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田辺誠一、中国・京杭大運河を旅して「人々の、大地の、水のエネルギーを感じた」

 俳優の田辺誠一が、BSテレ東/BSテレ東4Kで4日に放送される『日中共同制作 中国大紀行京杭(けいこう)大運河〜王宮に繋がる水の路1794キロを行く〜』(後6:55〜8:55)で旅人を務め、各地で感じたことや印象に残ったことを語った。

『日中共同制作 中国大紀行京杭(けいこう)大運河〜王宮に繋がる水の路1794キロを行く〜』BSテレ東/BSテレ東4Kで2月4日放送(C)BSテレ東

『日中共同制作 中国大紀行京杭(けいこう)大運河〜王宮に繋がる水の路1794キロを行く〜』BSテレ東/BSテレ東4Kで2月4日放送(C)BSテレ東

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  京杭大運河は全長1794キロ、世界遺産にして世界最長の運河だ。この壮大で破格の運河を、杭州(浙江省)→ 蘇州(江蘇省)→ 揚州(江蘇省)→ 聊城(りょうじょう/山東省)→ 北京まで移動しながら4K撮影。中国側の協力を得て、景山公園から紫禁城、北京の遠景を日本の放送局として初の4K撮影も敢行した。なぜこのような大運河が作られたのか? その歴史の謎を解き明かす。

■旅の出発点は「世界で最も華やかな街・杭州」

 杭州で田辺は、優れた古代の水利技術や、石造の重厚な鳳山水門遺跡、拱宸橋といった杭州の世界遺産を散策。そこはかつてマルコポーロが「世界で最も華やかな街」と称した地。「天下の穀倉」と言われた富義倉(遺址公園)なども巡り、水とともに生きる人々と出会っていく。

【田辺】杭州は西湖という西の湖という大きな湖が中心にある州ですけど、朝5時台から、みなさんご年配の方が運動されているっていうことで、そういう人々のエネルギーとそれを引き寄せる湖であったり、大地のエネルギーにいきなり圧倒されました。

■“東洋のヴェニス”と称される水郷の古都「蘇州」

 蘇州といえば、「東洋のヴェニス」とも称されるほど美しい水郷の街。旧市街とも水路でつながり、平江歴史地区や山塘歴史地区の街並みが世界遺産大運河の構成資産となっているほか、南西部に残る元代の城門「盤門」、運河の四つ辻に架かる長大な石橋「宝帯橋」などが登録されている。大運河沿いには、唐代の張継の詩に「夜半鐘聲到客船(夜半の鐘声、客船に到る)」と詠まれた名刹の寒山寺もある。
日本初となる水郷の街並みをドローンで4K撮影した映像も見どころだ。

【田辺】蘇州は街の中に水路が張り巡らされていまして、行ったことはないんですけどヴェニスのような、ちょっと柳なんかもかかっていたりして、すごく昔ながらの景色を守っている情緒がある街でした。とても気持ちが良かったです。上海のすぐ近くなので、都会も近いですし。蘇州で作られているレンガは、本当に細かい、密度の高い、空気が入ってない硬いレンガで、ああいったものをずっと作り続けていて、それが故宮、王宮で使われるクオリティのものであるという。そういった職人さんがいて、そういう素材が取れる、技術があるっていうのは本当に驚きました。今もまだ手作業でやっていましたね。コツコツコツコツ…と。ちょっと感動しました。

■遣隋使、鑑真和上……日本との繋がりを感じさせる「揚州」

 大運河の開通による、経済的、文化的、政治的な影響力は計りしれない。それは日本にも及んだ。小野妹子が第2回遣隋使として国書を持参したのは、煬帝の治世である。1200年前、七世紀はじめに揚州を訪れた遣隋使たちは、この運河を利用した。かつて塩や木材、石材を運ぶ船で賑わっていた京杭大運河は、今でも建築資材や食糧、野菜を運ぶ船であふれている。そこには、水と共に生きる水上運送業者がいる。昔とかわらぬ水と関わりの深い船上生活者である彼らの暮らし振りはとても裕福である。

【田辺】長江、揚子江が近いので、あそこではタンカーがいっぱいいますし、場所的に運河がないころから長江が近いので、たぶんものすごく栄えた、ものすごく地の利がよかったということで、番組でも紹介されていますけど、鑑真和尚であったり、逆に空海が日本から来たりして、ここに京杭大運河のルートを作る意味がとてもあるんだなと思いました。鑑真和尚は番組でも触れていますけども、ずっと日本に行って仏教を広めたいと思っていたのに、嵐に見舞われて断念して、それで5回目か6回目でやっと日本に行けたということで。今でも上海から日本に行くフェリーの名前が「鑑真号」ということで、それだけ日本に対して強い想いがあることに感動しました。空海も、尊敬する鑑真和尚がいたところに、まず初めに絶対行きたいという思いだったんですよね。

