テレビ東京が力を入れている（!?）“食ドラマ”の新シリーズ『たべるダケ』（毎週金曜　深0：52）が12日よりスタートする。原作は高田サンコ氏が『月刊！スピリッツ』（小学館）で連載中の同名漫画。主人公・謎の“食べるだけ”の美女を演じるのは、ドラマ初出演にして初主演となる後藤まりこ。昨年ソロデビューを果たしたミュージシャンでありながら、女優として舞台、映画にとその活躍の場を拡げている注目株だ。

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　出演依頼は、後藤の公式ホームページの「お問い合わせ」に届いたプロデューサーからの１通のメールだった。「この作品の原作は以前から知っていて大好きだったので、ドラマ化されると知って、え〜！　ボクに出演してほしいと書いてあって、え、え〜！！　単行本2巻のオビに剛力彩芽さんの写真が載っていたくらいだから、剛力さんが演じるのと違うの？　と思ったくらい。ただただびっくりしました（笑）」と話す。

　『このマンガがすごい！2013』（宝島社）に後藤が「『たべるダケ』が面白い」と書いた記事を関係者が読んだのがきっかけだったようだ。男女の出会いにかぎらず、縁は異なもの味なもの。

　後藤も「どこで何がつながるのか、わからないですね。今回、初めてドラマに出させてもらってありがたかったです。『いただきます』と『ごちそうさま』以外、何もしゃべらない、ふんわりした得体の知れない役ですが、ポツポツと人間味が感じられるシーンもあってよかったです」。

　タイトルの通り、後藤が演じる主人公・シズルは、神出鬼没。いきなり登場して、無言でご飯やお菓子をおいしそうに食べるだけ。しかし、その食べっぷりを目の当たりにした人々は、心を揺さぶられ、現実に向き合おうとする内面の変化が促されていく。

　この変化をもたらすパワーがシズルの魅力。そんな人物を後藤は「お腹を空かして現場に入って、パクッ、おいし〜い！　おいしくいただきました。ごちそうさまでした、という感じ」と。芝居というより、自然体。食べることは、つまり生きること。この原始的欲求にまっすぐに向き合う彼女の姿を、同ドラマではハイスピードカメラなどを駆使して、より神秘的に、そして時にエロティックに描き出していく。

「食べる行為ってセクシーで、グロいですよね。ボクは食べる時は、たくさん食べるし、デパ地下グルメで幸せな気分にもなるし（笑）、食欲は普通ですよ。でも、何かに没頭して、あ〜そういえば何も食べていなかったか〜と忘れることもありますね」。

　普段、テレビドラマは「ほとんど観ない」という後藤だが、本作に限っては「オンエアがほんま楽しみ」。手応えを聞くと「自信はないですよ。何にやるにしても、自信があるかないかで言えば、ないです。ライブの後も、出来上がったCDを聞いた時も、たぶんこの作品のオンエアを観た後も、げんなりするんだと思います。もっとこうすればよかったなとか。3日くらい寝こむかもしれないけれど、それがまた糧になると思います」と話した。

　同ドラマではエンディング曲「sound of me」（7月24日発売）も担当。ドラマを観て、食欲を刺激された直後に、このダイナミックで圧倒的なエネルギーを放出するアッパーチューンを聞くと、コンビニに向かって走りだしてしまいそうだ。

　「ボクはどうなっても音楽は続けるつもり。ドラマの現場を初めて経験して、女優さん、俳優さんはすごいと思いました。自分から進んでオーディションにはいかないと思うけど、機会をいただけるのであれば、女優の仕事もやっていきたいと思っています」

　オンエアに併せて、二コニコ生放送にて主演の後藤まりこによる『しゃべるダケ』を配信することが決定。ドラマでは後藤のセリフがほとんどないだけに、『しゃべるダケ』の放送内容は気になるところ。都内某所からゲストと共に番組を発信していく。初回12日は深夜0時30分〜2時、生放送。全12回開催予定。

　ドラマ『たべるダケ』はテレビ東京・テレビ大阪・TVQ九州放送・テレビ北海道ほかで毎週金曜深夜0時52分より放送。

　『しゃべるダケ』配信アドレス　http://ch.nicovideo.jp/510