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ケイン・コスギが明かす、ストイック過ぎるアクション論

 世界を股にかけてエンタテインメントシーンの第一線で活躍するケイン・コスギ。40代を迎えた今、日本では数少ない本物のアクション俳優であるケインが想うこととは? 世界のアクション映画の現場を知るケインに、自身の体作り、世界的アクションスターだった父ショー・コスギからの教えなど、“アクション論”を聞いた。

「世界のアクション俳優は40代から。満足したら俳優をやめている」と語るケイン・コスギ

「世界のアクション俳優は40代から。満足したら俳優をやめている」と語るケイン・コスギ

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◆アクションシーンではいつも満足しない

――最近はメディア露出があまり多くないようですが、日本での活動は少ないですか?
【ケイン】 そうですね。アメリカでの活動が多かったです。30歳を過ぎて、子どものころからの夢だったハリウッドや世界で活躍するアクション俳優を目指して挑戦しようとアメリカに行きました。それからエージェントとマネージャーを探して、オーディションを受けて。この10年間は海外生活のほうが多かったです。今はアメリカと日本を拠点にして行ったり来たりしています。

――最新出演作の『テラフォーマーズ』はそのなかでオファーがあったのですか?
【ケイン】 昨年の夏頃にアメリカ映画でのタイのロケ中に電話がありました。三池崇史監督の作品ということで、「すぐ戻ります。どんな役でもやります」と即決しました(笑)。昔から三池監督の大ファンで、アメリカで『オーディション』『殺し屋1』とか観ていました。やっぱり海外では、日本人監督だと北野武さんや三池崇史さんは人気があります。

――今作でのアクションシーンはいかがでしたか?
【ケイン】 アクションではいつも満足しないんです。一つひとつの作品ごとにそのときのベストで臨んでいますが、あとから観ると「もっとこうしたかった」「こうできた」とか考えます。撮影中も特別に練習していた技があったんですけど、衣装が重くてできなくて、それが悔しかったですね。練習が足りなかったかな。

――どのくらいの重さだったんですか?
【ケイン】 全身にプロテクターをつけて、ブーツを履いて、それにマントがあって。全部で10キロくらいあったと思います。今まで出演した作品のなかでいちばん重かったです(笑)。通常はアクション映画だと、できるだけ軽くて動きやすい衣装にするので。次の作品の撮影がすぐあったんですけど、修行が終わったあとみたいに体が軽くて楽でした(笑)。

――そのできなかったアクションは、もともとの演出にあった動きだったんですか?
【ケイン】 できるだけかっこよくてインパクトがあるアクションをやりたいと、打ち合わせの段階で三池監督と話していて、今までにない蹴りを入れてみようと提案しました。三段蹴りを練習していたんですけど、本番では二段で止まっていました(笑)。

――ご自身のアクションアイディアを入れるのはケインさんのいつものスタンス?
【ケイン】 そうですね。アクション映画は、アクション監督が全体のアクションを作っていますが、その作品に合う自分のやりたい技とか得意技を提案して、できるだけ入れていっています。それは海外、日本に関わらずですね。

――海外の現場と比べて日本のやりやすさ、難しさはありますか?
【ケイン】 とくにはないです。20年前からいろいろな日本のアクションチームと練習したり、作品に参加したりしています。アクション監督の方々とも一緒に仕事をしていますので、すごくやりやすいです。海外の現場だと、中国とか香港はハードですね。あまりカットをわらずに長いシーンを撮る監督が多いですし、格闘シーンでの殴ったり蹴ったりを「本当にあててください」っていう監督もいますし。日本はいい環境だと思います。

◆20〜30代の頃よりトレーニングして今のほうが体が動く

――今年42歳になられますが、アクション俳優として年齢の不安もありますか?
【ケイン】 海外ではアクション俳優はだいたい40代から。僕もこれからの10年間は、100%後悔のないように挑戦していきたいです。今、20〜30代の頃よりトレーニングしています。体を維持するために、若い頃より時間を多くかけないといけないんですけど、今のほうがその頃より体が動きます。この10年間は、とにかく自分のベストを尽くして行けるところまで行きたいです。

――今、お父さんのショー・コスギさんと話すこともありますか?
【ケイン】 いや〜ほとんどないですね。30歳になって初めてひとりでアメリカで挑戦したときに、父の言う通りだと思ったのは「アクション俳優になりたい人は世界中に大勢いて、その人たちの3倍以上がんばらないと成功はない」という言葉です。アクション俳優でもどんな仕事でもそうですが、みんな一生懸命やっているんだから、それ以上にがんばらないといけないと肝に銘じています。

――その言葉を守られていますか?
【ケイン】 そうですね。できることをすべてベストでやってきて、後悔はないです。それでも、満足をするとそこで終わってしまうので、毎日毎日、前の日よりレベルアップすることを意識しています。もし今までに満足して十分だと思っていたら、アクション俳優はやめていると思います。

――今、トレーニングにどのくらい時間をかけているのですか?
【ケイン】 撮影前がいちばんハードで、ジムのウェイトトレーニングを3時間、ストレッチは1時間半、武道練習を2〜3時間、それからランニングです。1日7時間くらいですかね。体脂肪率は普段は6〜7%、撮影前は4%くらいに絞ります。

――『テラフォーマーズ』もその体で臨まれたんですね。
【ケイン】 はい。アクションの準備はしていましたが、三池監督の昔からの大ファンなので、現場ではずっと緊張していてリラックスはできなかったです(笑)。

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  • 『テラフォーマーズ』に出演中

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