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岡村隆史の“聖域”ラジオに3週連続で密着取材 新規リスナーを増やした3年前の“改革”とは

 お笑いコンビ・ナインティナイン岡村隆史がパーソナリティーを務めるニッポン放送『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン(ANN)』(毎週木曜 深1:00)が、昨年12月12日から3週連続で、豪華ゲストを迎えたスペシャル企画を開催した。前身の『ナインティナインのANN』から数えると25年半以上、現行の体制になってからも5年以上が経過した、深夜ラジオ界でも異例の長寿番組に、ORICON NEWSでは3週連続で密着取材を敢行。現場の様子とスタッフへのインタビューから“ラジオスター”岡村隆史の魅力に迫った。

『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』に3週連続で密着 (C)ORICON NewS inc.

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■画期的な「岡-1グランプリ」 出川との暴露合戦&ノンスタ石田と『M-1』談義

 1週目は、昨年から開催された賞レース「岡-1グランプリ」の第2回大会「令和最初の最強芸人は俺が決める!審査員・岡村隆史! 岡-1グランプリ」。審査員である岡村によるちょっとクセの強い審査とそれに翻弄される、予選を勝ち抜いた(?)強者ぞろいの出場者とのやりとりが魅力だが、今回は2回連続出場のインパルス・堤下敦、ミキ・昂生に加え、おかずクラブ・オカリナとハンバーグ師匠(スピードワゴン・井戸田潤)が初参加した。

 『M-1グランプリ』などをはじめとした、お笑い賞レース同様、情感たっぷりに話し、大会の重みを伝えようとする岡村に対して、堤下や昂生はブースの内外からキレキレのツッコミを次々と浴びせる。昂生がひとり漫才、堤下が川柳ネタ、オカリナが“オカリナ”演奏、ハンバーグ師匠は熱々の鉄板ネタを披露するなど、ほかの賞レースにはない幅の広さを見せた。

 すべての結果の“集計”を終え、岡村は「全員が優勝だ」と一人ひとりを祝福しながら「こういうことが起きるんですね。ミキ昂生さん、堤下さんは2年連続。オカリナさん、初優勝。そして、ハンバーグ師匠、ベテランのあした6時から仕事がある中で…」と労いながら、来年に向けてさらなる期待が高まる中でエンディングを迎えた。

 続く2週目は、年末恒例の出川哲朗をゲストに迎えての「僕たちのLOVE&SEX」。ディレクターの合図を待って乱入した出川は、密着取材が入っていることを知ると、岡村に向かって「お前、何でオリコンさん呼んだんだよ! 私もいつもお世話になってますけれども、ラジオのネタがニュースになっちゃうのは、よろしくない」と番組内容がネットニュース化されることについて危機感を口にした。

 その後は、恒例となった“五反田のおじいちゃん”トークで大盛り上がり。最初は記者を警戒していた出川もトークの熱が上がるにつれ「コイツは変態ですよ」とリップサービスも飛び出した。その後も過去に何度も語られてきたネタながら、熱いテンションでトークを展開。出川の過去の恋愛トークがさく裂し、岡村が最後は珍しく「くやしいかな、負けを認める」と敗北宣言が飛び出し、例年以上に盛り上がった「LOVE&SEX」は思わぬ形で幕を閉じた。

 ラストは、昨年大好評だったNON STYLE石田明との「M-1答え合わせ」。直前の日曜日に行われた『M-1グランプリ2019』について掘り下げていったが、石田“教授”の繰り出す詳細な分析に、岡村も深くうなずきながらも感想をストレートに語り合う。CM中や番組が終了後も、スタジオ外に残っていた石田と岡村は“追加”でトークするなど、白熱したものとなった。岡村は「こんな時代じゃ絶対に勝てない。天然素材で踊っていて良かった」と舌を巻きながら、来年の答え合わせ開催を楽しみにしていた。

■スタッフが語る岡村の魅力 “ラジオの相方”が分析「ラジオの姿が一番実像に近い」

 密着取材の合間、パーソナリティー岡村隆史の素顔を知るスタッフたちの声を聞いた。リスナーからは「キング三浦」あるいは「風俗野郎Aチーム」の愛称で親しまれているディレクターの三浦憲高氏は、自身の立場と役割を「いわゆる総合演出っていうところになります。調整役というところもありますが、一番はスタッフもリスナーも、もちろん出演者のみなさんも楽しく番組が作れるかっていうのを第一に考えています」と謙そんしながら説明する。

 放送前の打ち合わせの雰囲気について、声を潜めながら教えてくれた。「岡村さんご本人もラジオで言っていますが、基本的に静かな方なので(笑)。岡村さん発信で話があったらもちろん聞きますが、その日の状態も見つつ『このドラマが良かったですね』などという話をします。普段は午後10時頃に入ってきて、12時くらいまではネタはがきを選ばれているので、そこからクイズのネタを考えたりしていると、あっという間に放送が目前になっています」。

 『岡村隆史のANN』ならではの習慣もあるようで「ほかの番組は、別日に集まったりするのですが、この番組は25年以上、当日に集まる以外のことはやっていないので、スタッフは午後8時集合で、そこから組み立てていきます」とルーティンを説明する。「オンエア中は、基本的に岡村さんから目を離さないように気をつけています。常にちゃんと聞いているよっていう意思表示にもなりますけれども、目を見ることで理解が深まりますし、そこで信頼関係を徐々に作っていく。特に自分なんて、25年続いているところに3年前からポッと入ってきたので。そういう、いわば単純なところで信頼関係を築いていくのが大事だと思っているんです」と言葉に力を込める。

