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「チケットキャンプ」がサービス停止 違法容疑を解説

 ミクシィの子会社であるフンザが12月7日、同社の運営する「チケットキャンプ」に係るサイト上の表示について、商標法違反および不正競争防止法違反の容疑で捜査当局による捜査を受けたことを公表。同社ではこれを受け、事実の確認及び原因の究明のため外部の弁護士を交えた調査委員会を設置することを決定し、同日には「チケットキャンプ」のサービスを一時停止した。また、同社が運営していたまとめサイト「ジャニーズ通信」も休止。同問題について東條岳弁護士(Field-R法律事務所)に話を聞いた。

(左から)ライブ・エンタテインメント議員連盟による「チケット高額転売に関する法規制について」と題した現状報告会に出席した武田鉄矢、石破茂氏、山口一郎、室伏広治

(左から)ライブ・エンタテインメント議員連盟による「チケット高額転売に関する法規制について」と題した現状報告会に出席した武田鉄矢、石破茂氏、山口一郎、室伏広治

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 ミクシィの子会社であるフンザが、商標法違反および不正競争防止法違反の容疑で捜査当局による捜査を受けたことを公表した。この問題に詳しい、東條弁護士は、「ジャニ―ズ事務所は、「ジャニーズ」(第3016145号)の文字列で「興行場の座席の手配」というサービスについての商標登録をしていますので、フンザによる「ジャニーズ通信」の運営が、ジャニーズ事務所の商標権を侵害するとされた可能性があります。加えて、「チケットキャンプ」は「ジャニーズチケット」と記載されたバナー広告も使用していましたので、この点も商標権侵害に該当する可能性があります。また、不正競争防止法にも、他人の商品やサービスを表すための名称などを使用することを「不正競争」行為として禁止する規定がありますので、商標法違反と同様に、商標を使用した運営や商標の記載が「不正競争」行為に該当するとされた可能性があります」
と解説する。

 つまり、本件はチケット転売を仲介していることそのものの違法性を問うものではなく、フンザがこれまで集客のために行ってきた宣伝広告の手法に警察による捜査のメスが入った形となる。

 しかし、だからといって、チケット転売の仲介が適法と判断されたわけではないことは言うまでもない。転売目的でのチケット購入が神戸地裁の判決において「詐欺行為」と認定されたことからすれば、今後こうしたチケット転売サービス自体の違法性が問われることも十分あり得るであろう。

 さらに、「チケットキャンプ」を巡る一連の動きが公表されたのと同じ7日には、自民党のライブ・エンタテインメント議員連盟(石破茂会長)が、衆院議員会館で総会を開き、インターネット上での高額転売を規制する法案の概要を了承。来年1月召集の通常国会で法案を提出し、会期内成立を目指すことも発表されている。

 こうした現状を踏まえると、今回指摘された商標法違反等に当たる容疑は問題の一端に過ぎず、違反容疑とされたサイト内の表記を改修し、「ジャニーズ通信」を含む一部のサービスを停止したとしても、「チケットキャンプ」における転売サービス自体の適法性が担保されない限り、早期のサービス再開は容易ではないとも思われる。いずれにしてもチケットの高額転売を巡る情勢は急速に進展しており、法制化に向けた動きも含め、今後の推移が注目される。

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