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『スター・ウォーズ』フォースの力をこじらせ、暗黒面に堕ちきれない「カイロ・レン」の魅力

 映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)に初登場し、その続きを描く『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(公開中)で、祖父ダース・ベイダーを崇拝し、光と闇の間で揺れ動きながら、ファースト・オーダーで台頭していくカイロ・レン。『フォースの覚醒』では、「中二病かよ?」と突っ込みたくなるようなシーンもあって、なかなか興味深いキャラクターだ。そんな「カイロ・レン」の魅力について紹介する。

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 レイア(ダース・ベイダーの娘)と、ハン・ソロの子に生まれながら、ダーク・サイド側にいるカイロ・レン。虎の威を借る狐のごとく、ダース・ベイダーほうふつさせるマスクをかぶっている理由について、先日、来日したカイロ・レン役のアダム・ドライバーはインタビューでこう語る。

 「マスクを被るには理由があるんだ。何かから隠れたいのか、何かを隠したいのか、といぶかしく思うこともできるし、単に見た目で相手を威嚇し、周りに恐怖を感じさせることができる。そして、『スター・ウォーズ』の歴史を感じさせることもできますね。恐そうに見えますが、マスクをつけて行動するのは大変です。視野が狭まり、足元がよく見えません。うっかりコケて、すべてが台無しになってしまったこともありました」。

 『フォースの覚醒』では、怒りまかせに冷静さを失って暴れたり、影の師である最高指導者スノークに自身の力を証明し、認めてもらうため父親のハン・ソロを自らの手で殺したり、こじらせまくっていた。しかも、フォースを覚醒させ、初めてライトセーバーで戦うレイに敗北して痛手を追うという体たらくぶりで、なんだか憎めないキャラクターになっていた。

 『最後のジェダイ』では、予告編などでマスクを外し、レイにやられた“顔の傷”を顕にしている点について、アダムはほのめかす、「おそらくあれはカイロ・レンのスタート地点だったんだ。彼の外見の傷は、おそらく、内面の傷ほど深くはないのではないかな」。

 「内面の傷って何?」と疑問が湧くが、その答えは『最後のジェダイ』でだいぶ明らかになってくる。「『最後のジェダイ』の脚本を読んだ時、彼は自分に非があるとは思っていないところが面白いと思った。どちらが正義で、どちらが悪か、あいまいになっていっていくんだ」(アダム)。

 ダース・ベイダーは、疑問の余地なく、最も伝説的で、崇拝され、恐れられ、偶像化されている悪役キャラクターの1人。その名前や強烈な風貌は世界中で、たとえ『スター・ウォーズ』を観たことがない人々にまで知られる文化的社会現象と言えるだろう。そのダース・ベイダーに比肩するキャラクターとして、『フォースの覚醒』のJ.J.エイブラムス監督は、カイロ・レンを新たに作り出したわけだが、アダムが演じるカイロ・レンは、光と暗闇の狭間でグラついている不安定な若者という“残念さ”で、そのギャップの大きさが最大の魅力と言えなくもない。

 『最後のジェダイ』を手掛けたライアン・ジョンソン監督も言っている。「今回の作品に関して言えば、特に自分の興味を引いたのはカイロ・レンという登場人物がいることです。オリジナルの三部作では、観客はルーク・スカイウォーカーに感情移入しつつ、ダース・ベイダーは主人公にやっつけてもらわなくてはいけない“敵”として認識するわけです。

 今回の物語では、レイとカイロがほとんど対立しあう対等な主人公と認識されると考えています。観客はレイに感情移入しながら、同じようにカイロにも感情移入をしていく。それはベイダーに対する気持ちとは違います。少なくとも私はそうです。もし、『スター・ウォーズ』が青春について語る物語であるなら、カイロは青春時代の怒りや両親に対する拒否行為であり、父親を倒したいという気持ちを表し、それは誰にでも程度の違いはあれ、重ね合わせることができるものだと思います。悪者と自分を重ね合わせるという考え方は主人公と自分を重ね合わせこととある意味同じことで、それが面白いと思えるわけです」。

 「スター・ウォーズ」関連のイベントに毎回のように登場してきたこともあり、コスプレする人も増え、一般人の認知度もかなり上がってきているカイロ・レン。『最後のジェダイ』でますます加速するはずだ。

■アダム・ドライバー「スター・ウォーズにはとても感謝している」

 ちなみに、カイロ・レンを演じるアダム・ドライバーは、『フォースの覚醒』のプロモーション以来、2年ぶり2度目の来日。『フォースの覚醒』後、遠藤周作の「沈黙」を映画化したマーティン・スコセッシ監督『沈黙 ‐サイレンス‐』(16年)やスティーブン・ソダーバーグ監督のクライム・エンターテイメント『ローガン・ラッキー』(16年)に出演するなど、大きな飛躍を遂げた。『フォースの覚醒』以降、どんな2年間だったか、聞いた。

 「シュールだったというか、すばらしい監督の方々と仕事ができて、とてもワクワクした日々だったかな。この2年間で変わったことといえば、自分の匿名性というものがなくなってしまったこと。『スター・ウォーズ』は6歳くらいの子どもから66歳くらいの方まで、本当に多くの方に観ていただける作品なので。それ以外は、プライベートでは何も変わっていませんし、『スター・ウォーズ』に出る前でも後でも、自分が抱えている悩みは変わらないし。もちろん、『スター・ウォーズ』にはとても感謝しています」。



関連写真

  • 映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(公開中)カイロ・レンを演じるアダム・ドライバー (C)ORICON NewS inc.
  • 映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(公開中)より。赤い十字のライトセーバーを握るカイロ・レン(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved
  • 12月6日、東京・六本木ヒルズアリーナで開催されたレッドカーペットイベントでファンサービスするアダム・ドライバー (C)ORICON NewS inc.
  • 映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』12月6日、東京・六本木ヒルズアリーナで開催されたレッドカーペットイベントに参加したアダム・ドライバー (C)ORICON NewS inc.
  • 映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』12月6日、東京・六本木ヒルズアリーナで開催されたレッドカーペットイベントに参加したアダム・ドライバー (C)ORICON NewS inc.
  • 映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』12月7日、都内で開かれた記者会見時のアダム・ドライバー (C)ORICON NewS inc.
  • 映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(公開中)日本版ポスター(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved

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