞してうれしい思いです。
同番組は、『敗戦後論』をはじめ、一貫して戦後日本の「ねじれ」を指摘し、向きあい続け、昨年逝去した思想家・文芸評論家の加藤典洋さんの足跡に焦点を当てたドキュメンタリー。小説家の小川哲氏が、加藤さんと同学年の研究者で社会学者の上野千鶴子氏や、日本文学研究家のマイケル・エメリック氏との対話を通して、加藤さんと戦後日本の「ねじれ」をたどった。
番組のストーリーテラーは、女優で日本舞踏家の藤間爽子が担当。今回の受賞を受け、小川氏、上野氏がコメントを寄せた。
■小川哲
かつて日本は他国に侵略し、多くの人々の命を奪いました。その結果、戦争に敗れ、平和憲法を制定しました。それ以来、僕たちは長い間「戦後」の中にいます。加藤典洋さんは、「戦後」という他人事のような概念を、どうにかして掴みとろうと考え続けました。僕たちはこれからも、永遠に「戦後」を生きることになるでしょう。加藤さんの言葉を通じてこの事実について考えるという無謀な番組に、このような形で光が当たったことを光栄に思います。
■上野千鶴子
加藤さんの訃報を聞いたとき、息が止まりそうになりました。この番組は加藤ラブに満ちています。それだけではありません。戦後のわたしたちの出発点にあった「ねじれ」を忘れてはならない、と警告しつづけた加藤さんを、わたしたちが忘れないために作られた番組です。ふたたびめぐる敗戦記念日の前に、この番組が受賞してうれしい思いです。
2020/08/04