■歴史と現実が交錯する「山東省・聊城(りょうじょう)」へ

 聊城は、京杭大運河の交通の中枢として栄え、現在は近代的都市として発展をとげている。陽谷県の張秋、阿城、七級など、3つの町は他の地方でもよく知られる塩を荷揚げする埠頭と食糧を荷揚げする埠頭だった。2010年、聊城でかつて京杭大運河で使用されていた古代の「閘門(こうもん)」が見つかった。それに伴い、明や清時代の陶磁器の破片や銅器、石器、石碑などの貴重な文物が数万点近くも発見、水の大動脈だった運河の往年の活躍ぶりを改めて印象づけさせた。番組では、その遺跡からひも解く京杭大運河の交易の歴史を紹介する。ここでもドローンを駆使し、圧巻の、空から眺める大運河の風景が見どころだ。

【田辺】聊城では閘門という、船が山越えするために堰き止めて水面を上げて、また堰き止めて上げていくというのを実際に見てみて、人力でやっていたというのにまず驚きました。木の板を人力で上げ下げしていた…その水の水圧、重さも、ものすごいことだと思うんですけど、それを何十か所も門を作ってやっていたというのは、もう本当にすごいなと思いました。

 また聊城では、農家で50度以上の強ーいお酒をいただいたんですけど、やっぱりそれだけ肉体を酷使する仕事をされていると、強いお酒がガツンと欲しくなるのかなと思いました。印象深かったのは、お酒をいただいたのと、その人たちがやっているお祭り。お祭り自体の歴史の背景もそうですし、文化的な素晴らしさもあるんですけど、そのお祭りを見ているおじいちゃん、おばあちゃん、子どもたちの顔が忘れられないです。

■京杭大運河の終着地「北京」

 大運河の最北端であり、船の終着点である北京。現在、長さ20キロの河川が残されており、うち2ヶ所が世界遺産に登録されている。かつて北京市内を流れていた大運河の名残のある場所をいくつか移動しながら、昔の旅情を感じる。

【田辺】紫禁城は、想像をはるかに超えた大きさ、スケールでした。すごい、なんともいえない、いろんなものを感じましたね。もちろん旅は京杭大運河というのが紫禁城に向かって旅をしていたというのもありますし、その各地でのいろんな人とか、技術・想いというのを見てきていたので…。番組の中にもありますけど「紫禁城・故宮は川から漂ってきた」という表現が、すごく美しい表現で、すごくはかなげなのですが、それが目の前にある、堂々と…というのにすごく感銘を受けました。その存在感に。

 そして現在でも、北京には全然ビルがないんです。だから紫禁城がドーンッと目立っていて。首都だからもっとビルとかすごいのかと思っていましたけど、建物が低かったですね。それに北京はあんまり晴れないって言われていましたが、当日すごく晴れて青空の中の紫禁城の朱色がものすごく映えていました。

■大運河と人々の営み「気持ちの部分では共通点があると思う」

【田辺】今回、京杭大運河1800キロ、本州より長い、なかなか貴重な体験をさせていただきました。4Kということで壮大な景色が、高精細な画像というのが中国に本当にあっているなと思いましたし、中国のドローンマスターというすごい職人さんが、わざわざ1000キロ以上かけて香港とか広東省から来てくれて全部やっているので、そういった映像もかなり見どころになっているのではないかと思います。

 大運河は、西暦で5、600年の頃なので機械もない中で1800キロ…、結構幅もある…これを人の手が作ったということの偉大さといいますが、大変さというか、そういったものを実感しました。番組の中でも出てきますけど、経済とかそういったものが縦に繋がることによって国内が統一されるという、そういった役割というのも実感できました。中国の地図見ても海に向かって川って流れているので、海に沿って縦の水路があることは、ものすごく重要なことなんだなということを実感しました。

 個人的に17年水泳をやって、その後3年ボートやっていたので、水の中とか上にいる時間が長いので水が好きなんですけど、やっぱり水の上って風の通り方も違いますし、なんか停滞してない、常に流れているので何かエネルギーといいますか、新鮮な空気もありますし、落ち着きますよね。向こうの言い伝えだと龍がいるとされているので、龍が水を飲みに来たり、そこを龍が通ったりというのもあるみたいで、なんかそういう水のエネルギーを感じました。

 こういった運河があることは、僕も知りませんでしたし、なぜ作ったのか? それによってどうなったのか? その周りにはどんな人たちが、どんな思いを持って住んでいるのか? というのは、日本に住んでいる僕たちにも、気持ちの部分では共通点があると思うので、そういった人々の営みを、運河を通して観ていただけたらうれしいです。
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