連続テレビ小説101作目となる『スカーレット』（2019年9月30日〜2020年3月）のヒロインを演じることが発表された戸田恵梨香（30）。連続テレビ小説への出演は2000年後期『オードリー』以来、2回目となる。

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　とはいえ、前回の『オードリー』では、大竹しのぶ演じるヒロインの養母の回想シーンで、その少女時代を演じただけ。小学生の頃から芸能活動をしているが、連続テレビ小説にはこれまで縁がなかった。3日に東京・渋谷のNHKで行われたヒロイン発表会見では、若手女優の登竜門とも言われるヒロインオーディションに「逃げ腰だった」こと、今回、番組側からの出演依頼を受けるまでの心境の変化を語っていた。

　同年代の女優たちの多くが朝ドラヒロインを目指していたであろう頃、戸田は「演技に自信がなかったですし、自分という存在にも自信がなかったので、10代から50〜60代までを描く朝ドラのヒロインを演じる力は私にはないと思って、どちらかというと逃げ腰だったと思います」と、振り返った。

　それでも映画『デスノート』（06年）で映画初出演を務め、頭角を現すと、『LIAR GAME』シリーズ、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズ、そして主演した『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』シリーズなどで、確固たる地位を築いていく。

　ちょうど『SPEC』シリーズに区切りがついた頃だろうか、「24歳の時に、戸田恵梨香の役者としての第1章が終わったと思っていて、その後の20代はずっと悩んでいた。第2章をどう迎えるのか、どうスタートを切るべきなのか、スタートを切れているのか、わからなくなっていた」という。

　30歳の誕生日を迎えるタイミングで思い至ったのが「断捨離」。「20代の頃はいつも自分が前進していたい、進化していたい、止まることに恐怖を抱いていました。さらに進化するってどうしたらいんだろう、って考えていた時に、捨てていった方がいいんだろうな、と思って。今までの考え方やモノも含めて、捨てていったら、心が軽くなって、ゆとりができたんです。そんなタイミングで朝ドラのお話をいただきました。ようやく第2章のスタート地点に立てたんじゃないかと実感しているので、来年、さらに一歩、踏み出せるんじゃないかと、自分に期待しています」とイキイキとした表情。来年5月に新年号に変わることにちなんだ質問には「新年号を代表する女優になりたいです」ときっぱり応え、戸田恵梨香の“第2章”を印象づけた。

　『スカーレット』は、戦後まもなくの混乱・復興期から、女性の生き方や働き方が大きく変化した高度経済成長期のころまでの時代を背景に、男性ばかりの陶芸の世界で、女流陶芸家の草分けとして歩み始めるヒロイン・川原喜美子の半生を描く。独自の信楽焼を生み出そうと奮闘し、同業の夫との間に2児をもうけ、多くの弟子も育てていくヒロインをめぐる物語。映画・ドラマの脚本を数多く手がける水橋文美江氏が執筆する。

　子役による少女時代のエピソードもありつつ、戸田は15歳から50代までを演じる予定。現在、放送中の連続テレビ小説『まんぷく』のヒロイン、安藤サクラ（32）が演じた18歳より若い。その安藤と直接話す機会があり（同じ日に大阪放送局でもヒロイン発表会見を行った）、「サクラさんは、本当に楽しいよって。大阪での生活がすごく充実しているみたいで、表情もきらびやかで、彼女から勇気をもらい、ますます来年が楽しみになりました」と話していた。

　陶芸についは初心者ではなく、「ダイビングが趣味で、21歳の時に石垣島に遊びに行った時、たまたま陶芸も体験して。それから、石垣島に行くたびに陶芸もやらせてもらっています。自分で作ったお茶碗でご飯を食べています」と明かし、「手元のアップの撮影も自分でやりたい。本気で修業して極めたい」と意気込んでいた。