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制服向上委員会 前リーダー・小川杏奈が語る激動の8年間。内気な少女が脱・原発運動で演説するまでに

 結成22周年を迎えた、日本最長寿の女子アイドルグループ・制服向上委員会(SKi)。結成以来、“清く正しく美しく”をテーマに、制服ファッションに身をつつんだメンバーたちが清楚なステージで魅せている。また当初からボランティア活動や社会貢献活動に力を入れているのも特徴だ。
 そのSKiの前リーダー・小川杏奈は、グループ結成から3年目、1994年生まれの20歳。2006年、小学校6年生の時に加入し、2010年からリーダーをつとめた。そして先月行われた『生誕22年祭』公演で卒業。そんな小川に卒業後の率直な思いを聞いた。

先月いっぱいで卒業した、制服向上委員会・前リーダー・小川杏奈(20)。

先月いっぱいで卒業した、制服向上委員会・前リーダー・小川杏奈(20)。

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----今回、このタイミングで卒業を決めた理由は?

「実は2年前、『生誕20年祭』の時にも卒業しようという気持ちがあったんです。当時高校3年生で、将来のことを考えたときに、ずっと歌手の仕事を続けていくか、卒業してスタッフとしてみんなを支えていくかなど、いろいろと悩んだんですけど、結果的に進学に決めました。でも、当時私はリーダーになって2年目。前年の3・11の東日本大震災のあと、メンバーが減ってきている中で、それでも『20年祭』に向けてみんなでがんばっていこうという時期で、リーダーがやめてしまったらメンバーにもお客さんにも申し訳ないと思ったので続けていこうと……」

----でも、進学を決めた時点で2年後の卒業は自分の中で決めていたのですか?

「はい。保育士になりたいと思って、そのための大学を選びました」

----せっかく8年間積み上げてきたものをここで手放すことに迷いはなかった?

「この8年間、ほんとにいろんなことをさせていただきました。加入してすぐにライブに出させてもらったり、レコーディング、ラジオ番組出演、いろんな取材も受けさせてもらったり……。自分の中でやりきった感じはありました」

----ただ、このタイミングで発表するかどうかはギリギリまで悩んだそうですね。

「新しい子も入ってくるし、2月くらいまで卒業を延ばすという話もあったんですけど、やっぱりタイミング的にも9月に発表するのがベストかなという結論になりました。
後輩のみんなは、私を信頼してくれるのはありがたいんですけど、でも私がいると、どこか甘えちゃう部分もあるのかなと感じてきて、みんなが本来持っている力をまだまだ発揮できてないんじゃないかなと思ったんです。だったらここで卒業して、それぞれもっと責任感を持って頑張れるように、みんなそれをできるはずだから、信じようと思いました」

----卒業の挨拶では、まず親への感謝の言葉を伝えていたことが印象的でした。

「デビューが6年生だったということもあって、親の支えがないと続けられなかったんですけど、親も、おばあちゃんも、親戚も応援してくれて、感謝の気持ちが大きかったんです。家族に協力してもらえなくて辞めていく子もたくさん見てきて、その点私は恵まれていたなと思います。2011年にグループとして脱・原発運動を始めた頃にはもちろん心配されましたが、親の意思ではなく自分で決めなさいというふうに言ってくれました」

■まったく休みがなかった中高生時代
もうやめたいと思ったことも

----もともとSKiに加入したきっかけは?

「SKi主催の制服ファッションショーのモデル募集があって、妹(メンバーの清水花梨)と一緒に応募しました。もともと歌とダンスを習っていて、芸能のお仕事をやってみたいという気持ちはありました。制服ファッションショーは、可愛い制服を着られるなら出てみたいという軽い気持ちで応募しました。その時にステージでSKiの先輩方が歌ってらっしゃるのを観ていいなと思ってたら、グループに入らないかと声をかけていただきました」

----活動を始めた頃はとまどいもありました?

