「鳴蝕」「年嵩」「麾下」…小説内で使われる漢字に難しいものが多すぎて、読み進めては戻って意味を調べ、また読み進めてを繰り返す。これは『十二国記』シリーズ読者のあるあるでもある。1991年からスタートした同シリーズは、2019年10・11月にファン待望の描き下ろし長編を4冊連続で発売。「第13回オリコン上半期“本”ランキング2020」(5/28付)の文庫別作家ランキングでは、作者の小野不由美が102万部を売り上げて首位を獲得する結果となった。
■「十二国記有休」を取得する人も、読者や書店員をも巻き込むムーブメント
ファンにとっては18年ぶりの“待望の新刊”。古代中国風の異世界に平凡な女子高生が連れてこられてしまったところから始まる物語には、単なる“異世界トリップモノ”に終始しない“作り込まれた世界観”があり、それだけ根強い読者も多い。SNSでは新刊を読むために「十二国記有休をとる」と宣言した人が話題に。小野先生の執筆状況がSNSで共有されるたびに読者みんなで盛り上がるムーブメントが起きていた。
同シリーズと長らく向き合ってきた書店員たちも、熱量のある売り場をセッティング。丸善ジュンク堂書店では、書店員による「#十二国記を激推しする会」なるものが作られ「丸善とジュンク堂書店の書店員で『十二国記』について熱く語りたいがために作った冊子」を配布するまでに。ネタバレをしない、絶妙な語り口には高い反響が集まった。
「作家別TOP5は錚々たる方々で、その中で1位となりましたことは大変喜ばしいことです。新作『白銀の墟 玄の月』の現在の発行部数は、250万部を超えるに至りました。刊行をお待ちいただいた多くの皆様のご支援によるものと思います」と話すのは、担当編集の鈴木真弓さん。
「新刊の告知を4月19日に公式ツイッターで行い、『10月11月で2巻ずつ発売する』と告知すると、わずか30分で1万RTを突破。書店でも、オリジナル小冊子をご用意いただくなど、発売を大いに盛り上げていただきました。本に愛着をもって接している書店様にも、多くの『十二国記』愛読者がいることを実感しました」(鈴木さん、以下同)
■台風上陸とともに発売「大きな混乱なく新作発売を迎えられ、心から感謝」
発売日は昨年猛威を振るった“台風19号”の上陸と重なるという出来事も。〈皆様、そして書店員の方、配達員の方、十二国記に関わる方々、どうか無理をなさらないでください〉と気遣うツイートが散見され、〈本は逃げません。安全を第一にお考えください〉と公式アカウントでもつぶやかれる事態に。
「発売日は、地域によっては台風上陸と重なり、休業された店舗も多くありました。混乱も懸念されましたが、読者の皆様、書店様にもそれぞれの状況に沿って、理解ある対応をいただきました。そのお陰で、大きな混乱なく新作発売を迎えられましたことに、心から感謝しております。小野先生におかれましては、『白銀の墟 玄の月』に続く「短編集」のご執筆も続けておられます。もうしばらくお待ちいただけますようお願いいたします。今後とも『十二国記』を、そして何よりも著者である小野不由美先生を、ご支援いただきますよう、よろしくお願い申し上げます」
90年代から続いている『十二国記』シリーズ。ファンタジーの世界観を保ちながら、物語に登場する人物たちと自分の経験を重ね合わせることができるのが最大の魅力であり、作品を盛り上げる人々の熱量につながった。今後も小野先生から生まれる物語に期待したい。
■「十二国記有休」を取得する人も、読者や書店員をも巻き込むムーブメント
ファンにとっては18年ぶりの“待望の新刊”。古代中国風の異世界に平凡な女子高生が連れてこられてしまったところから始まる物語には、単なる“異世界トリップモノ”に終始しない“作り込まれた世界観”があり、それだけ根強い読者も多い。SNSでは新刊を読むために「十二国記有休をとる」と宣言した人が話題に。小野先生の執筆状況がSNSで共有されるたびに読者みんなで盛り上がるムーブメントが起きていた。
同シリーズと長らく向き合ってきた書店員たちも、熱量のある売り場をセッティング。丸善ジュンク堂書店では、書店員による「#十二国記を激推しする会」なるものが作られ「丸善とジュンク堂書店の書店員で『十二国記』について熱く語りたいがために作った冊子」を配布するまでに。ネタバレをしない、絶妙な語り口には高い反響が集まった。
「作家別TOP5は錚々たる方々で、その中で1位となりましたことは大変喜ばしいことです。新作『白銀の墟 玄の月』の現在の発行部数は、250万部を超えるに至りました。刊行をお待ちいただいた多くの皆様のご支援によるものと思います」と話すのは、担当編集の鈴木真弓さん。
「新刊の告知を4月19日に公式ツイッターで行い、『10月11月で2巻ずつ発売する』と告知すると、わずか30分で1万RTを突破。書店でも、オリジナル小冊子をご用意いただくなど、発売を大いに盛り上げていただきました。本に愛着をもって接している書店様にも、多くの『十二国記』愛読者がいることを実感しました」(鈴木さん、以下同)
■台風上陸とともに発売「大きな混乱なく新作発売を迎えられ、心から感謝」
発売日は昨年猛威を振るった“台風19号”の上陸と重なるという出来事も。〈皆様、そして書店員の方、配達員の方、十二国記に関わる方々、どうか無理をなさらないでください〉と気遣うツイートが散見され、〈本は逃げません。安全を第一にお考えください〉と公式アカウントでもつぶやかれる事態に。
「発売日は、地域によっては台風上陸と重なり、休業された店舗も多くありました。混乱も懸念されましたが、読者の皆様、書店様にもそれぞれの状況に沿って、理解ある対応をいただきました。そのお陰で、大きな混乱なく新作発売を迎えられましたことに、心から感謝しております。小野先生におかれましては、『白銀の墟 玄の月』に続く「短編集」のご執筆も続けておられます。もうしばらくお待ちいただけますようお願いいたします。今後とも『十二国記』を、そして何よりも著者である小野不由美先生を、ご支援いただきますよう、よろしくお願い申し上げます」
90年代から続いている『十二国記』シリーズ。ファンタジーの世界観を保ちながら、物語に登場する人物たちと自分の経験を重ね合わせることができるのが最大の魅力であり、作品を盛り上げる人々の熱量につながった。今後も小野先生から生まれる物語に期待したい。
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2020/06/17