NHKで放送中の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺（ばなし）〜』（毎週日曜　後8：00　総合ほか）で、1964年東京オリンピック招致の立役者・田畑政治（たばた・まさじ）を演じる俳優の阿部サダヲ（48）が21日、長野県上田市を初めて訪れた。未来のオリンピアンたちを激励しに行ったところ、逆に誕生日（4月23日）のフライングサプライズを受けるなど、女性からモテモテ。女子高生が黄色い声をあげると阿部は「もっと騒いで〜」と応えて、ますます好感度をあげていた。

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　今月8日の同チャンネルで放送された『鶴瓶の家族に乾杯　いだてんSP！阿部サダヲと徳島県小松島市ぶっつけ本番旅』に出演した際、オリンピックを目指している少年少女に遭遇することを期待するも、空振りに終わってしまい、モヤモヤしていた阿部が、上田市でリベンジを果たした。

　大河ドラマ『おんな城主 直虎』（2017年）での徳川家康役が記憶に新しいが、『元禄繚乱』(1999年)では真田信就役で出演しており、真田氏ゆかりの上田市とは浅からぬ縁があるともいえる阿部。『元禄繚乱』で主演を務めたのは、『いだてん』で金栗四三を演じる六代目中村勘九郎の父、五代目中村勘九郎（後の十八代目中村勘三郎）だった。

　午後から市内で予定されている『いだてん』トークツアーに出演する阿部は、午前中、野球・サッカー・レスリングなどの強豪校で知られる上田西高等学校へ。レスリング部で練習していたのは、上田レスリングスポーツ少年団の園児から中学生までの少年少女たちだった。

　上田西高レスリング部監督の井出真一さんが指導する同少年団は、園児のころからレスリングに親しみ、先輩の姿を見て学び、中学生は高校生と、小学生は中学生と合同練習を行って力を付けてきた。中学2年生の倉崎暖さんと中学1年生の橋本百代さんは全国大会で表彰台常連の有望株。本人たちも「2020東京オリンピックの次か、その次」を目指していると、控えめに夢を語ってくれた。

　実は橋本さんから「4月23日が阿部さんのお誕生日なので、『おめでとうございます』って伝えてください」と、伝言を頼まれた。ついさっきまで本人と話していたのに、言い出せなかったそう。阿部に伝えると、「トップアスリートの中にはシャイな人も多いですよね。彼女も楽しみだな。いやぁ、うれしいな」と、レスリング部の小屋がある方を振り返っていた。

　野球少年だったという阿部は、帰りがけに野球部のグラウンドにも立ち寄り、上田西VS松商学園の練習試合を少しだけ見学して、次の訪問先である長野大学女子バレーボール部が練習する体育館へ移動。1984年ロサンゼルスオリンピックで銅メダルを獲得したバレーボール女子日本代表メンバーの野口京子さん（現：長野大学社会福祉学部教授）が監督をしており、阿部はメダリストにも会うことができた。

　野口監督には、銅メダルを見せてもらうだけでなく、首にかけてもらって大喜びだった阿部。「美術さんが作ってくれるメダルも素晴らしいのですが、やっぱり本物は違いますね。本物のメダルを初めて見たので、感動しました」。

　部員たちは、2020年東京オリンピックには選手としてではなく、ボランティアとして参加する可能性があると聞き、阿部は「僕が演じる田畑さんは、1964年の東京オリンピックを招致する男。東京オリンピックといえば、東洋の魔女。金メダルをとったバレーボール女子日本代表のメンバー役で出演したらいいのに」と、スカウト（？）。野口監督も「ご縁があれば」と満更でもない様子だった。

　記念撮影などもひと通りした帰り際、突然、女子部員たちが「ハッピーバースデートゥーユー♪」を歌い出し、花束とプレゼントを阿部に手渡した。女子中学生に続いて、女子大学生からも逆サプライズを受けた阿部。「かっこ、かわいい！」「オーラがあった！」「マル・マル・モリ・モリ！」と、ゆく先々でモテモテだった。

　午後からの『いだてん』トークツアーのステージでは、観客を巻き込む軽妙なトークで盛り上げたが、逆に地元のチアリーディングクラブ「上田エンジェルス」（ジュニアチームが5月に世界大会出場の実力）による『いだてん』の応援パフォーマンスで励まされ、「元気をもらえた。また、明日から元気を届けられるように撮影、頑張ります」と気持ちを新たにしていた。