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JASRAC、18年度上半期事業報告 徴収額前年比増

 日本音楽著作権協会(JASRAC)は11月16日、『18年度上半期事業報告』記者会見および『第5回JASRAC音楽文化賞』贈呈式を都内ホテルにて開催した。事業報告では、冒頭に浅石道夫理事長が半期の活動を振り返りながら挨拶し、常務理事の北田暢也氏が詳細実績を報告。贈呈式では、いではく会長が「JASRACが少しでも世の中の役に立てていることのよろこびを伝えたい。みなさまに音楽を愛していただければ」と開会の挨拶を行った。

18年度上半期事業報告を行う常務理事の北田暢也氏

18年度上半期事業報告を行う常務理事の北田暢也氏

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■18年度上半期事業報告、徴収額は前年同期比102.6%

 JASRACの18年度上半期徴収額は、年間目標1098.5億円に対し、上半期総額は523.6億円の年間目標比47.7%、前年同期比102.6%。17年度同期に比べ13億円の増となった。オーディオディスク、貸レコード、ゲーム目的複製等で厳しい状況が続く一方で、インタラクティブ配信においてサブスクリプションサービスおよび動画投稿(共有)サービスに係る徴収が大きく伸び、演奏等においても大規模公演を中心としてコンサート市場が好調であったことなどから増収となった。

 徴収実績で前年同期比で増になったのは、「演奏等」(102.3%)と「インタラクティブ配信」(140.3%)の2項目。ほか、「放送等」(99.2%)「オーディオディスク」(89.5%)「ビデオグラム」(98.2%)「通信カラオケ」(99.4%)はマイナスとなった。

 分配額は、年間目標1087.1億円に対し、上半期総額は501.9億円の年間目標比46.2%、前年同期比96.5%。17年度同期に比べ18.2億円の減となった。前年比減の要因は、17年度下半期から18年度上半期におけるゲーム目的複製やオーディオディスクの徴収減等によるもの。JASRACでは、下半期の積極的な業務遂行により、徴収、分配とも年間目標の達成を目指すとする。

 18年度上期一般会計収支では、経常収益が年間予算140.7億円に対し、上半期実績68.3億円の年間予算比48.5%、前年同期比99.1%と、分配実績を反映して17年度同期を下回った。経常費用は年間予算140.7億円に対し、上半期実績57.4億円の年間予算比40.8%、前年同期比102.5%と、予定どおり推移しているものの、基幹システムの再構築に係る機械計算関係費の支出などが18年度上半期にあったことから、17年度同期を上回った。

 18年度上半期の主な活動としては、CISAC理事会において浅石理事長が同理事会の副議長に選任され、国際会議等を通して国際間の著作権管理に関する諸問題の解決および円滑な著作権管理の推進に向けた取り組みを進めたほか、インターネット上の違法利用の監視システム(J-MUSE)を活用した違法ファイル削除の継続、映画上映関係において、興行収入や音楽の利用量に応じた使用料への規定変更に向けた全国興行生活衛生同業組合連合会との協議における外国映画の上映使用料の取り扱いに関しての合意などを挙げた。

■『第5回JASRAC音楽文化賞』4者が受賞

 売り上げなどの数字に表れない地道な活動に、分野を問わず光を当て、音楽文化の発展に寄与した功績をたたえ顕彰する『第5回JASRAC音楽文化賞』は、音楽文化研究家の戸ノ下達也氏、作曲家・音楽プロデューサーの普久原恒勇氏、作詞家・音楽プロデューサーの備瀬善勝氏、戦時下にアジアで初めてベートーベン「第九交響曲」が初演された鳴門市で同曲を歌い継いできた「鳴門「第九」を歌う会」の4者が受賞。戸ノ下氏、普久原氏代理の子息、備瀬氏、鳴門「第九」を歌う会・副理事長の亀井俊明氏が登壇し、表彰を受けた。亀井副理事長は「不寛容で争いが絶えない今日、音楽で交流を図ることで、多様性を認め合う素地を作っていければ」とメッセージを送った。

 JASRACの会員・信託者(作詞者・作曲者・音楽出版者等)が指定した作品の著作物使用料を、東日本大震災からの復興と被災地の音楽文化の振興に役立てる「こころ音基金」は、石巻市が選ばれた。宮城県石巻市の複合文化施設の建設費用の一部として、同基金から1500万円が寄附され、石巻市長の亀山紘氏は「震災からの真の復興のためには、心の復興が必要。市民の希望と夢を育む文化施設にしたい」と感謝を述べた。

 JASRACの正会員として継続して50年以上在籍(18年4月1日現在)した会員に対し、永きにわたる協会事業への貢献に感謝の意を表する永年正会員表彰には、14名の対象者を代表して、宮中雲子氏(「ひとりじゃないからの子守唄」ほか)と湯浅譲二氏(「ヴァイオリン協奏曲 −イン・メモリー・オヴ武満徹−」ほか)が登壇した。

 そのほか、生演奏やカラオケの利用で、30年以上にわたり利用許諾契約を締結している長期契約者の表彰では、2163名の対象者を代表して、ブルーナイト(東京都大田区)の磯野わたる氏、麻衣子(東京都中央区)のウィングス,インコーポレイテッド代表取締役の雨宮由美子氏、水明館(岐阜県下呂市)代表取締役会長の瀧多賀男氏が登壇。感謝状(楯)の贈呈が行われた。

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  • 18年度上半期事業報告を行う常務理事の北田暢也氏
  • 『第5回JASRAC音楽文化賞』贈呈式の模様

提供元:CONFIDENCE

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