「歌やダンスを短時間で覚えなければならなかったので、まずそこが大変でした。私が習っていた教室だと、発表会に向けて時間をかけて一曲を作っていくのですが、SKiだと『今日はこれをマスターして、明日は別の曲です』という感じだったので、こんなに大変なんだととまどっていました。
またファンの方との交流イベントも多いんですが、最初は全くしゃべれませんでした」

----学校に通いながら、放課後や休日はSKiの活動。それを8年間続けたのもすごいですね。

「最初は少し抵抗もありました。休みの日に周りの子はみんなで遊びに行くのに、誘ってもらっても『ごめん、今日も行けないんだ』と断ったり……。放課後も、みんなでおしゃべりしたり、一緒に宿題したりしているときに、私はレッスンがあるから早く帰らなければならないというのも辛かったです。でも一緒に活動しているメンバーたちと、その気持ちをわかり合えたのが救いでした。ときどき考えましたよ。SKiに入らず、普通の学生生活を送って、友達みたいに部活に入って大会に向けて頑張ったりしてたほうが楽しかったのかなと。
やっぱりいろいろと悩んだり、もうやめたいと思ったこともありました。言われたことをちゃんとできず、才能がないのかもとか思ったり、また仲良くしていたメンバーがやめたりすると、心細くなって、心が揺れることもありました。でも、もうちょっと頑張っていこうかなと思い直して、なんだかんだ続いてきた感じです」

----それでも、リーダーになる前から歌割をたくさんもらったり、期待されている印象はありました。それも続けられた原動力になったのかもしれませんね。

「先輩じゃなくて自分にソロ曲が回ってきた時は、頑張らなければいけないと思ったし、そういうチャンスは無駄にしてはいけないと思っていました。それで力んで失敗することはあったんですけど(笑)」

----リーダーになったのは16歳のとき。無期限で活動を休止していた制服向上委員会が再始動したタイミングからですよね。

「はい。最初の頃は不安でいっぱいで……。みんな年が近かったので、自分が先頭に立って引っ張っていったり、『◯◯ちゃん、ここがダメだよ』と注意したりすることにすごい抵抗がありました。私自身ダメなのに、ダメな人から注意されるのは嫌だろうなと。
 でも、だんだんメンバーに年齢が下の子が増えていく中で、みんなを支えたいという意識が出てきて、注意もできるようになりました。先輩として面倒を見てあげなきゃという気持ちが強くなってきました」

■リーダー2年目に“3・11”が。
脱・原発活動の先頭に立つ17歳に

----そんなリーダーに大きな出来事が起こります。リーダーになって2年目の2011年3月11日。東日本大震災。それ以降、グループの活動は脱・原発運動など、政治色の濃い活動が増えていきます。『ダッ!ダッ!脱・原発の歌』と題した曲を発表したり、各種デモにも参加したりと…。

「もともと私たちのグループは戦争反対やいじめ追放など社会問題に取り組んでいたのですが、原発問題については、メンバーみんな『原発って何!?』というところから始まりました。プロデューサーから『今こんなことが起こっているんだよ』とかいろいろ教えてもらったり、新聞やビデオを見たりして勉強しました」

----リーダーとして、脱・原発イベントで演説をしたり、新聞の取材を受けたりしていました。17歳の女子高生には相当なプレッシャーだったと思います。

「実際デモなどに行くと、同じ脱・原発活動をしていても、意見が食い違って喧嘩しちゃう人がいたりして、それで警察も来て……。そういうのを間近で見たりすると、『怖いな』『私たちなんだか悪いことをしてるんじゃないか』という気になったこともありました。
あの年の夏休みは休みが一日あったかどうかというくらいで、ライブやレッスンのほか、イベント、デモ参加などで毎日が慌ただしかった。脱・原発活動をするアイドルということで注目されて、新聞などいろんな取材を受けました。取材は、特に最初の頃はとても緊張しました」

----高校生なりの意見を言えれはそれでいいと思いますが、気負ってしまう部分もあったかもしれませんね。

「最初は、私たちのコメントに期待している人もいるのかなと思うと、難しいことを言わなければと思っていました。小さな時から原発のことを反対していたわけでもなくて、3・11でいろんな現実を知ってから取り組むようになったので、最初はとまどいました。でもスタッフさんから、高校生としての意見が言えればいいんだよと言ってもらえて、等身大の受け答えができるようになりました。
 そんな中で、数多くのメンバーが辞めていきました。脱・原発の活動を親から反対されている子もいました。一人辞めると連鎖反応で辞める場合も多かったです。3・11以降の活動は大変だったけど、でも、その活動を通じて、『ファンになった』と言ってくれる方もいてそれはよかったと思います」

■新人を応援してくれる
ファンの方が増えればうれしい!

----リーダーに就任して以降は、それ以前と比べて観客動員が増え、現在もグループの中でも特に高い人気を誇る小川さん。その卒業はファンが離れるリスクもあったのでは?

