「平成」の元号では最終作となる『仮面ライダージオウ』まで、平成仮面ライダーシリーズとともに時代を振り返る。第14作は、平成24年＝2012年9月2日から全53回放送（〜13年9月29日）された『仮面ライダーウィザード』。主役のライダーはウィザードの名のとおり「魔法使い」だ。

　文明の進歩と共に忘れ去られてしまった「魔法」。だが、現代にも魔法使いは存在した。彼の名は操真晴人（白石隼也）。魔法の指輪「ウィザードリング」で仮面ライダーウィザードへと変身し、絶望から生まれる魔物「ファントム」から人々を救うために戦い続けていた…。晴人が魔法使いになった理由、謎の少女・コヨミ（奥仲麻琴）に秘められた過去、そして二人を待ち受ける過酷な運命などが描かれた。

　火・水・風・土という４大エレメント、４つのスタイルに多段変身し、４つの属性の魔法を使う。使い魔を召喚したり、空間と空間を繋いだり、体を小さくしたり…吃驚する魔法から、くすっと笑ってしまう魔法まで、ありとあらゆる魔法を使って戦い、ファンを魅了した。

　ちなみに魔法つながりで、平成13年（2001年）に第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』の大ヒットから始まった「ハリー・ポッター」シリーズは、最終章『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』が平成22年（2010年）11月、『同PART2』が平成23年（2011年）7月に日米同時公開されて一旦、ピリオドが打たれた。

　『ウィザード』が放送されていた頃は…。平成24年（2012年）2月の『R-1ぐらんぷり』で初の決勝進出、準優勝したスギちゃんがブレイク（優勝したのは三浦マイルド）。「ワイルドだろぉ〜」は、子どもたちにも大人気だった。平成25年（2013年）4月〜9月は連続テレビ小説『あまちゃん』（NHK）、7月〜9月は日曜劇場『半沢直樹』（TBS）が高視聴率を獲得し、「じぇじぇじぇ」や「倍返し」などのことばも流行った。

　平成25年6月には富士山が世界文化遺産登録を果たし、同9月に2020年東京オリンピックの開催決定。スピーチで滝川クリステルが言った「お・も・て・な・し」が社会現象となっていく。原宿のギャレットポップコーンショップス、表参道のククルザポップコーンなど、フレーバー付きポップコーンの専門店が登場し、連日大行列ができるほどの人気を集めた。