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【編集長の目っ!】Acid Black Cherryの使命

■Acid Black Cherryの使命

 いい声。Acid Black Cherry(ABC)のボーカル・yasuのハイトーンで、色気があって、でも温もりがあって……と、感じたままの言葉を書き連ねても、余計伝わりにくくなって、「で、結局どんな声なの?」ってなりそうなので、最後にひとつだけ。“気高さ”さえ感じさせてくれる声だ。

Acid Black Cherry

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 彼は自分=ボーカリスト=伝える人、という“使命”をわかって歌っている人だと常々思っていた。それを確信に変えてくれたのが、3月21日発売の約2年半ぶりのオリジナル3rdアルバム『2012』だ。

 アルバムの話の前に、ここにきてのABCの充実ぶりが目立っている。昨年9月から5ヶ月連続シングルをリリースし、1作ごとに数字を伸ばしており、その存在は知っていたけど、今まで聴いたことなかったというファンが、CDを購入している。ファンクラブも10代の男女の入会も増えているようで、着実に新規ファン開拓ができているようだ。この2月には『Acid Black Cherry×109MEN’S』と題し渋谷「109MEN’S」とコラボ。館内に店舗を構えるブランドでスタイリングされたyasuのヴィジュアルが 、「109MEN’S」の館外、ビル壁面の懸垂幕や館内を飾った。ファッション誌の表紙を飾ることも多いyasuは、男性ファンを急激に増やしており、このコラボで“渋谷の顔”になったことは、東京以外への地方でも話題となった。結果、女性ファンからはもちろん、更に男性ファンから注目を集める存在となった。

 もちろん注目されているのは、ヴィジュアルやファッションだけではなく、その歌だ。ABCの歌に共通しているキーワードはエロさとセツナさ。今回のアルバム『2012』でもそのキーワードはしっかり感じさせてくれるが、今回は“生きる”ことを視点に、彼の本音、心に浮んでいる言葉を紡いだ歌詞が本当に印象的だ。

 全てのことが“不安定”な今の日本、そして世界。そんな状況のなかで、みんなが待っているのは“確かな言葉”だ。着飾った言葉はいらない。何が“確か”なのか?それはこのアルバムで彼の声、歌を通して伝わってくるはずだ。“生きる義務”があるんだと。伝えなければいけないという“使命感”に、彼は覚悟を持って立ち向かっているように思う。歌を人々の心に届けることができるという、彼の最高最強の武器を惜しげもなく使い、とにかくひとりでも多くの人に伝えたいという気持ちを感じさせてくれる。自分の心の叫びを、その引き出しの多さを改めて感じさせてくれるメロディーと、サウンドに乗せ、届けてくれる。でも一貫しているのは、誰もが親しみを感じる歌謡ロックを歌い続けるというスタイル。これはブレない。だから幅広いファン層を取り込むことができるのだと思う。

 ABCは、シングルのカップリングでは必ず日本の歌謡曲を始め、いわゆる名曲をカバーしている。次の世代へ、歌い継いでいかなかればいけない日本の名曲、名メロディーたちを。カバーアルバムも2枚リリースしている。歌い手として、彼はしっかりとその役割を担ってくれているのだと思う。その選曲の妙、そして素晴らしいアレンジ、歌、どれもオリジナルへのリスペクトを忘れず、オリジナルの素晴らしさを伝えようとしている、こういうところに“使命感”を持って歌ってくれているんだなと思ってしまうし、その声、歌う姿は、気高くもある。ABCのオリジナル曲はもちろん素晴らしい。でも、カバー曲を聴くと、その表現者、ボーカリストとしての素晴らしさをさらに感じてしまう。

 今回のアルバムはシングル曲が7曲と新曲が6曲。聴いたことがあるであろう曲の方が多いということで、彼はそれを補う“新鮮さ”、“楽しさ”をファンに与えたいと考え、様々なサプライズをCD(3形態)にパッケージした。自分が少年の頃感じたように、CDを買って手にしたときの喜びを味わって欲しい、だから常にサプライズ――そういう気持ちでCDというものにこだわっている。

 これも表現者としての“使命感”なんだと思う。

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  • アルバム『2012』【MUSIC CLIP盤】

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