「制服向上委員会自体を昔から応援してくださるお客さんも多いので、引き続き応援していただければありがたいですし、個人的には、新人の18期生を応援してくれるファンの人が増えたらうれしいなと思います。自分を見てくれるファンが一人でも多い方がやる気が出ると思うので」

----次の世代でもっと人気が出るようにするためには?

「無料の公開リハーサルを夏まで毎月やっていたんですけど、今後もやっていければと。無料だと、他のグループも応援しているという人も含めてかなり増えるので、今後はそういうお客さんに、そのまま有料のコンサートにも来ていただければうれしいなと思います。そのためには、もっと内容を充実させて、『お金を払ってでも観たい』と思ってくれる人が増えるようになればと思います」

----11月1日には、小川リーダー参加のラストアルバムが発売されます。

「今回は、レコーディングの時から自分の最後のアルバムになるんじゃないかなと思っていたので、今できる自分の最大限を込めました。歌うだけでなく、できた音源を聴いて、細かい部分の直しの作業など、最後の工程まで関わらせていただきました。収録曲は、可愛い青春ソングと、メッセージ性の強い曲がミックスになっていて、SKiのいろんな面を聴いてもらえると思います」

----最後にこの8年間を振り返って……。

「この8年間、楽しいことはもちろん多かったですが、いろんな危機もありました。メンバーが激減して4人だけという時代もあったり。その頃のライブは、ソロ曲を順繰りに歌って、最後に4人で歌うという感じでした。でも、あの頃一緒に頑張ってくれたメンバーがいたからこそ、今があると思います。みんなでやめちゃってたらどうなってたかと思うと……。
 いろんな出会いもありました。3年くらい前によく大阪に行って小学生の子たちとよく一緒にステージでに出て歌わせていただいたんですけど、すごく楽しかったんです。子どもたちが私たちの曲を覚えて練習してきてくれたりして、それがすごく可愛くて! メンバーの誕生日には色紙を送ってきてくれたりして、交流は今も続いています。そんなふうに心に残る出会いがいっぱいありました」

 リーダーになったばかりの頃はメンバーに注意もできなかったというが、3・11以降、脱・原発運動に先頭に立って参加することに。9代目にして、歴代でもっともハードな立場に置かれたリーダーだったと思うが、4年間つとめあげた。そのほんわかとしたキャラクターの内には、強い精神力を持ち併せているのだろう。

 後輩にビシッと注意できるようになったという最近でも、「普段は友だちみたいに遊んでいました(笑)」という。そういうリーダーのあり方も今ふうなのかもしれない。卒業のライブでは後輩へ「メンバーの心得10カ条」として自身の経験から学んだことを後輩に伝えていたが、メンバーたちはかみしめるように聞いていた。また、その後のメンバーのブログを見ても、小川が後輩メンバーたちからいかに慕われていたかがよくわかった。
 なお、今月26日には小川のお別れ会イベントも開催される。同イベント前はファンクラブ会員以外でも参加できる。参加方法など詳細は、制服向上委員会オフィシャルホームページに掲載。

関連写真

  • 先月いっぱいで卒業した、制服向上委員会・前リーダー・小川杏奈(20)。
  • おがわあんな、1994年4月15日生まれ。(C)De-View
  • 卒業ライブでは代表曲『清く正しく美しく』でメインボーカルをとった。(C)De-View
  • 制服向上委員会アルバム『ルールとマナーを守ろうよ』(11月1日発売)。「アルバムタイトルは、自転車のマナーを守ろうよという内容の曲のタイトルなんですが、『政治家もルールとマナーを守れていないのでは?』というメッセージも含まれています」(小川)
  • 雑誌『月刊デ☆ビュー』での初インタビューより(2006年)。当時、小学6年生。(C)De-View
  • 2006年、SKiファミリーとしてのアルバムのキャンペーンライブより。マリー・ブレレトン氏デザインのビビッドな赤の制服がまぶしい。
(C)De-View
  • 2012年、インターネット放送『@TV/デビューch』の生放送にゲスト出演。(C)De-View
  • ベストBOX セット『ボランティア・スピリット』のキャンペーンイベントにて。2012年。(C)De-View
  • 2012年12月に行われたクリスマスライブより。(C)De-View
  • 同クリスマスライブではサンタの衣装で登場。(C)De-View
  • 可憐な紺のワンピースの制服で歌う。2013年8月。(C)De-View
  • 今年8月の公演『真夏の祭典』では浴衣姿を披露。(C)De-View
  • 卒業ライブでOGメンバーから花束をもらう。(C)De-View

提供元:Deview

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