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デビュー15周年を迎えるJUJU、ジャズを歌う理由とは

 デビュー15周年を迎えるJUJUが、アルバム『DELICIOUS 〜JUJU's JAZZ 3rd Dish〜』を12月5日に発売した。シリーズ第3弾となる本作は、「Fly Me To The Moon」などのジャズのスタンダード・ナンバーからNHK総合『世界はほしいモノにあふれてる』のオープニングテーマ「Remember(The Good Times)」などを含む珠玉のアルバムが完成した。15年間ソロアーティストとして独自の道を歩んできたJUJUが、「ニューヨークに行っていなかったら、JUJUというアーティストになっていなかった」というニューヨークやジャズへの想いを語った。

決して順風満帆ではない15年は、やっぱり楽しかった

――今年8月にデビューから丸14年を迎え、15周年イヤーに突入しました。そのスペシャル企画として、中田英寿さんが代表のJAPAN CRAFT SAKE COMPANYと高木酒造との共同で試作された日本酒『寿十四代』が限定販売されました。
JUJU ヒデさん主催のご飯会に呼んでいただいた際に、「十四代」の蔵元・?木顕統さんご夫妻お会いしました。その後、ご一緒する機会が増えて、?木顕統さんに「寿十四代作りたいね」っていっていただいて。

――JUJU+十四代で、「寿十四代(ジュジューヨンダイ)」っていうダジャレが先なんですね。
JUJU お酒の場のノリで言っていたことがきっかけで叶いました(笑)。でも、14周年が終わって15周年イヤーを迎えるタイミングで、十四代と寿十四代を作れました。本当に言霊ってあるんだな、言い続けてると叶うものだなって思っています。

――アーティスト活動15周年を迎えることにはどんな心境でいますか?
JUJU デビューした時にまさかJUJUが15年も続いているとは思っていなかったので、本当に皆さんに連れてきていただいた15年だなと思うし、ただただありがたいなという感謝の気持ちでいっぱいです。

――振り返って、どんな15年でしたか?
JUJU 決して順風満帆ではなかったですね。いろんな壁、山や谷、急な坂道、上りも下りも含めてありました。でも、振り返ってみて思うのは、やっぱり楽しかったなっていうのが一番ですね。しんどかったことも含めて楽しかったです。

――JUJUさんはジャズアルバム『DELICIOUS』シリーズや邦楽カバー『Request』シリーズを始め、さまざまなジャンルの曲を歌ってきました。この15年でシンガーとしての変化はありましたか?
JUJU 「奇跡を望むなら...」をリリースする直前の2005年に、作曲者でアレンジャーの川口大輔くんに「そういう歌い方だと日本語は届かないよ」と言われて(笑)。デビュー当時の私は、ジャズっぽい、クラブノリのような曲ばかりを歌っていたんですが、大ちゃんの言うとおりに歌ったバージョンと、私が好きに歌ったバージョンを聴き比べたら、大ちゃんの言っていることがどれだけ正しいかっていうのがわかって。それ以来、あまり不必要なビブラートや子音の強さ、いらないアドリブを入れないで歌うようになりました。「奇跡を望むなら...」から、日本語を大切にしようという歌い方に変えたことで、いろんな方と出会えるようになって。そのおかげで今に至っているんですけど、2011年に初めてジャズアルバムを作らせていただいた時は、ジャズのレコーディングに入った瞬間に、喉の別の部分を使って歌っていることに気がついて。気がついたらJUJUの喉は別にできていて、私がJUJUになる前の喉っていうのは、形状記憶みたいに残っていて。大ちゃんのあのひと言があったからこそ、JUJUの喉っていうのが出来上がっていって、その一方で、私の本名の喉っていうのも残っているんだなっていうのは、その時点でのびっくりでしたね。

NYに行っていなかったら、JUJUというアーティストになっていなかった

――3枚目のジャズアルバムの選曲に関してはどう考えていました?
JUJU 一番最初に裏テーマで“ニューヨーク”があって。私がニューヨークに行っていなかったら、JUJUというアーティストになっていなかったし、ジャズと一番深くかかわったのもニューヨークでした。今年、ブルーノートでライブした時のテーマもニューヨーク。15周年はいろんな方への感謝還元祭にしたいなっていう思いがあったので、ニューヨークに対してもの感謝の気持ちを表すために、アルバムはNYを裏テーマにしました。

――ニューヨークはJUJUさんにとってどんな街ですか。
JUJU 呼吸の仕方を教えてくれた街ですね。日本にいると人の目を気にして、人と違うことをするのは良くないことなのかなとか思っていたけれど、私のことを知らないニューヨークの人たちは、自分のことで精いっぱいで、誰のことも気にしていなくて。でも、助けが必要な時には助けてくれる。やりたいことがあるから、皆わがままなんですが、そのわがままが皆に認められている。自分の生き方や限られた時間の使い方も、全部自分で決めるのが当たり前で、本当に生きることを楽しくしてくれたし、人と違うのが当たり前だということも教えてくれました。大人になったら、もちろん組織のなかで生活する時にはルールっていうのが存在するし、そのルールは破っちゃいけないかもしれないけれど、誰かに迷惑かけなければ自分のわがままを通すべきなんだなっていうことを教えてくれた街ですね。

