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“強面”から“キュート”へ ギャップを武器に活躍の幅広げる遠藤憲一

 もはや日本を代表する“強面”俳優のひとりとなった遠藤憲一。だが最近は、そのルックスとは対照的なコミカルな演技を見せ、かつては脇役中心だったが主役を張ることも多くなり、昨年の『民王』(テレビ朝日系)や現在放送中の『お義父さんと呼ばせて』(フジテレビ系)ではダブル主演を果たしている。またCMでは、『キャンディクラッシュソーダ』の妖精役や一連の『ダイハツ工業 ムーブ』の演技で、女子からも「キュート」「カワイイ」などと評されるようになった。「強面」から「キュート」まで、その演技に幅をますます広がりを見せている。

悪役からコメディまで幅広く活躍する遠藤憲一 (C)ORICON NewS inc.

悪役からコメディまで幅広く活躍する遠藤憲一 (C)ORICON NewS inc.

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◆近年は“キュート”な一面が際立つ役で主演を張る遠藤憲一

 遠藤は長年に渡り、その風貌を買われ多くのVシネマ作品に出演してきた。ジャパニーズバイオレンスの巨匠・三池崇史監督に重用されるのも、Vシネ役者特有のギラギラしたむき出しのリアリティを放っているからだろうが、悪役が多いだけに、長年メインを張ることは少なかった。遠藤が初めてドラマの主役を張ったのが2009年の『湯けむりスナイパー』(テレビ東京系)。ここで遠藤は、年齢不詳、無口な元殺し屋役を演じたのだが、まだこの役では見た目通りの強面の遠藤憲一だった。

 しかし2014年、先述の「キャンディークラッシュ」のCMで、V6岡田准一とのコミカルな掛け合いを披露すると、「意外にカワイイ」との声が増え始め、昨年の『民王』で菅田将暉との“入れ替わり”役を演じるにいたり、一気に女子人気が爆発したのである。女子力の高い草食系息子の菅田と入れ替わった遠藤が、あの怖い顔でパンツ一丁になって体育座りして、部屋の隅っこでメソメソと泣いて見せると、女性視聴者たちは「カワイイ〜」と萌えコメントを連発、この“部屋の隅っこで体育座り”はドラマのお約束シーンにまでなったのである。

 また、現在放送中の『お義父さんと呼ばせて』では、“セクシーおじさん”の代表格とも言える渡部篤郎の娘(連佛美紗子)と恋に落ちる中年男性を熱演。渡部に結婚を許してもらうために土下座をしたり、ときにはスポーツジムでランニングマシンやボルタリングなどで渡部と子どもみたいに張り合ったりして、これまた“アラフィフ”おじさんの遠藤が「お茶目」だと女子たちの胸をキュンキュンさせているのだ。

◆“強面俳優”としての演技に定評があるからこそ活きる“キュート”さ

 ただ、こうした遠藤人気の大きな要因である“カワイらしさ”も、そもそも遠藤が“強面俳優”だからこそ活きてくる魅力である。鋭い眼光に眉間の縦ジワ、ダークスーツの似合う長身、“硬”の面をベースに、柔和さや悲哀や哀情も持ち合わせた演技で、脇役ながら圧巻の存在感。シリアスな役からヤクザ、刑事役などを確実に演じてきた遠藤の、ハードボイルドな演技の実力を視聴者が知っているからこそ、「強面×カワイイ」という“顔面ギャップ力”のみならず、最近の遠藤の“コミカル”な演技にも注目が集まるのである。

 「それに遠藤さんは、われわれ制作側からしても使いやすいんです。長身でクールだから、そこにいるだけで存在感もあるし、見栄えもいい。同時に映画『クライマーズ・ハイ』でも見せたように、事件報道に葛藤する姿、苦悩する表情などのシーンも見事に演じ切る実力派です。でも私は、“共演者を引き立たせる能力が高い”というのが遠藤さんの一番の長所だと思います。『ムーブ』のCMでは人気絶頂の吉田(羊)さんと共演していますが、遠藤さんが絡むだけで吉田さんのコミカルな面が引き出されている。今、本当に使いやすいというか、使いたい俳優さんであることは間違いないでしょう」(ドラマ制作会社スタッフ)

 数々のドキュメンタリー番組やCMのナレーション、アニメなどで“渋い声”を活かした声の仕事でも活躍し、「強面×キュート」というギャップ力、俳優としても着実なキャリアと実力を兼ね備え、“引き出し”も多い遠藤憲一。今後もドラマや映画で活躍していくことは間違いないだろうが、そろそろ遠藤のいわば原点とも言えるハードボイルドの集大成として、究極の悪役を演じる姿も堪能してみたい。

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