映画監督の行定勲氏が3日、都内で行われた『アジア三面鏡シリーズ』劇場公開記念の記者会見に出席。『第29回東京国際映画祭』の企画『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』で、マレーシアを舞台に老人とヘルパーの交流を描いた『鳩 Pigeon』のメガホンを取った行定監督だが、今年8月に78歳で亡くなった津川雅彦さんが同作に出演していたことから、当時の思い出を振り返った。
行定監督は「津川さんは海外での撮影が大嫌いなので、オファーした時にたぶんダメだと思っていました(笑)。でも、津川さんはどういうわけかマレーシアでの撮影に参加してくれることになって、その時に『(自身の役は)死と生の間(はずま)に存在するような役なんだね』とおっしゃっていました。実際の撮影では、マレーシア入りした時から7〜8キロやせていらっしゃって、まさに死と生を体現する姿で入ってこられました」としみじみ。
津川さんの存在感を実感する瞬間もあったといい「鬼気迫る緊張感はマレーシアの女優が完全に恐怖を抱くくらいの感じで、すごいものでした。僕のイメージは饒舌な芝居をされる方だったのですが、マレーシアでの彼はただそこに存在していることを重視している、そんな風に感じました」と力説。「彼にとってのラストシーンに近いシーンで海辺のシーンで、ふと『死と生の間では、結局人は何もできないものだな』とおっしゃいました。僕は、ただ固唾をのんでカメラを回すことしかできませんでした」とかみしめるように語っていた。
会見にはそのほか、『第31回東京国際映画祭』で上映される『アジア三面鏡2018:Journey』の中の1作『碧朱(へきしゅ)』を手がけた松永大司監督も出席した。
行定監督は「津川さんは海外での撮影が大嫌いなので、オファーした時にたぶんダメだと思っていました(笑)。でも、津川さんはどういうわけかマレーシアでの撮影に参加してくれることになって、その時に『(自身の役は)死と生の間(はずま)に存在するような役なんだね』とおっしゃっていました。実際の撮影では、マレーシア入りした時から7〜8キロやせていらっしゃって、まさに死と生を体現する姿で入ってこられました」としみじみ。
津川さんの存在感を実感する瞬間もあったといい「鬼気迫る緊張感はマレーシアの女優が完全に恐怖を抱くくらいの感じで、すごいものでした。僕のイメージは饒舌な芝居をされる方だったのですが、マレーシアでの彼はただそこに存在していることを重視している、そんな風に感じました」と力説。「彼にとってのラストシーンに近いシーンで海辺のシーンで、ふと『死と生の間では、結局人は何もできないものだな』とおっしゃいました。僕は、ただ固唾をのんでカメラを回すことしかできませんでした」とかみしめるように語っていた。
会見にはそのほか、『第31回東京国際映画祭』で上映される『アジア三面鏡2018:Journey』の中の1作『碧朱(へきしゅ)』を手がけた松永大司監督も出席した。
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2018/10/03