1980年代〜90年代に2度のブームを巻き起こし、累計販売台数1億8000万台以上を誇る、株式会社タミヤから発売されている「ミニ四駆」。レース同様に、マシンの見た目を競う企画「コンクールデレガンス」(以下コンデレ)も大きな盛り上がりを見せている。そんなコンデレ界で存在感を発揮している2人をご紹介。アジフライやビールといった食べ物系や、蚊取り線香・ムンクの叫びなど一風変わったモチーフでコンデレ作品を制作しているkaz-shakaさん、ミニ四駆だけでなくジオラマも制作、『千葉しぼり展示会 全日本シネマ選手権』で優勝経験もあるHIROFUMIXさんに、コンデレに対するこだわりや想いを聞いた。
■飛び道具的なアイデアに、情熱を注ぎ込む(kaz-shakaさん)
小学生のころ『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』で流行ったミニ四駆を、2009年辺りから再開、今年で復帰10年目となるkaz-shakaさん。ミニ四駆を始めるきっかけは一体何だったのだろうか。
「昔ミニ四駆流行ったよなぁという話からコースのある店舗の存在を知り、ちょっと行ってみるかと軽いノリで始めたのがきっかけです。コンデレマシン制作を始めたきっかけは、公式レースに出てみたいという動機で会場に出向いたとき、見た目を競う部門もあることを知り、こちらの方が自分に合っていると思って始めました」
アジフライ定食をモチーフに制作した『ハイ・フライ・スパイダー アジヨンクver.』は何とも美味しそうで、食欲そそるミニ四駆だ。こだわった改造箇所について話を聞くと、「マシン本体じゃなくて恐縮なんですが、添え物のレモンです。白ホイールに黄タイヤだけだと、どーも物足りない…。雑貨屋や100円ショップをうろついて偶然出会った蓄光スライムが色味も質感も果肉にぴったりで、作品の主役ではないんですが、おかげで全体のクオリティがグッと上がったと思っています」と、ミニ四駆本体以外にまでこだわりを見せる。
格好いい実車系やレーシーなマシンを本流とするなら、自分の作品は傍流と語るkaz-shakaさん。自身の強みは、「飛び道具的なアイデアだけです(笑)。粗削りだし技術的にもまだまだ拙いですし。ただ、そのアイデアを形にしたいという情熱をマシンに注ぎ込むことが出来ればカッコよくてレーシーなマシンにも負けないと思っています」と分析する。
「ミニ四駆は、多くのレーサーと繋がれること以上に、自身の内面と向き合う趣味と捉えています。ふっと創作イメージが湧く、それをがむしゃらに形にして吐き出す。創作欲の発露を受け止めてくれる場所、それが私にとってのミニ四駆です」
■牧歌的な題材で勝負「露悪的な表現にならないように注意しました」(HIROFUMIXさん)
2008年にミニ四駆復帰、コンデレ歴は累計7年くらいと語るHIROFUMIXさん。ミニ四駆を始めたきっかけは、「同級生も上級生もってくらいにブームの最中で、『とにかく自分も手に入れなければ!』とブームに呑まれる典型でした」とのこと。
そんなHIROFUMIXさんの代表作の一つである『ワイルドアンパンマン号』。アンパンマンを題材に、ワイルドミニ四駆でリアルな質感を表現。見ごたえのあるコンデレマシンだ。
「精度や技術を極めよう的な工作に疲れていた時期で、今一度子供の頃のような工作の楽しみ方をしようと、そんな気分で“マニアなこだわり”を封印できる牧歌的な題材を選びました。幼稚園のときにアンパンマンのアニメが始まった世代でもあるんです。コンセプトは“夏休みの工作”です」
期間にして3ヵ月、実働2週間で制作したという『ワイルドアンパンマン号』。そのこだわりも徹底している。「ライトの雨よけとして造形した眉毛です。愛嬌を持たせるのに必須な要素なんです。『気持ち悪くて面白いですね』みたいな評価にならないように、結構考えました。露悪的な表現にならないようにという点にはこだわりました」
ミニ四駆以外にもモデラーとして様々な作品を制作しているHIROFUMIXさん。「アニメや漫画に登場するメカニックの模型が中心です。再現するというよりは、作る対象をどう表現したいかに重点を置いた作り方をすることが多いです。その結果最近はジオラマを作る機会が増えています」
その受賞歴も豊富だ。「実はミニ四駆公式コンデレでは、去年のジャパンカップ東京1のときに“黒鉄Jr.”でもらった“櫻井なる賞”が最初にして唯一の受賞です。あとは去年のミニ四駆デザインコンテストのときに“フリンジテイル”で頂いた、こしたてつひろ先生(『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』作者)からの特別賞です。模型全般に広げると最近では千葉しぼり展示会で企画された“全日本シネマ選手権”での優勝“さよならピー助”が目立った賞歴になります」
