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【ガンプラビフォーアフター】模型誌ライターが語る、ガンプラ革新は「前例のない挑戦」と「外国人との共感」

 先ごろ、『機動戦士ガンダム40周年プロジェクト』の始動が発表された。中でも、『THE ORIGIN』TVシリーズ、劇場版『Gのレコンギスタ』、劇場版3部作『閃光のハサウェイ』についてはSNSでも大きな話題となった。世界的なビッグコンテツである「ガンダムブランド」だが、その礎のひとつとなったのは間違いなく1980年代のガンプラブームである。そんな「ガンプラ」進化の一翼を担ってきたモデラーの“匠の技術”について、模型雑誌でライターとしても活躍する実力派モデラー・keitaさんとnishiさんに、ガンプラ制作の真髄を聞いた。

■ガンプラはトライ&エラーの繰り返し「技術向上に近道はない」(keita)

 ガンプラをはじめたきっかけは、小学生の時に再放送のガンダムが流行ったのと、「『コミックボンボン』(講談社)等でガンプラ作例を見たこと」と当時のインパクトを振り返ってくれた。

 ガンプラのこだわりの造形箇所については、完成時のアウトライン(バランスや各部のラインのつながり)を特に意識しているのだそう。また、keita作品の特徴のひとつでもある塗装の美しさについて聞くと、「塗装と工作は別と考えがちですが、実は工作のほぼ全てが塗装の為の下地なんです」と強調。さらに「最終的に目に飛び込んでくるのは塗装された面ですので。なので、塗装を考えた下地(工作)を徹底しています。表面処理が大事なのはその部分だと思っています」と語った。

 こうした“匠の技術”により、人気模型雑誌『月刊ホビージャパン』での活躍に繋がっているのだろう。ガンプラ好きに納得してもらえる作品作りのコツは何なのだろうか?

「雑誌作例は、より『真似て作りたい』と読者に思ってもらうような作品でないといけないと思っています。また、細かい部分のこだわりと“精度の追求”は大切です。特にガンプラは“顔が命”な部分があるので、顔へのこだわりは特に強いです」

 ガンプラ一つひとつに愛着を込めて作っているというkeitaさんは、常に“前例のない作品”に挑戦しているのだという。モデラーにとって一番必要な技術を聞くと、「作りたい作品に必要な技術を適切に選ぶ選択眼」と前置きしたうえで、「作例に合わせた“技術の取捨選択”が重要です」と力説。ガンプラが自身の存在意義の一つになっている点を語った。

■外国人の“枠を超えた自由さ”と、日本人の“設定に対する緻密さ”の融合(nishi)

 人気モデラーとして活躍するnishiさん。中でもHi-νガンダムは圧巻の完成度だ。本キットへの想いを聞くと「一度はMGでキット化されたHi-νガンダムですが、メカニックデザイナーのカトキハジメ氏監修のもと、プロポーションやギミックがアップデートされました。また、HWSを装着できるので迫力も桁が違います」と説明。さらに、『機動戦士ガンダム』の主人公であるアムロ・レイが残した最後の機体である点を大きいとのこと。

「アムロ最後の搭乗機であること、さらに自身で設計した機体なので、νガンダム、Hi-νガンダムというのはファンにとって別格の存在です。個人的には、Hi-νガンダムが登場する小説版の『ベルトーチカ・チルドレン』の方が結末としては好きです。いつか映像化してくれたら嬉しいですね」と、笑顔で絶賛した。

 ここは他の人に負けない、と思う“匠の技”については、「自分の作品に対していかに客観的に厳しい目で見られるか」だと説明するnisahiさん。完成度の高いガンプラを目指す上で、一つの技だけで成し遂げられる事はなく、どの工程も一つひとつ丁寧に手を抜かないようにするのが「匠の成せる業(技)」だと考えているようだ。

 ガンプラは海外でも人気だが、外国人の作るガンプラと、日本との作例との違いについては「海外の方の作品は、“枠にとらわれない自由さ”と表現力を外に向かって放出している」と感じているそう。日本の作品は、一定の設定内で一個体に対して内に向かって緻密さを増していくストイックさを感じているようだ。

 最近は、『ガンダムビルダーズワールドカップ(GBWC)』を通じて、外国人の作品を目にする機会も増え、「日本と外国のモデラーが互いに切磋琢磨することで刺激を受けあっています」と、ワールドワイドに展開するガンプラ世界大会の効用を語ってくれた。



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