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“ラジオ歴30年以上”の伊集院光、朝の生放送で光る話術 密着取材で見えたもの

 テレビでは、クイズ番組などでの活躍から「ひらめきの天才」とも称されるタレントの伊集院光(51)。30年以上も番組を持っているラジオ業界では「ラジオの帝王」との呼び声も高いが、どのように番組作りを行っているのだろうか。4月1日放送のTBSラジオ『伊集院光とらじおと』(月〜木 前8:30〜11:00)への密着とスタッフへの取材から、その魅力を探った。

■ブースの外にも視線を合わせてトーク 新コーナーへの思いを告白

 4月1日(月)朝8時30分、番組がスタート。この日は、新元号の発表に向けて、朝からそわそわしていたが、伊集院が「番組始まりまでバタバタしていて、あんまりニュース見ていないんですけど、きょうエイプリルフールじゃないですか。よく、企業がいろいろとやっていますけど、今年は何かやっているのかなと、この日付を見て思いまして」と切り出すと、スタッフも思わず「あぁーそうだった」と声を上げた。そこから、先週末に旅行で京都を訪れたという話から「便利っていらつきだと思う」との見解を披露し、個人的なエピソードをもとに、リスナーに呼びかけるようにトークを展開していった。

 伊集院の様子を眺めていて、気づいたことは「全員のことをまんべんなく見ながらトークをしている」というところだ。これまで、ラジオの生放送や収録取材を行ったことがあるが、対面しているアシスタントだけではなく、ブースの外にも視線を合わせて話をするパーソナリティーを見たことがなかったので、巧みな話術と相まって、より話に引き込まれていく。そんな中、この日から新コーナー「みんな電力 presents 電気代ビンゴ!」のコーナーがスタートした。

 TBSラジオが、みんな電力の「顔の見える再生可能エネルギー」を使って AM波を送信していく取り組みを始め、昨年12月には同番組で「エネルギーと電力についてイチから考える」として、伊集院のダイエットコーナーと連動した企画を実施。「エアロバイクをこいで乾電池を充電する」をメインに据えながら、みんな電力の取り組みを紹介していったところ、大きな反響があり、4月から番組リスナーも楽しめて得をしながら「毎月、自分がどれくらいの電気を使って、いくら電気代を払っているか気にかけてほしい」をテーマに、電気代ビンゴのコーナーが立ち上がった。

 ルールはいたってシンプル。検針票がそのままビンゴカードとなり、毎週3ケタの当選番号を番組内で発表。その番号が、電気料金の下3ケタと一致したリスナーの中から抽選で1人に毎月の電気代1万円をプレゼントするという仕組みとなっている。記念すべき第1回のコーナーを無事に終えると、伊集院は「まだ最初なので、これからいろいろと変えていく部分もあると思います」と冷静に話しながら「1回目って感じだね」と笑みを浮かべた。企画意図について、次のようなコメントを寄せた。

 「みんな電力さんの『電気を自分の考えで選んでほしい』という想いのもと、番組開始4年目を迎えた今日から新コーナーが始まりました。番組をお聴きの皆さんには、毎週現金1万円が当たるお得な企画となっています。常に『電気使用量のお知らせ』、いわゆる検針票を手元に置いて、参加していただけたらと思います!」。

 続いて始まったダイエットコーナー。番組が始まる前に収録した音声では、スタジオでパンツ一丁の伊集院が体重計に乗り、月曜アシスタントの新井麻希が、体重を絶叫しながら発表。思ったよりも成果が出ていなかった伊集院が「今、オレがコーヒー飲んでいたじゃん。それを止めないとダメだよ」と嘆いて笑いを誘った。

■ゲストの“こぼれ話”を引き出す話術 スタッフが語る番組のこれから「中身の要素を広めて…」

 それからほどなくして迎えたゲストコーナー。この日からスタートする夕方帯の新番組『ACTION』(月〜金 後3:30〜5:30)で、木曜日のパーソナリティーを務める作家の羽田圭介氏が登場。ゲストがふと話す“こぼれ話”を通して“聞き手”としての伊集院の魅力も堪能できるコーナーである。大のTBSラジオリスナーである羽田氏が「自分がしゃべって大丈夫かな」との不安を漏らすと、伊集院は自らの経験をもとに、しゃべり手として新番組に臨む羽田氏に語りかける。

 「自分とかは19歳からラジオを始めちゃったから、ラジオを聞いてはいたんだけど、しゃべる方が長くなっているので、むしろちょっとわがままになっちゃっているんですよ。たまに、何かの拍子で自分の放送を聞いちゃったりとかすると、確かにもっと曲を聞かせてほしいなと思っちゃったりとかするから(笑)」

 その上で「自分が聞いてきた人間がラジオをやるっていうのは、自分でハードルを上げちゃっている部分があったり?」と羽田氏に質問。「TBSラジオって、やっぱりしゃべりたいことがたくさんある方がやっているイメージがあるので…」と見事に新番組への思いを引き出した。その後も、新刊にまつわるエピソードなど、羽田氏の視点の面白さや、芥川賞後の周りの変化、それに関連して、キャリアを重ねていくことで伊集院が感じる「周りが迷ったら、僕の意見でっていう風になるのが怖い」という思いまで、余すところなく聴き応えのある時間が流れた。

 密着を通して、改めて番組の2時間半があっという間に感じるほど、心地よく時が流れていたことがわかった。密着後、去年の7月から番組プロデューサーを担当している大谷正美氏に話を聞いてみた。当然のことながら、伊集院と番組の時間帯の特性をうまく掛け合わせることを意識している。「平日の午前中というのは、、いろんな人にラジオに触れてもらえる可能性がある時間帯。毎日お招きするゲストは伊集院さんと相性の良い方だけでなく、あまり接点がなくても、放送を通して化学反応が起きそうな方にお声がけするよう心がけています。」。

 番組における、自身のスタンスについては「伊集院さんの中に『面白いかどうか』『リスナーにとってわかりやすいかどうか』という統一された基準があるので、僕たちがそのレベルに近づける作業が第一だと思います」ときっぱり。放送でも、リスナーにそれとなく“気付き”を与える場面が幾度となく見られたが「伊集院さん自ら行動したことを元に、気づいたこと、感じたことを話しているから説得力が違う。毎日持ってきてくれる様々なネタは、僕らも聞いていて『あーそれそれ!』とか『へーっ!』てなるんですけど、それって改めて言葉にしないと気が付かないことも多いんですよね。そういった部分に注目することが、気づきや共感につながっているのかなと思います。きょうの放送でも、一般的には一見遠い存在に思える芥川賞作家さんでも、自分の立場に置き換えてしゃべったり、何かに例えることで、リスナーを絶対に置いていかない技術は、なかなか真似できないと感じています」と語った。

 伊集院がブースの外にまで視線を送っている点については「確かに、ほかのパーソナリティーの方と比べると多いかもしれないですね。ディレクターの立場からすると、毎日真剣勝負ですよ!」と笑顔。最後に、これからの番組について言葉に力を込めた。「伊集院さんは、放送直前まで『よりよいものを』と考えることをやめません。放送当日に変更点もあったりしますけど、僕たちも負けじとそれに食らいついていきます。この番組は、面白いコーナー、ゲスト、ニュースがあるという王道のやり方をしていると思っていて。その王道は崩さずに、中身の要素をさらに濃くしながら、その良さを、より多くの方に広めていくのが僕の使命だと考えています」。

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