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【後編】『009 RE:CYBORG』神山健治監督「新しい映像表現、自信ある」

 日本を代表する漫画家の一人、石ノ森章太郎氏の未完の名作『サイボーグ009』を原作とした映画『009 RE:CYBORG』が27日より公開される。『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズ、『精霊の守り人』、『東のエデン』など、ハイクォリティな映像で伏線を張り巡らせた物語を展開してきた神山健治監督が脚本・監督を手がける。アニメーションはProductionI.Gとサンジゲンの共同制作で、今後のアニメ業界に影響を与えそうな新たな手法が試された。

これまで手描きでしか表現できなかった日本独自の繊細なアニメ表現を3DCGで表現。さらに3D立体上映する『009 RE:CYBORG』(10月27日公開)(C)2012『009 RE:CYBORG』製作委員会

これまで手描きでしか表現できなかった日本独自の繊細なアニメ表現を3DCGで表現。さらに3D立体上映する『009 RE:CYBORG』(10月27日公開)(C)2012『009 RE:CYBORG』製作委員会

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●3DCGアニメーションの手応え

――─キャラクターデザインが原作から大胆に変わっていますね。

神山監督:見た目は従来の手描きアニメーションと同じですが、背景もキャラクターもCGで制作しているんです。石ノ森先生の原作のイメージをなるべく壊さないようにしつつも、CGで作った背景美術とキャラクターがなじむように等身を上げたり、現代的なアレンジを施しました。

――今回、「トゥーンシェーダー」という技術を使って、3次元CGで描いたキャラクターをわざわざ輪郭線と塗り分けで表現された日本人が慣れ親しんだ2次元のセルアニメに見えるように仕上げているそうですが、CGを使うメリットを、どのように考えているのですか?

神山監督:アニメーターが一人前に育つまでにはある程度時間がかかります。PCを使えば誰でもすぐに絵が描けるわけではありませし、鉛筆をパソコンに持ちかえたところで大変な作業であることに変わりはなんですが、少なくとも絵が描けなくて四苦八苦することはなくなると思います。アニメーションの仕事に携わりたいが絵が描けない、と諦めていた人でも入り口には立てるようになるんじゃないかと。人材の間口が広がることで思いがけない才能が出てくることも期待できます。

――日本はアニメ大国と言われながら制作現場の空洞化が危惧されていますからね…。しかし、手描きの魅力をデジタルで表現することも難しいと言われています。

神山監督:デジタルの弱点は正確すぎることですね。人間が手で描くからこそ生まれる歪みや誇張表現、アニメーターの個性が出るのが最大の魅力とも言えますから。ただ、今回、全編3DCGに挑戦してみて、鉛筆がPCに変わってもやはり人がやることなので、個性は出していけるんじゃないかと思いました。

 それをいかに引き出せるか、それを殺さずに演出できるかというのが、僕の仕事です。それに、手描きでは難しかった複雑なカメラワークや自由自在なアクションが可能になり、さらに自然な3D立体視も実現することができました。手応えは十分です。今回の制作スタイルをインフラ化していくことができればアニメ業界にとっても有益なんじゃないかと思いました。

 映画『009 RE:CYBORG』は10月27日(土)より全国公開。
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  • これまで手描きでしか表現できなかった日本独自の繊細なアニメ表現を3DCGで表現。さらに3D立体上映する『009 RE:CYBORG』(10月27日公開)(C)2012『009 RE:CYBORG』製作委員会
  • ハードかつリアルなイメージの近未来を舞台に、3DCGで描かれたサイボーグ達が特殊能力を駆使して活躍する(C)2012『009 RE:CYBORG』製作委員会
  • 映画『009 RE:CYBORG』(10月27日公開)より (C)2012『009 RE:CYBORG』製作委員会

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