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佐倉綾音、諦めかけた“少年役”で開花 「やれる自信ある」…憧れ捨てず役の幅を追求

 アニメ『僕のヒーローアカデミア』麗日お茶子役、『五等分の花嫁』中野四葉役など2010年のデビューから数多くの作品に出演している声優・佐倉綾音(25)。そんな彼女は、27日に公開される劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』で、テレビアニメから引き続き主人公・速杉ハヤトを担当する。「少年を演じたくても演じる機会がなくて…」「“女の子”を演じることに抵抗感があったくらい」と一度は諦めかけた憧れの少年を演じて仕事が増えたことも明かし、「面白い人生を歩んでいる」と同作への出演で得たものを語ってもらった。

アニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン 』主人公・速杉ハヤト役を担当している佐倉綾音 (C)ORICON NewS inc.

アニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン 』主人公・速杉ハヤト役を担当している佐倉綾音 (C)ORICON NewS inc.

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――メインキャラクターとしては初めて少年役を務めた『シンカリオン』。主人公・速杉ハヤトの役作りはどのようにアプローチしたのでしょうか。

 テレビアニメが放送される前のオーディションでは、いただいたキャラクターの設定画もキリッとした表情で、我が強い熱血のキャラクターを想像していたのですが、音響監督さんから「そういうキャラクターではないので、持って来たものを一度全て捨てましょう」と指示を受けました。ロボットアニメだとバトルが見どころになることが多いので、キャラクターも“熱血感”が強いと思うのですが、「とても優しくて、都会で生まれ育った周りの見える男の子」ということで、私の持っていた固定概念と真逆となりました。

 第1話、2話で描かれた、世界のため、自分のために戦うのではなく、『父親のために戦う、力になりたい』というハヤトの戦うきっかけは、とても人間味があり、私自身も「誰かに喜んでほしい」という考え方が強いので共感できました。今の仕事に置き換えると「作品そのものやファンの方々に、幸せになってほしい」という考えに繋がりますね。

 私は昔から自分自身のために頑張れなくて、物事において自分の優先順位が低い(笑)。「自分のことはいいや」と思いがちで、それよりも「人が喜んでくれることをしよう」と思うことが多く、人が喜んでいる姿を見て、自身も幸せを感じていました。声優のお仕事をしていますが、クリエイターとして何かを発信するよりも、才能のあるクリエイターさんからオファーをいただき「ともに作り上げていく」ことに喜びを感じます。

 結果論になりますが、キャラクターの声は誰がやってもいいと思っています。誰かが公式の場で声を務め続ける限り、キャラクターは生き続けるので。その中で、私が声を務めることで、ハヤトやファンの方々が喜んでくれて、幸せだと感じてもらえて、「佐倉さんで良かった」と言っていただけると、とてもうれしい。そういう想いでいつも、色んなお仕事で声を吹き込んでいます。

――佐倉さんは元気なキャラクターを演じる機会が多いと感じています。その中でも少年役を務める機会が少なかったのは意外でした。この“少年役”に対して特別な想いはあったのでしょうか。

 少年少女含めて明るいキャラクターは過去に演じてきましたが、ハヤトがきっかけで男の子役のお仕事は増えたと思います。実は『シンカリオン』に出演するまで、少年を演じたくても演じる機会があまりなくて…(苦笑)。というのも、この世界にデビューする前は「私は声が低い」と思っていたので、自分では「女の子よりも男の子役の方が向いている、むしろ、少年役しかできない」と思っていました。でも、デビュー以降女の子役のオファーが続き「私、そんなに声低くないんだ」と思い知りました(笑)。 それでも心の底では「いや、きっと私は男の子役に向いている、オファーがきたらやれる自信がある」と思い続けていました。私自身、小さいころは髪を短くしてスカートも履かないくらい“男の子”になりたくて、むしろ“女の子”であることに抵抗感があったくらいなので、少年役への憧れを捨てきれなかったんです。

 「なれない自分になれる」=「女性が男性を演じる」というようなお仕事は、声優が一番多いと思っています。もちろん、舞台などで女性が男性を演じることもあると思うのですが、ひとつの役を長年任せていただいて演じられるのは声優の醍醐味と考えています。

 その中でハヤトと出会い、少年役の道が開けたので、面白い人生を歩んでいるなと思います(笑)。少年役しかできないと思っていた私が、業界に入り女の子役を多く任されて自身の新たな一面に気づき、今はこうしてハヤトを演じたことで、まるで原点回帰のように少年役としての活動の幅が広がっているわけですから。より多くの人に幸せを届けられるかもしれないチャンスが増えています。これからも男性のキャラクターは演じていきたいですが、私たちのお仕事はオファーがあってのものなので、「やりたい!」と思い続けてもそれが叶うことはとても難しい。その中で、私がキャラクターを“幸せ”にできると信じて役を任せていただけるのであれば、ぜひ、チャレンジさせてもらいたいと思っています。

――『シンカリオン』出演で憧れの少年役、演技の幅が広がったなど得るものが多かったということですね。その中で『シンカリオン』のような親子で楽しめるアニメ出演で得たものはありますか。

 アニメーションは今、深夜帯に放送されている作品が多いと思うのですが、深夜帯のように3ケ月に一度、クール毎に作品が変わることなく、朝方に親子で楽しめる作品は数が限られていて。いわゆる“親子アニメ”に出演する機会自体が多くはなく、役を掴むのも必死なのですが、今回、オーディションを経て憧れの少年役を務めることができ、私の自信となりました。

 『シンカリオン』出演で一番感じたのは、大人としての責任感と使命感です。私たちはかつて子どもであり、それぞれ小さいころに見ていたアニメへの感動があったと思います。その「ワクワク」を今度は元・子どもの私たちが、今の子どもたちに伝えていく…この使命感こそが、『シンカリオン』のような親子アニメ特有の体験だと思っています。私自身、言動も含めて大人としての意識が強まりました(笑)。

■作品概要
 『シンカリオン』は、2018年1月よりTBS系全国28局ネットで放送されてきたテレビアニメ。新幹線が移動手段だけでなく、日本の平和と安全を守るため「新幹線変形ロボ シンカリオン」として活躍する世界を舞台に、そのシンカリオンと高い適合率を持つ子どもたちが運転士となり、強大な敵に立ち向かう姿を描いた物語。劇場版では、次世代新幹線の開発を進めるためのJR東日本の新幹線試験車両「ALFA-X(アルファエックス)」がシンカリオンとして活躍する。

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