今月11日に食道がんにため亡くなった女優・淡路恵子さん（享年80）の葬儀・告別式が22日、東京・青山葬儀所にてしめやかに営まれ、デヴィ夫人、高橋英樹ら弔問客約150人が訪れた。

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　葬儀では、淡路さんが生前愛してやまなかった越路吹雪の「愛の讃歌」や「ろくでなし」がBGMとして使用され出棺の際は「ラストダンスは私に」が流れる中、見送られた。女優・十勝花子は「さよなら、淡路さん！」と声を挙げ、弔辞では「アメージンググレース」を歌い上げたジャズシンガーの綾戸智恵は静かに手を振り続けていた。

　以下、参列者の主なコメント

【デヴィ夫人】
　「もうお話できないんだなという実感ですか。心の中では覚悟はできていたんですけどまだなにかこれからも今日、永久にお話出来ないと思うと寂しいですね。知っている方がどんどん亡くなってしまって。私にとっては最初からお姉さんだった。愛に生きたすさまじい生き方だった。晩年、またブレイクして本当に彼女は血を吐く苦しみを味わってきたけどそんなこと微塵もみせなかった。いつも言わなかったしえらいと思った。島倉（千代子）さんにせよ、いい意味で強い日本の女がどんどん亡くなってしまうのは寂しいですね。ふたりともすさまじい生き方でしたけど美しく輝いていた。ご家族を大事にしていた。三男が亡くなった時も彼は朝の3時4時までアルバイトしていたんですよ。『デヴィさん、ポーンと8メートル飛んで即死だったのよ。親より先より死ぬのは不幸よ』とおっしゃっていた。最後の息子さんの時はご自分で決断して警察に突き出してしまう母の強い勇気だと思います」

　「錦之助さんを酔うくらい愛していた。彼のためになら身投げするくらい尽くしてました。愛する男のために生きていた。競馬の馬みたいに、真っ直ぐだった。とっても素敵な祭壇でしたね。彼女のパーソナリティがよく出てる。あんなにスマートで（自分の）スタイルがあるあんな女優さんは出てこないんではないか。お疲れ様、安らかにお休みください」

【高橋英樹】
　「男気のある妖艶な女優さん。毒舌がきつくてすごく優しくて『怖いもん、何もないから好きに生きる』とおっしゃっていた。下手をすると8時間から10時間しゃべっていた。（撮影所の）出口に椅子を持って来てずっと話していた。今思うと聞き上手だったのかな。『初めて聞いたわ、こんなこと』と言いながら私自身も楽しい思い出だった。いろんなご苦労もあったでしょうがすべて自分のなかに飲み込んでいた。（萬屋錦之介さんのことも）全部あったからこそ強く優しい女性であった。たばこを吸わせたらあんなに似合う人はいないし、ちょっとした仕草がかっこいい。『おっかさん、かっこいいね』とよく言ってました。『当たり前でしょ』って。『おっかさん』と呼ぶと『なんで10（歳）くらいしか違わないのに』と怒っていましたね。ゆっくり休んでいただいて向こうの諸先輩方とお話しながら後輩のことを見守ってくださったら」

【ミッツ・マングローブ】
　「ありがとうございました。『お会いできてよかったです』と（声をかけました）。番組でご一緒して、私なんかが会えるとも思ってなかった。一緒の空間にいるのが不思議なくらい。怖いと思ったことは一度もない。可愛らしい人。私と並ぶと半分くらい。本当にいろいろ粋なことを教えて下さった。（印象的な思い出は）初めてか、二度目にお会いした時、淡路さんの着てらっしゃった黒のダウンが素敵で『素敵！』っていったらすごくうれしそうに『あそこで買ったのよ』『今度いいのがあったら教えてあげる』って。（遺影の写真は）初めてお会いした頃ですね。どんな瞬間も女優・淡路恵子、女・淡路恵子としてスパッとたばこ吸ってかっこよかった」