 『岡村隆史のANN』以外にも、『霜降り明星のANN0』、同局昼の帯番組『DAYS』、月1レギュラーの『古舘伊知郎のANNGOLD』などを手がけている三浦氏は「自分はお笑いが得意じゃないので、お笑いの部分に関しては偉大なる(放送作家)小西マサテルさん、川島カヨさん、畠山健さんを信用していて、僕は『お笑いが得意じゃない自分が見たらこうなりますが…』という客観的な情報を伝えるように心がけています」と明かす。「番組の進行と並行して、エンディングの曲を何にしようかなということも、考えています。そこだけは誰にも負けないぞという思いは強いですね」と笑みを浮かべた。

 三浦氏は、自身が番組に加入した時の状況を振り返る。「僕は当時、岡村さんがラジオで芸能界のスキャンダルばかりを斬っていたことが気になっていて、小西さんに相談したこともありました。まぁバランスの問題ではあるのですが、単なる“ご意見番”の番組にはしたくなかったからです」。そんな中、番組の間口を広げるために“ある改革”を行った。「これだけ歴史がある番組になると、新規の方も入ってくるのが難しくなってくるので、ナイナイさん時代からの古いネタが出たら『これってなんですか?』と“あえて”聞くようにしました。僕自身、これまでのディレクターの方と比べたら、番組の歴史を知らないので、いわば“新規のリスナー”なんですよね。でも、それは逆に武器にも成り得る…と思ったんです。フリートークの中でも知らなくて気になった点は遠慮なく聞くようにしています。すると、岡村さんも(この話はマニアックすぎるのかな)と気づいてくれることもあるのか…と」。

 こうした演出が功を奏して、ある変化を感じているという。「番組イベントの歌謡祭も5周年を迎えましたが、来ていただいている方も新規のリスナーさんが増えているんです。ナイナイさん時代から聞いてくださっているリスナーの方も、もちろん大切にしているのですが、岡村さんになってから聞き始めたっていうリスナーも確実に増えているという実感があります」。さらに、こう続ける。「去年あたりから、これは定番企画にしたいっていうのもでき始めました。劇団ひとりさんとの夏休み恒例お楽しみ企画や、岡-1がそれにあたりますね。新しい定番を作ることは、大きな課題として、ずっと考えてきました。定番企画は、ラジオの習慣性と非常に親和性が高いと思うんです」。

 ナイナイANN時代から番組に携わり、番組本の監修も務め、岡村からも全幅の信頼を寄せられている放送作家・小西マサテル氏。毎週、岡村とともにブースに入っている“ラジオの相方”はどのように見ているのだろうか。「僕にもわからないですし、たぶん本人が謎にしていると思うのですが、ラジオでの姿が一番実像に近い岡村隆史ではあると思うんですよ。テレビが例えば50%の本人しか見せてないとしたら、ラジオではたぶん70〜80%は見せているはず。ただ、100%じゃないんです。だって、さすがに『きのう久しぶりにセックスしまして』『意外と上手にできました』とか、岡村隆史が言うわけないじゃないですか。まぁそういうこと“本当になさそう”という、くやしい部分もあるんですけれども(笑)。あえて言うならば、残りの20%の中に確実にあると言いきれるのは、“尋常じゃない優しさ”ですかね。自分のことでアレですけど、僕、ときどき落語をやっているんですよ。それを毎回、わざわざ観てくれて『渾身の出来ですね』なんて、めっちゃ褒めてくれるんです。で、調子に乗って落語をYouTubeにあげてみたら、視聴回数、ずっと『3回』のまんまで。これ、おっさんの夜中の小便の回数です。あの“褒めまくり”は、やっぱり優しさの表れやったんやな…と、身をもって気付かされました(笑)。要するに僕もそうなんですけど、あとの20%はどうなのかっていうのを、番組を通して類推するのがリスナーの楽しみであるのかな。なんでもそうですが、100%見えちゃったら、つまんないですよね」。

 2019年は『決算!忠臣蔵』で時代劇に初挑戦し、今年はNHK大河ドラマ『麒麟がくる』に出演するなど、俳優業も精力的に行ってきた岡村。18年に『紅白歌合戦』に出演したことをきっかけに、五木ひろしがラジオイベント『岡村隆史のANN歌謡祭』にゲスト登場するなど、マルチな活動の中心になっているのは、やはりラジオだ。ゲストと本番前後に歓談し、本番中はとにかく自らもリスナーも笑える放送をスタッフと一丸となって目指す…。岡村隆史の一番コアな部分が垣間見えるラジオという聖域に3週連続で密着取材を行ったが、ほんの少しだけ“素”に迫れた気がした。

 ノンスタ石田との「M-1答え合わせ」は「radiko」タイムフリーで、きょう2日まで聴取可能。きょう2日のANNは、昨年9月に『岡村隆史のANN歌謡祭』で一夜限りのコラボ“オカパラ”を結成した東京スカパラダイスオーケストラのバリトンサックスの谷中敦、ベースの川上つよし、ドラムの茂木欣一が、岡村の新年休みの代演として『東京スカパラダイスオーケストラのANN』のパーソナリティーを務める。

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