■インディーズ時代の空気感をメジャー進出でもっと過激に
ここ数年、ライブハウスシーンを盛り上げてきた兵庫・西宮のバンド、キュウソネコカミがメジャーデビューする。彼らの音楽の特徴は、赤裸々な心情をパーティー的なロックサウンドに乗せて歌っている点だ。それはヤンキーへの恐怖心だったり、サブカルチャーに溺れる女子への牽制だったり、DJへの皮肉だったり。「そんなことまで言っちゃう!?」という感覚が支持を受けてきたバンドだ。
しかし、メジャー進出は少々意外な感がある。なにしろ前作アルバムは『ウィーアーインディーズバンド!!』というタイトルなのだ。
「ファンには“インディーズでいるのが私たちのキュウソ!”みたいになっていたから“ウィーアーインディーズバンド”と言ったほうが面白かったんですけど。ただ、そうは思いつつも『いやいや、こっちも生活かかっとんねん』みたいなところもありますから(笑)。メンバー全員「売れたい」ということで筋が通ってますしね」(ヤマサキ セイヤ(Vo))
「だから、あくまでも“今は”ウィーアーインディーズバンドなんですよ(笑)」(オカザワ カズマ(G))
メジャーでの活動にあたっては、スタッフを務めてきた中野晶夫氏がそのままマネージャーとしてスピードスターミュージックに迎えられたことが大きいという。「はいからさん」の通称でファンからも親しまれている中野氏は、インディーズの「エキセントリックレコーズ」を主宰しながらこのバンドのブッキングやライブの現場を束ねる。今春以降は、西宮に在住し続けるメンバーの代わりに中野氏が東京に業務拠点を移し、バンドを運営している。彼らは4月1日、メジャーデビューとこの体制への移行をストーリー仕立ての動画で発表した。
「東京のことは、はいからさんに任せられるぶん、関西で集中して音楽が作れます」(カワクボ タクロウ(B))
「僕らのファンってライブハウスに足を運んでくれた人たちなので、『メジャーに行って変わったな』と思われて得するバンドじゃないなと思うんです。だから今までと空気感が変わるのは良くないなと思っていたのですが、ビクターの人が『はいからさんも迎え入れる準備があります』と言ってくれて、それならメジャーに行っても同じことができるな、と思ったんです。むしろ、より過激にやれるんじゃないかと。今のところビクターも好きにやらせてくれていますしね」(ヨコタ シンノスケ(Key/Vo))
■毎回違ったことをやる「あまのじゃく」バンド
たしかにこのバンドの放つ空気感は独特だ。音楽自体はアッパーな曲が目立つが、それも決して時流に寄っているのではなく、彼ら流のフィルターを通過した屈折度の高いもの。とくにイベント出演時にはヤマサキが客席に乱入するなど、「何かやらかしてくれるんじゃないか」という客側の期待値が高い。
「基本的に“裏をかいていこう”という感じでずっとやってきましたからね。例えば面白いバンドがいるイベントの時にはカッコいい方向を見せる、カッコいいバンドがいっぱいいる場なら面白い方向を出す。あまのじゃくなんです」(ヨコタ)
「いつも違うことをしないとね。テンプレートというか、決まったことを毎回やっているのは、つまらないですから」(ソゴウ タイスケ(Ds))
ビクター第1弾となる『チェンジ ザ ワールド』でも、現在の音楽シーンを彼らの視点で赤裸々に切り取った詞が印象的な「ビビった」、自分の無力感やどうしようもなさに気付いた瞬間を描いた「何も無い休日」など、強烈なウィットや人の痛い部分を突く感覚が炸裂している。そこに情けないほどの人間臭さが香るのも、このバンドの魅力だ。
「ラジオとかでも宣伝の人たちのおかげで僕らの歌が流れているのですが、それを聴いて『今こんなのが流行っているの?』という声が増えたらいいなって思うんです。そのうちに、そんな違和感すらないぐらいになれたらな、と。“こんなの”と言っていた人たちに『あいつら、意外と生き残ってるな』と言われるぐらいまでやり続けたいですね」(ヨコタ)
