俳優の大泉洋が13日、都内で「ミニオン」シリーズや『ペット』『SING／シング』などを手がけるイルミネーション・エンターテインメントの最新アニメーション映画『グリンチ』（12月14日公開）の吹替版製作発表会見に参加した。

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　米国ではベネディクト・カンバーバッチが務めるグリンチ役を大泉が担当する。グリンチに合わせた真緑のスーツに身を包み、緑一色の会場に登場すると大泉は「グリーンバックでCG撮るみたい。僕、透けてないですか？」と苦笑い。ここから大泉の“独演会”がスタートした。「ひねくれ者なんですけど『ピッタリだ』と言われて、若干、複雑な思いです…。でも、頑張ってやりました」と話したかと思えば「声入れは、まだ終わっていない。かれこれ6日ほどやっていますが、まだ終わらない。とんでもなく難しい。カンバーバッチさんのお芝居に合わせないと本国からクレームが来るという。合わせるレベルがすごい」と代名詞のボヤきが始まった。

　「グリンチが階段を登る足元（のシーン）でバレちゃいけないからって『シー、シッ、シッ、シッ』と言う。私、声を入れたら『大泉さん、すみません。シッが1個足りません』って。顔も写ってないのに。だったら、カンバーバッチの使ってくれや！（写っているのは）足ですよ！」と不満を爆発させた。

　本国では声が先に録音され、そこに合わせてアニメーションを製作しているそうで大泉は「彼（カンバーバッチ）はいいですよ。好き勝手やって。それに合わせる僕は必死ですよ！ グリンチの顔をスローで見る世界ですよ。『大泉さん、ここは一瞬、素になってます』って。そこでカンバーバッチが『ん？』とか言っている。それを僕もやる。もう、カンバーバッチでいいだろ！」と怒涛のようにまくしたてた。「まぁ、細かい。すごい世界。いくら娘がやってほしいって言っても、ここまで知ってたらやらなかった…」と首をひねると「ずいぶんボヤいちゃいました」と約3分にわたるボヤきを締めくくり、会場を爆笑の渦に巻き込んでいた。

　その後も“本国”へのボヤきは止まらず。最後にカンバーバッチからのサプライズメッセージが流されると「ダメだって。こういうのがあるって言っておかないと。冒頭からディスったからね。会った途端にケンカじゃない」と大慌てしていた。そして「前半戦でボヤいたことを大変、後悔しております。映像を見て全てのキャラクターがアニメとは思えない表情。こだわりたくなる、すさまじいクオリティーのアニメ。楽しいシーンの連続でございます」とリカバーし「私が言わなくても当たるでしょうね」と予言した。ただ、「パート2あっても、たぶん僕はやってないと思う。確実に本国から降ろされる。『アイツ、えらい文句言ってたで』って」と次の展開も予測し、共演陣を爆笑させた。

　また、TBS系連続ドラマ『義母と娘のブルース』（毎週火曜 後10:00）で主演・綾瀬はるかの義理の娘（幼少期）を演じ注目を集めた横溝菜帆ちゃんも参加する。「私が大好きなイルミネーション作品に初めて出られて、とてもうれしいです」と天真爛漫にあいさつすると大泉は「何かボヤかなくていいの？ 本国に対して文句ない？」と悪魔のささやきをして、困惑させていた。

　同作は、絵本作家ドクター・スースの名作でアメリカではサンタクロースに並ぶ“クリスマスの代名詞”とも言われる国民的キャラクター『グリンチ』をアニメ映画化。つぶらな瞳が超キュートな幼少期のグリンチ（ベイビーグリンチ）から、すっかりひねくれてしまった大人の「グリンチ」。洞窟の中で暮らし、愛犬マックスの献身的な愛にもぶっきらぼうに対応し、山麓の村人たちにいじわるをしては楽しんでいる。とにかく不機嫌で孤独なグリンチはやがて、村中のみんなが大好きな“クリスマス”を盗むという、とんでもない計画を立ててしまう…。小さい頃はあんなにかわいかったのに、大人になるまでに一体何があったのか、そしてグリンチのとんでもない計画はどうなるのか…。

　会見には杏、ロバートの秋山竜次、宮野真守も参加した。映画に合わせ、幼少期の写真を公開。宮野の写真を見ると大泉は「明らかに整形しましたね。やったでしょ？　鼻が全然、違う。髪質も全然、違う」とあらぬ疑惑をかけ、宮野は「やってないですって」と苦笑いを浮かべていた。