『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』などで知られる作家・森見登美彦氏の小説『ペンギン・ハイウェイ』がアニメーション映画化されることが1日、わかった。同日、都内で製作発表会見が行われ、声優を務める女優の北香那（20）、蒼井優（32）らが出席。『台風のノルダ』などを手がけたスタジオコロリドが制作し、監督は『第14回文化庁メディア芸術祭』アニメーション部門優秀賞を受賞した29歳の新鋭・石田祐康氏が務める。今年8月公開。

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　原作は、少し生意気な小学4年生「アオヤマ君」のひと夏の少し不思議な体験を瑞々しく描き、『第31回日本SF大賞』を受賞した。アニメ映画のキャラクターデザインは『台風のノルダ』の新井陽次郎氏、脚本は『四畳半神話大系』（10年）や『夜は短し歩けよ乙女』（17年）など森見氏の作品の映像化を数々手がけてきた上田誠氏（ヨーロッパ企画）が担当。音楽は、蜷川幸雄さんの演出作品をはじめ多くの舞台で音楽を手がけてきた阿部海太郎氏が務める。

　テレビ東京系『バイプレイヤーズ』のジャスミン役で知られる北は、今回オーディションで主人公のアオヤマ君役を勝ち取り、声優初挑戦にして初主演に抜てき。「声優さんに憧れていて、声のお仕事が夢でもあったので、ドキドキしてオーディションに向かいました。決まったときは感極まって泣いてしまいました」と喜びいっぱいで、「アオヤマ君と同年代の妹がいるので、授業参観に行ってどういう感じなのか見て、しゃべり方を変えたりしました」と役作りについて明かした。

　そのアオヤマ君の初恋相手でミステリアスな歯科助手の「お姉さん」役を務める蒼井は、3年ぶりの声優となり、「やってみて難しいなと。今まで、小さい子を引っ張っていく役をやったことがなかったと気付き、新しいチャレンジをさせていただけた。いい勉強になりました」と話していた。

　森見氏は、原作のアニメ映画化について「特別なかわいい子どもだったので、変なことになってほしくないと心配しながら送り出した」と本音を吐露。「途中で監督とも話をして、絵コンテをいただいたり過程を見ているうちに、これは大丈夫だろうと。すてきな作品になりそうなので楽しみです」と期待を込めた。

　緊張から笑顔が止まらず、終始ソワソワするなど独特なキャラクターが注目された石田監督は、締めの言葉に迷いつつ、「きのうは雨の音もあって緊張で寝られなかった。でも、きょう起きたら晴天だったので縁起がいい。この作品も雨上がりのように気持ちのいい作品にして、皆さんに届いたらいい」と伝えたところで、「こう言おうと考えたのを思い出しました」と付け加えて笑わせた。

■映画『ペンギン・ハイウェイ』特報映像
https://youtu.be/2t96hYc5C24