自身にとってミニ四駆はどんな存在かを問うと、「“実家”かな? 忙しいと顔を出せないんだけど、何か起これば必ず戻るし、辛くなったら元気をもらい行く。付かず離れずの距離感と、久々にレースに参加したときのバツの悪さと心地良さが同居する感じが“実家”に似ています」
■飛び道具的なアイデアに、情熱を注ぎ込む(kaz-shakaさん)
小学生のころ『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』で流行ったミニ四駆を、2009年辺りから再開、今年で復帰10年目となるkaz-shakaさん。ミニ四駆を始めるきっかけは一体何だったのだろうか。
「昔ミニ四駆流行ったよなぁという話からコースのある店舗の存在を知り、ちょっと行ってみるかと軽いノリで始めたのがきっかけです。コンデレマシン制作を始めたきっかけは、公式レースに出てみたいという動機で会場に出向いたとき、見た目を競う部門もあることを知り、こちらの方が自分に合っていると思って始めました」
アジフライ定食をモチーフに制作した『ハイ・フライ・スパイダー アジヨンクver.』は何とも美味しそうで、食欲そそるミニ四駆だ。こだわった改造箇所について話を聞くと、「マシン本体じゃなくて恐縮なんですが、添え物のレモンです。白ホイールに黄タイヤだけだと、どーも物足りない…。雑貨屋や100円ショップをうろついて偶然出会った蓄光スライムが色味も質感も果肉にぴったりで、作品の主役ではないんですが、おかげで全体のクオリティがグッと上がったと思っています」と、ミニ四駆本体以外にまでこだわりを見せる。
格好いい実車系やレーシーなマシンを本流とするなら、自分の作品は傍流と語るkaz-shakaさん。自身の強みは、「飛び道具的なアイデアだけです(笑)。粗削りだし技術的にもまだまだ拙いですし。ただ、そのアイデアを形にしたいという情熱をマシンに注ぎ込むことが出来ればカッコよくてレーシーなマシンにも負けないと思っています」と分析する。
「ミニ四駆は、多くのレーサーと繋がれること以上に、自身の内面と向き合う趣味と捉えています。ふっと創作イメージが湧く、それをがむしゃらに形にして吐き出す。創作欲の発露を受け止めてくれる場所、それが私にとってのミニ四駆です」
■牧歌的な題材で勝負「露悪的な表現にならないように注意しました」(HIROFUMIXさん)
2008年にミニ四駆復帰、コンデレ歴は累計7年くらいと語るHIROFUMIXさん。ミニ四駆を始めたきっかけは、「同級生も上級生もってくらいにブームの最中で、『とにかく自分も手に入れなければ!』とブームに呑まれる典型でした」とのこと。
そんなHIROFUMIXさんの代表作の一つである『ワイルドアンパンマン号』。アンパンマンを題材に、ワイルドミニ四駆でリアルな質感を表現。見ごたえのあるコンデレマシンだ。
「精度や技術を極めよう的な工作に疲れていた時期で、今一度子供の頃のような工作の楽しみ方をしようと、そんな気分で“マニアなこだわり”を封印できる牧歌的な題材を選びました。幼稚園のときにアンパンマンのアニメが始まった世代でもあるんです。コンセプトは“夏休みの工作”です」
期間にして3ヵ月、実働2週間で制作したという『ワイルドアンパンマン号』。そのこだわりも徹底している。「ライトの雨よけとして造形した眉毛です。愛嬌を持たせるのに必須な要素なんです。『気持ち悪くて面白いですね』みたいな評価にならないように、結構考えました。露悪的な表現にならないようにという点にはこだわりました」
ミニ四駆以外にもモデラーとして様々な作品を制作しているHIROFUMIXさん。「アニメや漫画に登場するメカニックの模型が中心です。再現するというよりは、作る対象をどう表現したいかに重点を置いた作り方をすることが多いです。その結果最近はジオラマを作る機会が増えています」
その受賞歴も豊富だ。「実はミニ四駆公式コンデレでは、去年のジャパンカップ東京1のときに“黒鉄Jr.”でもらった“櫻井なる賞”が最初にして唯一の受賞です。あとは去年のミニ四駆デザインコンテストのときに“フリンジテイル”で頂いた、こしたてつひろ先生(『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』作者)からの特別賞です。模型全般に広げると最近では千葉しぼり展示会で企画された“全日本シネマ選手権”での優勝“さよならピー助”が目立った賞歴になります」
自身にとってミニ四駆はどんな存在かを問うと、「“実家”かな? 忙しいと顔を出せないんだけど、何か起これば必ず戻るし、辛くなったら元気をもらい行く。付かず離れずの距離感と、久々にレースに参加したときのバツの悪さと心地良さが同居する感じが“実家”に似ています」
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2019/04/18