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2012年の企業CMキーワードは「再生」 〜被災地への“想い”を継続発信

 3月の東日本大震災以降、商品訴求ではなく企業メッセージを伝えるCMが増加した2011年。振り返るとCM自粛のなかでも流れ続けたACジャパンの「あいさつの魔法」や「こだまでしょうか」など人の心に訴えかける作品が注目を集め、これに倣うように企業CMにもメッセージ性の強い作品多くみられた1年だった。では、2012年のCM業界のキーワードとはどのようなものなのか? CMに関する調査を行っているCM総合研究所は「商品訴求CMだけでなく、企業理念や社会貢献活動、被災地支援などさらなる情報発信力が求められていくであろう」と分析している。

東北への女旅を展開し、観光地への誘致を訴求した江崎グリコ「OTONA GLICO」

東北への女旅を展開し、観光地への誘致を訴求した江崎グリコ「OTONA GLICO」

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■2011年は震災後、企業CMが増加

 震災のあった3月以降、より色濃く企業メッセージを伝えるCMを各社は積極的に展開。直近5年間の企業CMの誕生数と比較してみると、例年より2割以上増となった。なかでも著名人が『上を向いて歩こう』、『見上げてごらん夜の星を』を歌いつなぐサントリーホルディングスの「歌のリレー」CMは、多くの視聴者の胸を打ち、以降はありふれた日常や家族や友人など、身近な人と人との絆をテーマにした企業CMに視聴者から好感が寄せられた。

 下半期の商品訴求CMでは、原発事故の影響でエネルギー問題への関心が高まるなか、夏は節電・エコ関連商品のCMが急増し、オンエア135作品、放送回数は16438回と例年の10倍以上に。パナソニック「エコナビ」をはじめとしたエコ家電から、洗濯洗剤の花王「アタックNeo」といった日用品、また環境保全を意識し、自動車メーカーのダイハツから「第三のエコカー」など、消費者の商品選択基準において“節電・安全”がポイントなった。

■想いは東北へ「2012年のキーワードは“再生”」

 震災によって路線が寸断されたJR東日本の東北新幹線は、1日も早い復旧を目指し「つなげよう、日本。」キャンペーンを開始。11月からは「行くぜ、東北。」のコピーで観光地への誘致を訴求した。同様にしてサントリー食品インターナショナル「BOSS」では、宇宙人ジョーンズが奥の細道で俳句を詠み、また江崎グリコ「OTONA GLICO」キャンペーンでは宮沢りえら女性3人が東北旅行に出かけるなど、各社さまざまな手法で東北への想いを表現している。

 10月から放送され、ビートたけし木村拓哉が現代に蘇った織田信長&豊臣秀吉を演じたトヨタのCMでも「FUN TO DRIVE,AGAIN.」をスローガンに東北に向かってドライブする2人の姿が映し出される。このロードムービー風のCMを第1弾とし、続いて第2弾は国際俳優のジャン・レノが人気アニメ『ドラえもん』の“20年後の世界”を描いた実写版CMでドラえもん役を務め、さらに第3弾ではフリーアナウンサー・西尾由佳理が「メイド・イン・ジャパンは絶対に負けません」とリポートし、「ReBORN」をテーマに日本再生への応援メッセージを込めた。

 旬なタレントの起用や、世相を反映した物語が展開されるCMはまさに世間を写す鏡。2012年はさらに“復興”や“再生”を強く訴える作品が企業から発信されると予測できる。

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  • 東北への女旅を展開し、観光地への誘致を訴求した江崎グリコ「OTONA GLICO」
  • 『ドラえもん』の“20年後の世界”を描いたトヨタ
  • 「メイド・イン・ジャパンは絶対に負けません」とリポートする西尾由佳理

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