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『アリス』続編 ティム・バートンが“監督しなかった”理由

 「僕にとって1作目は予期せぬ幸運のようなものだった」とティム・バートンは言う。日本で興行収入118億円を記録したシリーズ1作目から6年ぶりにアリスが帰ってくる。前作を監督したティムはエグゼクティブプロデューサーとして新たに迎えたジェームズ・ボビン監督を支え、『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』が完成。日本では7月1日より公開される。

映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(7月1日公開)左端が製作のティム・バートン、右端がジェームズ・ボビン監督(C)ORICON NewS inc.

映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(7月1日公開)左端が製作のティム・バートン、右端がジェームズ・ボビン監督(C)ORICON NewS inc.

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 英国児童文学の不朽の名作『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を原作に、新しい「大人のアリス」の物語を作り出したと言われる1作目は、アイデンティティーを見出そうとする19歳のアリスの冒険をダイナミックに描き出した。

 日本を含め世界的に大ヒットした映画の続編が製作されるのは、当然の帰結だとしても、2作目ができるまで意外と時間がかかった。ディズニーとしては「作る価値があると誇れるエモーショナルなストーリーを見出すために、真摯(しんし)な議論を重ねた」結果であり、「必要な時間だった」としている。この「時間」という概念が、2作目のテーマにもなっている。脚本は、前作と同じリンダ・ウールヴァートンが手がけ、原作のプリズムを通して全く新しいストーリーを書き上げた。

 そして、監督に推挙されたのはティムではなく、英国に生まれ、ルイス・キャロルと同じオックスフォード大学出身のボビン監督だった。ディズニー作品『ザ・マペッツ』(2011年)で映画監督デビューし、『ザ・マペッツ2/ワールド・ツアー』(14年)のポストプロダクション(撮影完了後の作業)中に、「ディズニーの人たちと僕が好きなアイデアやものごとについて話していたら、アリスの話が持ち上がったんだ」(ボビン監督)。

 原作の2冊は、英国では聖書やシェイクスピアに次いで読まれていると言われるほど。ボビン監督も「英国では、アリスの本は、祖父母の家にある。両親の家にある。そして自分たちの家にもある。インスティチューション(制度みたいなもの)なんだ」と話す。

 アリスの世界を深く愛し、その上、前作の監督ティム・バートンの大ファンでもあるボビン監督は「ルイス・キャロルと、『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』が出版される際に挿絵を手がけたジョン・テニアルの世界で仕事ができるなんて、とても興味深かった。もちろん、ティムの世界もある。これらのものを混ぜ合わせるわけだよ。本当にエキサイティングなチャレンジだった」と語る。

 ティム・バートンは、5月に英ロンドンで行われた記者会見で「未だにグリーンスクリーンが見えているよ」と言って笑わせていたが、ただの冗談でもなかったようだ。ボビン監督が続ける。「ティムからは『アリス〜』の監督がいかに大変かということを忠告された。彼の主なアドバイスは、グリーンスクリーンでやると気が狂いそうになるからやらない方が良いというものだった。だから僕はブルースクリーンでやったんだ(笑)」。

 前作以上に鮮やかな色彩あふれる映像美はブルースクリーンの賜物。今作のビジュアル・エフェクトの数は2200という膨大な数に上り、ポストプロダクションに1年もかけている。前作と比べると技術の進歩は目覚ましく、その技術を取り入れた部分と、あえて前作の見せ方を踏襲し、つながりを感じさせることで湧いてくる親しみを大切にした部分があるという。

 ティムはジェームズに監督を任せると同意したことについて「彼はポジティブで明確なアイデアを持っていると感じたので、1作目とは異なるエネルギーが必要だと考え、できる限り支えていこうと思った。『アリス〜』のような大作映画を作るには、エネルギー、フォーカス、そして上手くやるためのアイデアを持っている人が必要だったんだ」と語っていた。

■『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』

 物語は前作から3年後。亡き父の後を継ぎ、船長として大海原で活躍していたアリス。だが厳しい現実に直面し、再びワンダーランドへと誘われる。そこにいたのは、悲しい過去に心を奪われ、帰らぬ家族を待ち続けるマッドハッター。大切な友を救うため、アリスは時間をさかのぼることに。待ち受けるのは、過去に秘められた真実と、時間の番人<タイム>との戦い。再び赤の女王の脅威も迫る中、果たしてアリスは、運命に逆らい、過去を変えることはできるのか?

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  • 映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(7月1日公開)左端が製作のティム・バートン、右端がジェームズ・ボビン監督(C)ORICON NewS inc.
  • ジョニー・デップが演じるマッドハッターの変化にも注目(C)2016 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
  • 新キャラクター<タイム>を演じるのはサシャ・バロン・コーエン(C)2016 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
  • ジョニー・デップが演じるマッドハッターの変化にも注目。映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(7月1日公開)(C)2016 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
  • アリスを演じるのはミア・ワシコウスカ。映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(7月1日公開)(C)2016 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
  • 白の女王(アン・ハサウェイ)も健在。映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(7月1日公開)(C)2016 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
  • 赤の女王(ヘレナ・ボナム=カーター)は相変わらず? 映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(7月1日公開)(C)2016 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

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