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NSC伝説の1期生・前田政二インタビュー(下) 今も生徒の8割が憧れる最強コンビ

 ダウンタウン、トミーズ、ハイヒールら吉本芸能総合学院(通称NSC)1期生たちの青春を綴った自叙伝『ノーブランド』を上梓した、元漫才コンビ、銀次・政二の前田政二(47)。現在は放送作家として数々の番組のブレーンを務めつつ、母校NSCで教鞭をとる毎日。同期の偉大さを噛み締めるほどに、今の芸人志望の若手のある“希薄さ”に頭を悩ませる。

ダウンタウン、トミーズ、ハイヒールらとの青春の日々を綴った『ノーブランド』を上梓した、よしもとNSC1期生・前田政二 (C)ORICON DD inc.

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◆衝撃のデビューから30年…今も若手の憧れはダウンタウン

 芸人を目指して毎年入学してくる生徒の8割が、いまだに「ダウンタウン」なのだという。「残りの2割で千原ジュニア(千原兄弟)、宮迫博之(雨上がり決死隊)、たまにナインティナイン」と続くが、「アイツらの笑いが30年経った今もまだ続いてるんですよ」。世の中を変えた芸人を打ち負かす稀有な才能には、そうそう出会えない。「生徒たちの憧れの芸人が変わったら、そのときが本当の世代交代なんだと思います」。

 少なくとも前田は30年、この世界で生きてきた。同じ釜のメシを食い、自身はわずか1年8ヶ月でコンビを解散したが、ピン芸人としても10年間は生活した。1期生の中心メンバーとして多くの仲間に慕われ、今も若手に日々お笑いを教える。常にお笑い界に身をおいてきた男の言葉だ。「ダウンタウン以上の芸人が、その後、本当に出てこない」――。

 「よく10年に一人の逸材と言うけれど、アイツらの場合は今のところ30年に一度のコンビになってしまっている」と笑う。「もしかしたらこの先も40年、50年に一度のコンビでいるかもしれない」。芸歴30年だ。若手、ベテランを経て、師匠と呼ばれるクラスになりつつある同期たち。「いやいやいや! 一期生が“師匠”って呼ばれるのは、祭り上げられてる感じで嫌です。『俺らまだ現役やでっ』ってみんな嫌がります」。壁は恐ろしく高い。

◆「在学中にデビューできるネタ作ってこい」

 そんな前田も今の若手を全て否定しているわけではない。むしろ絶賛する芸人も多数いる。急先鋒はブラックマヨネーズ。「ダウンタウンにはまだまだ及ばない」と前置きした上で、「今まで見てきた中で一番理想の漫才をしている」と目を光らせる。「練習はもちろんしているんでしょうけど、アドリブに見える漫才“素で笑えるケンカ”をやっていますよね。アドリブのフリートークですら“笑えるケンカ”ですから。いつ見ても面白い」。

 そのブラマヨですら遅咲きだ。その下には何千人という若手芸人がくすぶっている。「今の生徒には『絶対売れたんねん!』っていう気持ちが欠けている気がして、授業でもよく怒っています」。1期生ならではの宿命、直属の先輩が誰一人としていなかったあの時代。みんなギラギラしていた。学校には通ってるが、学校に行ってる時間がもったいない。今すぐ、明日にでもプロデビューするつもりでネタを書き続けた。

 授業料を払ったからといって、面白いネタを教えてもらえるわけではない。自分や同期がそうしていたように「在学中にデビューできるようなネタを作ってこい」と生徒に発破をかける。良くも悪くも今時のマジメで素直な若者たち。「在学中にプロデビューなんて可能なんですか?」と逆に驚いてしまうのだという。「NSCに入れたことが、もうちょっとしたチャンスなのに」。もったいないという前田の本音には、大いなる期待が込められている。

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