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山下達郎、コロナめぐる言説に「冷静さと寛容さ」訴え 『サンソン』初のテレワーク放送

 シンガー・ソングライターの山下達郎(67)が12日、パーソナリティーを務めるTOKYO FM『サンデー・ソングブック』(毎週日曜 後2:00)に出演。新型コロナウイルスの影響により、番組開始から28年目にして初の完全テレワークで自宅から放送を行った。

 冒頭では4分弱にわたり、コロナ禍で混迷する社会に対して冷静な言動を訴える一幕も。「こうした現状から生まれる数々の不条理への戸惑いや鬱憤、いら立ちを抑えきれず、ある人はそれをネットに噴出させ、ある人はメディアを使ってぶちまけています。そうしたい気持ちは痛いほどわかります。私だって怒鳴りまくりたい衝動があります」と前置きしつつ、「でも、そんなことをしてもウイルスがなくなるわけではありません。毎日メディアで細部をつついては批判と罵倒に明け暮れている、そういうものが人びとの不安をどれほど煽っているか。なぜもっと寛容な、建設的な言動がとれないのか、不思議でなりません」と疑問を呈した。

 続けて「私は政治的な言説にあまり深く立ち入らないように努めているのですが、今一番必要なのは政治的利害を乗り超えた団結ではないかと思います。今、政治的対立を一時休戦して、いかにこのウイルスと戦うかを日本中の、世界中のみんなで助け合って考えなければならないときです。何でも反対、何でも批判の政治的プロパガンダはお休みにしませんか? 責任追及や糾弾はこのウイルスが収束してからいくらでもすればいいと思います」と呼びかけていた。

 また、「再三再四申し上げているように、こういうときは冷静さと寛容さが何よりも大事です。静かに落ち着いて物事を語りましょう。正確な判断は冷静さからしか生まれません」と述べるとともに、「過酷な現場で働く医療スタッフの皆さん、それぞれの思いを持ちつつも黙々と闘っていらっしゃいます。スタンドプレーのメディアピープルではなく、そういった医療従事者の皆さん、見えないところで人知れず働く方々に思いを馳せましょう。彼らを励まし、盛りたて、我々は我々ができることを致しましょう。今は、できる限り他者との接触を避け、感染の広がりを防ぐ努力をしましょう」と淡々とした口調でリスナーに語りかけた。

 この日は、2017年から昨年にかけての比較的新しいライブ音源を次々に紹介。同番組はトーク内容や選曲を全て山下が決定し、さらに放送に使うソース音源も山下が自宅でマスタリングしているため、ディレクターとのやり取り含め、「全員テレワークでの番組制作」が可能になったと明かした。

 リスナーからのリクエストもハガキにこだわってきたが、テレワーク放送の対応に伴い、メールで受け付けることに。「この番組はハガキが好きが大勢いらっしゃるので、『え〜…』という声が聞こえてきますが、今は非常事態。メールも楽しい。良い方に考えましょう」と理解を求めた。

 最後は改めて「皆さんくれぐれもご自愛ください。みんなで少しでも感染を防ぐ努力をして参りましよう。色々ありますが、明るく仲良く前向きに参りましょう。頑張りましょう」と前向きな言葉で呼びかけていた。

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