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映画初主演に挑んだ乃木坂46・堀未央奈、自分に自信を持てなかった10代の経験を役づくりに反映

 2016年に大ヒットを記録した『溺れるナイフ』で一躍注目を集めた新鋭:山戸結希監督の最新作、『ホットギミック ガールミーツボーイ』いよいよ本日6月28日(金)公開。主人公・成田初(なりた・はつみ)を演じるのは、映画初出演にして初主演に抜擢された乃木坂46堀未央奈。オーディションサイト『Deview/デビュー』では、本作でスクリーンデビューを果たした堀と、彼女を主演に抜擢した山戸監督に、本作の見どころ、お互いの印象、撮影現場のエピソードなどを聞いた。

『ホットギミック ガールミーツボーイ』で主演を務める堀未央奈(乃木坂46) 撮影/加藤千絵(CAPS)(C)Deview

『ホットギミック ガールミーツボーイ』で主演を務める堀未央奈(乃木坂46) 撮影/加藤千絵(CAPS)(C)Deview

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 相原実貴の人気コミックを原作とした本作で、異なる魅力を持つ3人の男性の間で揺れるヒロインに堀を抜擢した山戸監督が堀と初めて出会ったのは、乃木坂46の14枚目のシングル『ハルジオンが咲く頃』(2016)のMV撮影だった。山戸監督はその時の堀の印象について「撮影は二日間だけでしたが、堀さんの真摯さが言葉にせずとも伝わってきて、存在が刻み込まれていました。いつかまたお会いするのかもというイメージが漠然とあった中で、今回の『ホットギミック ガールミーツボーイ』が動き始めた時に、『主演はぜひ、堀さんで』と私から名前を挙げました」と山戸監督直々のオファーだったという。

 同作は一期生である深川麻衣の卒業シングルで、堀は憧れの先輩から最後にバトンを託されるという役柄だったが、「たとえどれだけ離れたところからでも、“私を見て!”とカメラを引き寄せてしまう訴求力があった」と、堀の存在が山戸監督の心に刻み込まれた。「実は、『ハルジオンが咲く頃』の撮影現場では堀さんとは特にお話をしていません。でも、こんなにも周りの環境に流されずに、自分の足で立って頑張っている女の子がいるんだなと感じましたし、“あ、自分は見たんだ。監督として、見逃しちゃいけないな”とすごく思ったんです。だからこそ、今回、彼女を撮ることに納得感がありました。彼女がそうした引力を発していたというか、カメラを誘(いざな)っていたのだと思います」(山戸)

 2013年に乃木坂46第2期生オーディションに合格した堀は、お披露目から半年後となる7thシングル『バレッタ』では初選抜にして初センターに抜擢。一時期は選抜落ちも経験したが、チャームポイントであったロングヘアを切り落とし、再スタートした。アンダーでも腐ることなくセンターを務め、選抜とアンダーで共にセンターの位置を任された唯一の経験者となり、周囲からは名実ともに“新世代エース”と称される存在となった。その芯の強さにも山戸監督は惹かれたのだろう。

 一方、オファーを受けた堀は、「最初は本当にびっくりしました」と当時を振り返る。「山戸監督の作品も好きで、『溺れるナイフ』を映画館に観に行っていたんです。すごく胸に刻まれた映画だったので、山戸監督の新たな作品でご一緒できるっていうのは、今まで頑張ってきて良かったなって思いましたし、これからが挑戦だなという思いもありました。もちろん、プレッシャーを感じていましたけど、ジェットコースターに乗る前に、並んでいる時の方が緊張するみたいな感じで。いざ撮影が始まると、その時間が心地いいというか、プレッシャーよりも、“良いものを作りたい”という気持ちの方が強かったですね」と吐露。

 彼女が演じた成田初は、どこにでもいる平凡な17歳の女子高生。同じマンションに住む秀才・亮輝(清水尋也)と人気モデルとなった幼なじみ・梓(板垣瑞生)、そして、兄・凌(間宮祥太朗)の3人から好意を持たれながらも、自分の本当の気持ちが分からずに彷徨う役どころ。

 17才と言えば、堀は初めてセンターを任された年齢だ。堀は当時を振り返りつつ、「まだガチガチだったし、一歩、大人の階段を上りたいけど上るのが怖いという気持ちもあって。それは、自分に自信がないからなんですよね。17歳の自分は、自分に自信がないことも、それが、まだ何も経験がないからだってこともわかっている。その曖昧さが、初ちゃんと重なる部分があって。きっと、そういう時って誰にもあると思うんです。最初から自信満々で、強気で、怖いもの知らずっていう人はなかなか少ないんじゃないかなと思うので、そこは演じていて共感できました。なんとも言えない感情とか、自分を嫌いになってしまう瞬間とか。無意識に相手を傷つけちゃったり、自分の本意じゃない選択をしてしまったり……ということは、“17歳あるある”なんじゃないかなって思いました(笑)」

