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硬軟自在の俳優・小栗旬、出演を決める基準は「作る人の情熱」

 この夏も、映画『銀魂』、『君の膵臓をたべたい』と、出演作が続く小栗旬。彼は作品に真摯に臨み、じっくりと役柄を作り上げる役者としても知られている。人気漫画を実写化した映画『銀魂』(7月14日公開)では、主人公・坂田銀時役を演じる小栗。硬派な役者でもあり、漫画原作作品で魅せるコミカルさもあり。彼が作品を選ぶ基準、そして“やりたい仕事”について聞いた。

映画『銀魂』で主人公・坂田銀時を演じた小栗旬 写真:草刈雅之

映画『銀魂』で主人公・坂田銀時を演じた小栗旬 写真:草刈雅之

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◆実写化作品にためらいも。福田監督の「勝負をかけたい」という熱意に押され

――映画『銀魂』で主人公・坂田銀時を演じますが、出演を決めた経緯は?
【小栗旬】最初、福田雄一さん(脚本・監督)さんがわざわざ僕のところに来てくださったんです。そこで、「勝負をかけたいと思っている作品があるんだけど、小栗くんがピッタリだと思うんだよね」と言われて、それが『銀魂』でした。でもそのとき僕は、「ちょっと考えさせてください」とお伝えしたんですよね。自分としては、実写化の作品に出すぎている気がして、あまりやりたくないというのが正直なところでした。とはいえ、福田さんとはしっかり組んだことがなかったので、一緒にやってみたい気持ちもあって。そんなときに、プロデューサーさんまで来ていただいて、僕に「なんとかやってくれないか」と。そこまで言っていただけるのなら、と出演を決めました。

――原作がある作品だとファンの反応は様々ですが、そういったことは気になりますか?
【小栗旬】全然、気にならないですね。最近は、そういう反応に振り回されることもなくなりました。原作ファンの方は、何をやってもダメなものはダメだと思うんです。昔はかなり気にしていた部分もあったので、いろいろチャレンジしてましたが、今はあまり考えないようにしています。

――どんな心掛けで撮影に臨んだのでしょうか?
【小栗旬】原作ものを演じるときは、自分が読んだイメージに近づけるよう心掛けています。今回も撮影に入る前にしっかり読み込み、原作のキャラクターになるべく寄せたつもりです。ただ、銀さんを演じるうえでは、そんなに苦労したことはないかな。

――17年ぶりの共演となった堂本剛さんとは劇中で対決しますが、いかがでしたか?
【小栗旬】剛くんは、ホントに不思議な感覚を持っている人だと思っています。昔からお芝居が上手でしたし、それがとても人間的なんですよね。だから、もっといっぱいお芝居をやればいいのに、もったいないなって思っていて。銀さんと派手な立ち回りもするんですが、リズム感がいいのですごくやりやすかったです。

◆20代の頃は演技論でぶつかり合うこともありました

――小栗さんが出演を決める基準となるのは?
【小栗旬】その時々によって違います。純粋に作品が好きなときもあれば、共演者を聞いて面白いなと思うときもありますし。でも一番大事だと思うのは、作る人の情熱ですね。プロデューサーや監督の方が、どのくらい本気で取り組んでいるのか…。最近は、オファーを受けてから出演を決めるまでの間に、何度も打ち合わせをさせていただいています。だから、その過程で考えが違うなと思ったら、お断りさせていただくこともあります。

――春ドラマでは『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ系)にも出演されてましたが、やはり同じような過程を?
【小栗旬】『CRISIS』は『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』(2014年 テレビ朝日系)に出演している最中から、金城一紀さん(原案・脚本)から内容を聞いていて、とにかく実現したかった作品。手がけてくださるプロデューサーを自分で探す作業から始めていたんです。そうしたら関西テレビの笠置(高弘)さんが手を上げてくださったので、そこにはとても感謝していますね。

――お話を聞いていると、小栗さんの芝居に対する熱さを感じるのですが、俳優仲間と演技論を戦わせるようなこともあるんですか?
【小栗旬】それは全然ないですね(笑)。それぞれ自分のやり方でやっているので、考え方も違うし、話し合う必要はないと感じていて。でも、20代の頃はぶつかり合うこともありました。「お前は間違っている!」って、熱く語りあったりして(笑)。

――では、これからやりたいと思う作品はどんなものでしょう?
【小栗旬】作品というより、舞台がやりたいです。やっぱり戯曲が練られていますし、稽古もしっかりできる。欲を言えば、舞台だけやっていきたいですね(笑)。

――ドラマあり、映画ありと、忙しい日々かと思いますが、やはり支えとなるのは家族ですか?
【小栗旬】そうですね。ただホントに忙しすぎて、子どもたちに全然会えてないんですよ。もう少し、子どもたちとの時間を作らなきゃなとは思っています。
(文:今 泉)

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