「平成」の元号では最終作となる『仮面ライダージオウ』まで、平成仮面ライダーシリーズとともに時代を振り返る。第10作は、平成21年＝2009年1月25日から全31回放送（〜09年8月30日）された『仮面ライダーディケイド』。「平成ライダー？　10年早ぇよ！」という番組コピーのもと、ディケイド（Decade）とは「10年紀」のことで、平成仮面ライダーシリーズ10周年そのものを、名前に持つライダー。

　突如崩壊し始める世界。人々に襲い掛かる無数の怪物を前に、記憶喪失の青年・門矢士（井上正大）は仮面ライダーディケイドへと変身する。彼に課せられた使命、それは並行世界を崩壊から救うことだった…。

　「通りすがりの仮面ライダー」を名乗り、並行世界での仮面ライダーたちと出会い、ときに対立しつつ、力を合わせて敵を倒す。『クウガ』から『キバ』まで、9つの並行世界を巡るディケイドの旅は、同時期に放送されていた『侍戦隊シンケンジャー』の世界や、『仮面ライダーBLACK RX』『仮面ライダーBLACK』『仮面ライダーアマゾン』などの昭和ライダーの世界にも飛び込み、クロスオーバーを実現。夏に公開された昭和ライダーと平成ライダーが集結した『劇場版　仮面ライダーディケイド　オールライダー対大ショッカー』は、19億円という仮面ライダー映画史上最高の興行収入を達成した。

　平成21年は、6月に石川県七尾市をはじめ、全国各地でオタマジャクシが降ってくるという「オタマジャクシ降り騒動」が巻き起こる。6月25日にキング・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソンが急死し、世界中に衝撃が走る。開催予定だったコンサート『THIS IS IT』のリハーサル映像を中心に構成された映画『マイケル・ジャクソン　THIS IS IT』もヒットした。8月の衆議院選挙では民主党が大勝し、政権交代、9月に鳩山由紀夫内閣が発足。「事業仕分け」が注目を集めた。