■「“私も頑張らなきゃ! 戦わなきゃ!”という気持ちは常にあった」

 さらに、演じた初は現在22歳の堀の実年齢より下の世代になるが、全て経験したことのある感情だったという。「思春期の女の子はもちろん、大人の方は自分の10代や20代の恋愛を振り返った時に、絶対にみんなが経験する気持ちだと思うんですよね。なかなか自分を肯定できなくて、好きになれなくて。周りの人に流されたり、自分の気持ちを偽って言ったりする。全然うまくいかない日々が続く……みたいな。その積み重ねは、私を含めた女の子も男の子も経験していることなんじゃないかなと思うんです。だから、台本を読んだ時も、演じている時も、“この気持ち、ちょっと私には理解できないな”という瞬間が一切なかった。わかりすぎて、どうしていいかわからないという悩みの方がありました」と役への想いを語る。

 その悩みを晴らしてくれたのは彼女を映画界に引き込んだ山戸監督だった。「私がモヤモヤを抱えているときはいつも山戸監督が手を差し伸べてくだって。シーン毎シーン、良いものにしようという想いでセリフをたくさん書き換えてくださった。妥協がどこにもなかったし、そういう戦う姿勢って、女の子にもすごく必要なことだと思う。近くにいて、いつもカッコイイなと思っていましたし、“私も頑張らなきゃ! 戦わなきゃ!”という気持ちは常にありましたね。でも、一人で頑張らなきゃという感じよりかは、監督やキャストの皆さん、スタッフの皆さんと一緒に戦うぞ!という気持ちの方が強かったです」

 本作は、彼女の戦う姿勢がそのままメッセージとなっていると言っていいだろう。国民的アイドルグループのメンバーがドラマや映画に出演する際は、数多くのファンへの配慮からキスシーンなどがないこともあるが、堀は文字通り、肌身を晒して共演者と対峙し、生々しい感情をぶつけ合い、世界中の女の子の代表として、大声で叫んでいる。「3本分の恋愛映画を作ったくらい濃密な時間を過ごしました。全然違う3人だし、3人といる自分も違うし。不思議な体験で、とても楽しかったです」と笑顔で語る彼女は、この現場で芝居の面白さも感じたようだ。

「“見ている人にこういうことを伝えたい”と思ったことを、表情や言葉、仕草とか、全部を使って表現するのはすごく難しくて。考えれば考えるほど、わからなくなっちゃうこともあるし。でも、これだ!と思えるものが表現できた時は、お芝居としてやっているというよりも、自分自身の心が動いていて、それがカメラに映っていたという感じなんですよね。そういう不思議な経験が、私は楽しいなと思えることでした。すごく感情が大事になっていくというか。しかも、同じキャラクターだとしても、演じる人やスタッフさん、監督さんによって全く違うものができるので、本当に素敵な仕事だなって思います」と女優という仕事の魅力を語る。

 ドラマ「ザンビ」や「遊戯みたいにいかない」などに出演し、舞台『あさひなぐ』では主演の齋藤飛鳥のライバル役を務め、本作でスクリーンデビューを果たした彼女。女優としてもこれからが楽しみになる彼女に、最後に、夢を叶えるために大切なことを聞いた。

「私はずっとネガテイブで、10代の頃から、自分に自信を持つことを目標にやってきて。ようやく活動が自信に繋がったり、自分にとってマイナスになるかもっていうことでも、とにかくポジティブに変換して、前向きにやっていくことで、自然と流れがいい方に向かうようになりました。うまくいかなかったことでも、結局、いつかどこかで役立つから、諦めたくないっていう思いがずっとあって。それは本当に、今に自分に役立っているなって思います。だから、オーディションに落ちてしまったりとか、自分の思い通りにいかないことがあったりしても、それで終わりじゃなくて。そこからがまたスタートだって思って欲しい。その経験が確実に次に繋がるから、どんどん自信をつなげていって欲しいなって思うし、今、この記事を読んでくれている方といつか一緒に夢を叶えていけたらいいなと思うので、私も頑張りたいです!」

 『ホットギミック ガールミーツボーイ』は、6月28日(金)より全国ロードショー。なお、堀未央奈×山戸結希監督のインタビュー全文は、オーディションサイト『Deview/デビュー』(下記リンク参照)に掲載中。

【堀未央奈×山戸結希監督 インタビュー全文】
https://deview.co.jp/Interview?am_interview_id=760

取材・文/永堀アツオ

関連写真

  • 『ホットギミック ガールミーツボーイ』で主演を務める堀未央奈(乃木坂46) 撮影/加藤千絵(CAPS)(C)Deview
  • (写真左より)主演・堀未央奈、山戸結希監督 撮影/加藤千絵(CAPS)(C)Deview
  • 主人公・成田初を演じた堀未央奈(乃木坂46)
  • 映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』6月28日全国ロードショー(C)相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会

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