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『ラブライブ!』きっかけ? リズムゲームアプリ“戦国時代”に突入

 アニメの主題歌や映像商品が軒並み好セールスを記録し、6月に公開された劇場版は観客動員150万人を突破するなど爆発的ヒットとなっている『ラブライブ!』。同作がアニメファンに限らず、幅広い層へと認知を広げていくきっかけとなったのが、スマートフォン向けのリズムゲーム『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』(『スクフェス』)だ。『スクフェス』のヒットもあってか、実は今、アプリにおいてキャラクターコンテンツとリズムゲームを組み合わせたジャンルが盛り上がっている。9月11日現在、App Storeの無料ランキングでは配信されたばかりのリズムゲーム『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』(以下、『デレステ』)が1位に。“音ゲー”の歴史を振り返りつつ、リズムゲームアプリ活況の理由を探っていきたい。

『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』は配信開始からわずか1週間で400万DL突破 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』は配信開始からわずか1週間で400万DL突破 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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■現在の「音ゲー」元祖『パラッパラッパー』が登場したのは約20年前

 音楽やリズムに合わせてユーザーがアクションを起こし、ステージクリアや最高スコアを目指す、いわゆる“音ゲー”。これまで数多の音ゲーが世に送り出されてきたが、一般的にそのルーツは1996年に発売されたプレイステーション向けソフト『パラッパラッパー』だと言われている。“先生”のお手本を参考に、音楽に合わせてボタンを押すとキャラクターがラップするというシンプルなゲームだが、その珍しさも手伝ってか、幅広い世代にウケて売上148万本を記録する大ヒットに。現在まで続く音ゲーの元祖と言われている。

 その後、1990年代後半にコナミのBEMANIシリーズや『Dance Dance Revolution』(以下、『ダンレボ』)、『beatmania』などアーケード向けの音ゲーのヒットが続いたことで、ジャンルとして定着。しかし当時は上級者向けのタイトルが多く、『ダンレボ』などは名前こそ広く知られていたものの、プレイヤーは一部の層に限られていたように記憶している。2000年代に入ると音ゲーも多様化し、『太鼓の達人』、『リズム天国』、『大合奏!バンドブラザーズ』など、子どもでも簡単に遊べる作品が続々と発売され、人気アーティストのヒット曲の使用や、よりキャラクターやストーリー性を高めたものが増えていった。

■音ゲーに“ソシャゲ”のヒット方程式を組み込んだことが奏功

 スマートフォン、タブレット向けの音ゲーは、初期の頃はこうした過去のヒットゲームをベースにしたものや移植したものが主だった。しかし、そこに“ソーシャルゲーム”のヒット要素をうまく取り入れ、爆発的ヒットにつなげたのが『スクフェス』だ。音楽に合わせて画面の指定された場所をタップしていくという音ゲー(ゲーム内では「ライブ」)の基本形をメインにしながらも、キャラクターを前面に押し出し、コミュニケーションゲームの要素や、ヒットソーシャルゲームの“鉄板”であるキャラクターを収集・育成・ユニットを組んでバトルに挑むというカードゲーム要素を投入。非常に完成度が高く、キャラクターと絡めたリズムゲームアプリのベースを作った。

 そして2014年に入ると、こうしたキャラクターコンテンツ×音ゲーにソーシャルゲームのヒットセオリーを取り入れたリズムゲームアプリが続々と発表される。まずは2月に同じく女性アイドルをテーマに、収集・育成・ストーリー要素を入れ込んだリズムゲームアプリ『Tokyo 7th シスターズ』がリリース。4月には3人のアイドルをリズムゲームなどを通して育てていくタイトーの『アイドルクロニクル』がスタートした。7月には、バンドをテーマにしたサンリオによる『SHOW BY ROCK!!』の提供も開始。さらにこの9月には前述の『デレステ』が配信され、1週間で400万ダウンロードを記録している。

 すでに“食傷気味”とも言えるほどの多さだが、8月に提供開始したキャラクター原案・種村有菜による『アイドリッシュセブン』や旬の声優を多数起用し、サテライトやいとうのいぢなど豪華な布陣で話題の『バンドやろうぜ!』など、今後は特に女性をターゲットにしたリズムゲームアプリのリリースも続々と予定されている。開発コストが高いという面はあるが、音ゲーにソーシャルゲームの方程式を取り入れたことで課金要素も高くなっており、一発当てればかなりの収益が見込めるため、さらに増えていくことと思われる。リズムゲームアプリは“戦国時代”に突入しようとしている。

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