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『エヴァ』庵野監督、宮崎駿監督最新作主演声優 『ナウシカ』以来30年ぶりタッグ

 『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズで知られる庵野秀明監督(52)が、宮崎駿監督(72)の5年ぶり新作となるスタジオジブリのアニメ映画『風立ちぬ』(7月20日公開)の主人公・二郎の声を担当することが発表された。両監督のタッグは1984年公開の『風の谷のナウシカ』で庵野氏が巨神兵シーンを描いて以来、30年ぶり。ほとんど声優経験がないにもかかわらず、宮崎監督の要求に応えた庵野氏は「アフレコ2日目くらいから、宮崎さんがニコニコと、とても喜んでいる様子で。それだけでよかった」と振り返った。

宮崎駿監督作『風立ちぬ』の主人公・二郎のアフレコを行う庵野秀明氏(C)2013 二馬力・GNDHDDTK

宮崎駿監督作『風立ちぬ』の主人公・二郎のアフレコを行う庵野秀明氏(C)2013 二馬力・GNDHDDTK

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 主人公には「(1)早口である(2)滑舌がよい(3)凛としている」をイメージしていた宮崎監督。適任者を探し会議を重ねる中で、鈴木敏夫プロデューサー(64)から庵野氏の名前が候補にあがったという。『ナウシカ』以来、宮崎監督を師と仰ぐ庵野氏は、声優のオファーに「最初から断ることはできない」とオーディションに参加。声を聞いた宮崎監督から満面の笑みで「やって」と直々の依頼があり、初の主人公役声優に挑戦することになった。

 同映画は、一人の青年技師“堀越二郎”の半生の物語。主人公のモデルとなったのは後に神話と化した零戦を設計した堀越二郎と、同時代を生きた文学者、堀辰雄。この2人の人生を融合させ、技師としての生き方や薄幸の少女菜穂子との出会いなどを、完全フィクションとして描いていく。

 庵野氏の声優は、2002年にCS放送「キッズステーション」のアニメ『アベノ橋魔法☆商店街』にゲスト出演以来で、長編アニメーション映画は初挑戦。4月中旬に行われたアフレコ収録の序盤では、「難しい」を連発した庵野氏。そのため通常は離れたブースから指示を出す宮崎監督がスタジオに降り、庵野氏の真後ろから「うまくやろうとしなくていい。いい声だからでなく、存在感で選んだのだから、それを出さなくてはならない」などと直接アドバイスした。

 庵野氏は外国語や声を張るシーン等にも果敢に取り組み、人を背負うシーンでは実際に手を後ろに回して声を出すなど、体も動かしながら調子をつかんでいったという。また同じセリフを、リズムを変えて何度も繰り返しながら「この練習部分も(録音を)回しておいてくださいね」と“指示”したり、「今の中で使えるものがあると思います」と自分でOKを出したりするなど、日ごろは演出をつける“監督”らしさが随所に飛び出し、宮崎監督も「監督が二人いるみたいでややこしいな」と笑うひと幕もあった。

 4日間に渡ったアフレコ収録を通じ、庵野氏は「ずっとしゃべりっぱなしだし、歌はあるわ、フランス語もドイツ語もあるわで、完全にだまされた!って感じです」と冗談まじりに感想を述べ、「2時間を超える長編をつくるというのは、体力的にも精神的にも本当に大変な作業です。ラストシーンは、正直感動しました」と手応えを語っていた。

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