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マガジン新人作家、コロナ禍で連載終了の危機も「納得ができません」 ツイッターの行動が話題

 『月刊少年マガジン』(講談社)で連載中の漫画『キミオアライブ』・コミックス第1巻を4月16日に発売したが、新型コロナウイルスの感染拡大による4月7日の緊急事態宣言の影響もあり、売上が悪いことから全3巻で完結する流れになっている。しかし、納得できない作者・恵口公生と担当編集は、作者のツイッターを使い連載継続に向けて施策を実施し、その姿が話題となっている。

『キミオアライブ』コミックス第1巻

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 新型コロナウイルスの影響を受け、一部の雑誌は休刊や発売日延期となっていたが、同誌は休まず発売されていたものの、月刊誌という性質上、露出の機会が月に1度しかないことや、自粛中は閉店したり、営業時間を短縮する書店が多く、人々が外出を控える動きもあって「漫画が目に触れる機会が激減してしまった」という。(広報担当)

 『キミオアライブ』のコミックス第1巻は4月16日に発売されたが、前週に緊急事態宣言が出たことから売上がよくなく、連載終了を編集部より告げられた。しかし、納得できない作者と担当編集は、一連の流れを漫画化してツイッターに投稿(5月30日)。そこでは、以下のように説明されている。

 「先週の5月20日 月刊少年マガジンで連載中の『キミオアライブ』を、あと数話の全3巻で終了するよう編集部に告げられました」「漫画の連載が続くかどうかは、単行本1巻発売直後の初週の売上によって大きく左右されることが多いみたいです」「4月16日からの1巻発売の初週はコロナの影響でたくさんの書店さんが休業していた&たくさんの人が外出自粛していたのもあり、書店さんへの客足は少なく書店さんへ来た方の滞在時間も短かったそうです」。

 同作は、新人作家の1巻であり、まだ知名度がない状況。さらに、5月になると、5月の新刊が並ぶため、4月の新刊は「新刊台」に置かれないため目に触れられない状況となり、多くの人の目に触れる機会であった発売直後の貴重な1ヶ月を、新型コロナウイルスの影響で恩恵を受けることができなかった。

 漫画でも「事情はありますが出版社としてもやはり現状売れていない作品の連載を続けるわけにはいきません」「誰も悪くないし誰も責めようがありません」と、連載終了の判断に理解。編集部としても、連載終了の決定は8月発売の2巻初週の売上で判断されることになった。

 連載終了を告げられたが作者は「やっぱり納得ができません」とし、「作品の内容がつまらないということで終わるのであれば、そこから反省して次にいかすことができますが、このままではこの作品は読まれる機会を失ったまま、反省点すら正しくわからないまま終わってしまう」と本音。今回のツイッターを使った施策で「作品を手に取ってもらえる機会が増えるかも知れない」「まだこの作品で描きたいことがたくさんあるので、少しでも読んでもらえる機会が増えることを信じて、残りの時間、このツイッターを通じて作品やキャラの魅力を発信していきます」と説明した。

 連載終了の回避に向けた具体的な施策は、ツイッターを徹底的に調査することに。有料の計測ツールを使う予算が出ないため、毎日決まった時間に各ツイートをスクショし、「どのTweetがどの時間に伸びたか」「どのタイミングでフォロワーが増えたか」を徹底的に観測した。

 その結果、「フォロワー数 約4倍」7000人(4月初旬)→2万6522人(7月10日時点)、「リアル書店POS(シェア35%)総売上 約3.5倍」「Amazonレビュー数 12件→159件」(7月10日時点)などと、ファンの増加に繋がったとという。投稿した漫画は、3.2万リツイート、5.2万いいねの反響となっている。(7月20日現在)

 担当編集は一連の行動について「2巻が出る8月までに、『ツイッターを死に物狂いで頑張ろう』とお互いを励まし合いました」と説明。現時点で連載終了を回避したわけではないが、新型コロナウイルスの影響は漫画家の生活に大きな影響を与えたことは間違いない。

 『キミオアライブ』は、やりたいことが多すぎる高校一年生・長谷川君生は、やりたいことで生きていきたい。この気持ちを「夢」って言いたい。そんな彼がたどり着いた夢を叶える方法が描かれた、ユーチューバーを題材にした青春物語。

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