――まさにニューヨークに住む異邦人をテーマにしたスティング「Englishman In New York」では、NYでも活動されている久保田利伸さんとデュエットしてます。
JUJU 私、兄さんに会ってもう20年くらい経ちます。当時、ニューヨークの洋服屋で働いていた時もよくお会いしていました。デビューしてからも久保田さんの曲に呼んでいただいたり、音楽番組でデュエットさせていただいたり。いつか、何かを作る時に兄さんとデュエットしたいっていう思いがずっとあって、お願いしたら快諾してくださって。ただ兄さんはジャズというジャンルを歌うのははじめてだということで、ジャズのスタンダート曲というよりはジャズアレンジが可能なお互いの思い入れが深い街であるニューヨークをテーマにということを考えたら、この曲かなって。

――スティングのオリジナルバージョンもバックは有名なジャズミュージシャンが務めていました。
JUJU 知名度が高い曲だし、ジャズを知らない人でも知っていますし。「俺ら、イングリッシュマンじゃないじゃん」っていうごもっともなことも言われたんですけど、「ただ、イン・ニューヨークはしてたじゃないですか。私たちもリーガル・エイリアンだったじゃないですか」って口説き落として(笑)。兄さんは自分が納得できる歌が出るまで歌い続ける情熱があって。あの頃は全く知らなかった、歌に対してすごくストイックな“久保田利伸”さんを見ることができてとても貴重な経験になりました。

ジャズはいろんなことを教えてくれた

――また、本作のラストには、『DELICIOUS』シリーズ初参加となるプロデューサーの小林武史さん作曲の「メトロ」が収録されています。
JUJU 私のオリジナル曲「いいわけ」をプロデュースしていただいたご縁で、昨年、小林さんが石巻でやっていた『Reborn-Art Festival』でも一緒ライブをすることができました。お客さんも温かく、小林さんは楽しそうで自由だし、音楽って楽しいなと思いました。その時、小林さんのイメージが変わって、子どもの無邪気さで天才的なことをされる方なんだなと思いました。今回の「メトロ」は松尾さんが詞を先に書かれて、小林さんがそこに曲をつけてくださって。小林さんが歌ったデモが、ツアーでホテルのバーで呑んでいた時に届いて、すごく小さい音で耳元で聴いたのですが、もう号泣しちゃって(笑)。天才2人が力を合わせるとこんなに良い曲ができるんだ、すごいなと思いました。

――そんな天才2人がコラボレーションした曲にJUJUさんはシンガーとして、どんなアプローチで臨みました?
JUJU 大人になる時に、誰もが感じることが書かれているなと思いました。大人になるためにはこうしなきゃいけないんだろうなって思うことがあるけど、簡単に変われない自分が実は誰より嫌いで……若い頃は特に自分のことが嫌いな時期があるじゃないですか。人に迎合したくないけれど、合わせたほうが友達付き合いも楽しい。でも、自分は尖っていたいからその人たちとは違うというポーズをとりたい…。そこから、だんだん折り合いがついていって、少しずつ大人になっていく、カッコつけることをやめたり、カッコつけないことのほうがカッコいいんじゃないのかっていうことに行き着くと、人間関係の透明度も増して、楽にもなっていく。でも、私が今、子どもの頃に描いた理想的な大人かと言うと、まだ大人にはなりきれてない。この曲を歌うと、あの時の気持ちが蘇るし、いまだにそのもどかしさを持ち合わせているんだなということを考えると、やるせなくて涙が出てくる。いまだにどこまでだって行ける気がしてると自分のことを信じてもいて。そういういろんな感情がない交ぜになる曲です。

――楽曲の主人公はメトロのパスを手に入れたことで大人の世界への第一歩を踏み出します。そこには痛みや憂鬱もあるけど、希望やときめきもあります。
JUJU 私にとっては、ジャズはいろんなことを教えてくれて、ジャズを身近に感じるようになればなるほど、きっと人は大人になっていくような気もするし、ジャズがあればどこまでだっていける気がする。今回、この曲がアルバムの最後にあるということがすごく好きですね。

――聴き手によっては、このアルバム自体がメトロのパスポートいうか、“ジャズ=大人”という新しい世界へ誘う1枚になるかもしれないですね。
JUJU そうなればいいなと思っています。今まではスタンダードに特化し、ジャズを歌うことに心を砕いていたのですが、そこから6年経って今回のアルバムでは、もともとはジャズではない皆さんがご存知の曲をたくさん入れました。今だからこそ、ジャズじゃない曲のジャズアレンジをたくさん入れたアルバムができたと思います。私は根があまのじゃくなので(笑)、流行っている曲や映画、ベストセラー小説をリアルタイムで読まないタイプなんですよ。だから、今まで皆が大好きな「What A Wonderful World」や「Smile」をあえて歌ってこなかったのですが、今回歌ってみて改めて素晴らしい曲だということがわかったし、今の世の中だからこそ、きっと皆さんにも私にも必要な曲だと思いました。この2曲があると人生が楽になる気がするなと思うし、他にも皆さんが知っている曲がたくさん入っているので、ジャズ好きの方もそうでない方も、1人でも多くの方に聴いていただけたらなって思いますね。

(文/永堀アツオ)
JUJUオフィシャルサイト(外部サイト)

提供元: コンフィデンス

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