(ORIGINAL CONFIDENCE 14年6月16日号掲載)
ここ数年、ライブハウスシーンを盛り上げてきた兵庫・西宮のバンド、キュウソネコカミがメジャーデビューする。彼らの音楽の特徴は、赤裸々な心情をパーティー的なロックサウンドに乗せて歌っている点だ。それはヤンキーへの恐怖心だったり、サブカルチャーに溺れる女子への牽制だったり、DJへの皮肉だったり。「そんなことまで言っちゃう!?」という感覚が支持を受けてきたバンドだ。
しかし、メジャー進出は少々意外な感がある。なにしろ前作アルバムは『ウィーアーインディーズバンド!!』というタイトルなのだ。
「だから、あくまでも“今は”ウィーアーインディーズバンドなんですよ(笑)」(オカザワ カズマ(G))
メジャーでの活動にあたっては、スタッフを務めてきた中野晶夫氏がそのままマネージャーとしてスピードスターミュージックに迎えられたことが大きいという。「はいからさん」の通称でファンからも親しまれている中野氏は、インディーズの「エキセントリックレコーズ」を主宰しながらこのバンドのブッキングやライブの現場を束ねる。今春以降は、西宮に在住し続けるメンバーの代わりに中野氏が東京に業務拠点を移し、バンドを運営している。彼らは4月1日、メジャーデビューとこの体制への移行をストーリー仕立ての動画で発表した。
「東京のことは、はいからさんに任せられるぶん、関西で集中して音楽が作れます」(カワクボ タクロウ(B))
「僕らのファンってライブハウスに足を運んでくれた人たちなので、『メジャーに行って変わったな』と思われて得するバンドじゃないなと思うんです。だから今までと空気感が変わるのは良くないなと思っていたのですが、ビクターの人が『はいからさんも迎え入れる準備があります』と言ってくれて、それならメジャーに行っても同じことができるな、と思ったんです。むしろ、より過激にやれるんじゃないかと。今のところビクターも好きにやらせてくれていますしね」(ヨコタ シンノスケ(Key/Vo))
■毎回違ったことをやる「あまのじゃく」バンド
たしかにこのバンドの放つ空気感は独特だ。音楽自体はアッパーな曲が目立つが、それも決して時流に寄っているのではなく、彼ら流のフィルターを通過した屈折度の高いもの。とくにイベント出演時にはヤマサキが客席に乱入するなど、「何かやらかしてくれるんじゃないか」という客側の期待値が高い。
「基本的に“裏をかいていこう”という感じでずっとやってきましたからね。例えば面白いバンドがいるイベントの時にはカッコいい方向を見せる、カッコいいバンドがいっぱいいる場なら面白い方向を出す。あまのじゃくなんです」(ヨコタ)
「いつも違うことをしないとね。テンプレートというか、決まったことを毎回やっているのは、つまらないですから」(ソゴウ タイスケ(Ds))
ビクター第1弾となる『チェンジ ザ ワールド』でも、現在の音楽シーンを彼らの視点で赤裸々に切り取った詞が印象的な「ビビった」、自分の無力感やどうしようもなさに気付いた瞬間を描いた「何も無い休日」など、強烈なウィットや人の痛い部分を突く感覚が炸裂している。そこに情けないほどの人間臭さが香るのも、このバンドの魅力だ。
「ラジオとかでも宣伝の人たちのおかげで僕らの歌が流れているのですが、それを聴いて『今こんなのが流行っているの?』という声が増えたらいいなって思うんです。そのうちに、そんな違和感すらないぐらいになれたらな、と。“こんなの”と言っていた人たちに『あいつら、意外と生き残ってるな』と言われるぐらいまでやり続けたいですね」(ヨコタ)
(ORIGINAL CONFIDENCE 14年6月16日号掲載)
2014/06/14



