動画配信サービスの世界最大手「Netflix」は今年3月、新型コロナウイルス感染症の世界的流行で甚大な影響を受けている映画やドラマの制作現場のスタッフや関係者の生活を一時的に救済し、映像業界を支えることを目的に、1億5000万ドルの救済基金の設立を表明。このたび、日本国内の映画やテレビドラマの制作従事者の生活を支援する「Netflix 映画・テレビドラマ制作従事者支援基金」が設立され、特定非営利活動法人映像産業振興機構 （VIPO）に事務局を委託したことが22日、発表された。Netflixの救済基金から約1億円がVIPOに拠出された。

　Netflix コンテンツ・アクイジション部門 ディレクター 坂本和隆氏は「人々に喜びをもたらす作品を届けることが、コンテンツづくりの使命です。これまでNetflixがメンバーに数多くの素晴らしい作品をお届けしてこられたのも、日本の制作関係者の存在があったからこそです。VIPOにご協力をいただく今回の取り組みが、現在大きな打撃を受けている映画やテレビドラマの映像制作に関わる方々の支援につながることを願っています」。

　VIPO事務局次長の槙田寿文氏は、基金設立を受け「特定非営利活動法人映像産業振興機構（VIPO）は、この度のネットフリックス社の救済基金の趣旨に賛同し、事務手続きの代行をすることとなりました。困難な状況にある映像制作スタッフの皆様の一助となれば幸いです」と、それぞれコメントを寄せている。

　支援基金へ応募できる対象者は、各制作・技術部門におけるメインスタッフ、アシスタント、コーディネーターなどの、フリーランス・スタッフに該当する人を原則とし、支援基金ページ（netflix.vipo.or.jp）に近日中に公開するオンラインフォームから申込を受付。応募方法や対象に関する詳細は、後日VIPO基金事務局より発表される。

■「Netflix 映画・テレビドラマ制作従事者支援基金」概要

●支給対象：国内の映画・テレビドラマ制作に従事するフリーランス・スタッフでコロナウイルスの影響によるプロジェクト延期・停止が証明できる方（※Netflixオリジナル作品を除く）

●対象職種：支給対象者のうち、以下制作・技術部門におけるメインスタッフ、アシスタント、コーディネーター など
・演出部門（助監督 等）
・制作部門（制作進行・演技事務・車両担当 等）
・撮影部門（特撮・特機・視覚効果等、助手も可）
・照明部門（助手も可）
・録音部門（音響・効果等、助手も可）
・美術部門（装置・装飾・衣装・結髪・メイキャップ・ヘアメイク・特撮美術等、助手も可）
・編集部門（助手も可）
・スクリプター部門（助手も可）

●応募手段：オンラインフォームから申込
netflix.vipo.or.jp

●申込開始日時：5月28日（木）午後1時頃

●申込期間：申込開始日〜6月末日
（先着順で応募数が支給可能額に達した時点で募集終了）

●支給時期：申込から2週間程度

●支給額（一口）：10万円

●支給可能人数：1000人程度