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大原櫻子、初舞台後は“ロス”に陥る「明日から私、どうすればいいの?って」

 『第66回NHK紅白歌合戦』では、紅組トップバッターとして堂々としたステージを見せてくれた大原櫻子。2016年は地球ゴージャス プロデュース公演 Vol.14『The Love Bugs』で子どもの頃からの夢だったミュージカルに出演を果たすなど、舞台に専念していたが、6月1日にニューシングル「大好き」を発売、全国ツアーも発表されるなど、歌手としてもいよいよ始動した。ORICON STYLEでは、『紅白』や舞台を経て、音楽に対する意識にも変化があったという大原に、新曲「大好き」の話から20歳を迎えた実感など、様々な話を聞いた。

ORICON STYLEのインタビューに応じた大原櫻子(写真/逢坂 聡)

ORICON STYLEのインタビューに応じた大原櫻子(写真/逢坂 聡)

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■ミュージカルは芸能界に入ったきっかけ 生きていて良かった!と思えた

――地球ゴージャス(岸谷五郎・寺脇康文主催の演劇ユニット)の舞台『The Love Bugs』は大原さんにとっては初舞台であり初ミュージカルでしたが、演出家の岸谷さんから“逸材”と大絶賛されていましたね。
【大原】 いえいえ。でも舞台は本当に「生きていて良かった!」って思えるできごとでした。うまくできないイラ立ちも苦しみもありましたが、自分が想像していたよりもはるかにミュージカルが楽しかったといいますか。この世界に入ったきっかけもミュージカルを観たからなので、いつかやりたいとは思っていましたが、ここまで素晴らしい体験ができるとは予想もしていませんでした。

――どんなところが特に素晴らしかった?
【大原】 大勢でひとつのものを作る楽しさですね。一人ひとりがこの作品をどうよくしていこうかということしか頭にないんです。誰かが困ったら常にみんなで助けるという雰囲気で、その環境が本当に素晴らしいですし、その中で毎日芝居と歌とダンスを練習して、みんなで舞台を作り上げていくのは宝石のような時間でした。

――ドラマや映画もチームでやるものですが、舞台の場合はそのチーム感がさらに強く凝縮されていたと。
【大原】 そうですね。やはり映像と違って生ですので、同じ演目を演じても体調とかそのときの空気感で、毎回、違うものになりますし、お客さんの反応も変わってくるじゃないですか。そういう嘘をつけないダイレクトな感覚をみんなで共有できることが舞台の良さなのかなと。だからみなさん、日々芸を極めることだけに集中していて、私自身もいい意味で“仕事”という感覚を忘れて没頭できた。その瞬間、心の底から“私、生きている!”という実感が湧いてきたんです。実は私、舞台が終わった直後は一瞬、燃え尽き症候群みたいになってしまったんです。同じメンバーに「おはようございます」って言えないことが悲しくて“明日から私、どうすればいいの?”って、まさに舞台ロス(笑)。でも、いまアルバム(29日発売)の曲を絶賛練習中なので、歌と向き合い始めたらだんだん元に戻ってきましたね。

――公演中には20歳の誕生日を迎え、カーテンコールで岸谷さんから花束を送られるというサプライズもありましたね。
【大原】 もう、とても感激しました。私は17歳のときにデビューしましたが、そのときはまさか3年後に自分がミュージカルの舞台に立っているなんて想像もしていませんでした。しかも20歳という人生でも大きな節目の年をあの様なかたちで祝っていただけたことは奇跡だなと。素敵なスタッフさんやキャストの方たちに囲まれながら20歳を迎えられたと思うと、感無量でした。

――その後、何か“20歳的”なことはしました?
【大原】 その日に楽屋の廊下で共演者の城田優さんや蘭寿とむさんがお酒をくださって、キャストの方たち全員と乾杯しました。でもそれ以外は特に何も変わらないんですよね。20歳を過ぎたら毎日お酒を呑むもんだと思っていたら、そうでもないですし(笑)。

■一番肝心なことは言えないタイプ 家族には「ごめんね」って言えない

――初舞台ではこれまでにない濃密で刺激的な体験をされましたが、新曲「大好き」の曲作りでも、その経験は役立ちました?
【大原】 言葉に対してのアプローチが変わりました。例えば歌詞で何かのメッセージを発信するとき、ストレートな内容でも表現の仕方はいろいろあると思うんですね。ひとつの言葉でもどういう言い回しにするかで全然伝わり方が違ってくる。それは舞台で決まったセリフを言っていても、毎回伝わり方が変わるのと同じなので、そういう意味で作詞するときも表現の幅が広がった気がします。それを特に感じたのは<大好き>という言葉で、実はこのタイトルと曲だけは先に決まっていたんですね。最初は平仮名の「だいすき」でしたが、それに合わせた仮の歌詞も明るく可愛い感じで、ピュアでキュートなメロディにピッタリでした。でも、そこで無邪気に“大好き”というよりは、それを言えないモヤモヤした気持ちを歌いたいなと。というのも、大好きって日常の中でたくさん言う機会がありますが、いざ好きな人を目の前にすると、なかなか言えなかったりしますよね。そういう女の子のもどかしい気持ちを表現したいと思いました。

――ちなみに大原さんは歌詞のように言いたいことを言えないタイプ? それとも素直に言えるタイプ?
【大原】 言えないです。自分の中に何でもパッと口にできるラインがあって、そこまでは素直になれますが、一番言わなければいけない肝心なことは言えないというタイプ。ですから言えなくて後悔したことはいっぱいあります。自分の中で考えてから発言することが多いのですが、言わないでよかったことよりも、言っておけばよかったことのほうが多いかもしれません。特に「ごめんね」という言葉は言えないことが多いかも……。

――いまそれを言いたい人はいます?
【大原】 家族ですね。「ごめんね」って思っても、それを言う前にツンとしちゃうから。私は親とケンカしたり反抗期はなかったのですが、日々の小さいことは謝らずにすませてしまうことが多くて。

――恋愛の場面では?
【大原】 私、好きって1回言えるとその後はたくさん言うタイプなんです。でもそこまでいかないと、そのまま永遠に言わない(笑)。

――言えるようになりたい?
【大原】 なりたいです! すぐに言える子っていますよね。うらやましいです。

(文/若松正子)

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