すべてがちょうどいいホンダ
伝統と新しさの融合をコンセプトに掲げる、ホンダのスポーツネイキッドバイク「CB650R」。その走りは、気負わずに付き合えるオートバイのよさを実感させてくれた。
いま“ど真ん中”のオートバイ
ホンダが新しく構築したスポーツネイキッドが「CB-R」シリーズだ。2018年春から「CB125R」、「CB1000R」、「CB250R」の順番でラインナップ拡大を開始。2019年に加えられた最後発モデルが、この「CB650R」である。
以前、そのフラッグシップであるCB1000Rを試乗した際、「ホンダにはCBの名を持つモデルがあまりにも多く、統一された世界観もない」と書いた。ホンダの描くCB像があいまいで「一体CBはどこへ行こうとしているのか?」という思いが強く残ったからだ。
だがしかし。こうしてあらゆる排気量が出そろい、しかもスタイリングにちゃんと共通項があるところを見せつけられると、「文句ばっかり言ってすみませんでした」と謝らざるを得ない。「CB1300」シリーズや「CB1100」シリーズなど、依然として似たような車名は多いものの、今後はこのCB-Rシリーズを主軸に置く、という意図がはっきりと見えてきた。いまはその過渡期にあるということだろう。
CB650Rは、その中でも中核をなす。95PSという最高出力と97万9000円という価格に表れている通り、なにかとちょうどいい。国産バイクの適正なコストパフォーマンスは、ひと昔前なら「1馬力=1万円」あたりが目安になっていたが、このモデルはまさにそれ。648ccという排気量も含めて、ジャストサイズである。
中核という意味では、ターゲットにしているユーザー層もそうだ。ホンダはそれを明確にうたってはいないものの、CB125Rは10〜20代前半、CB250Rは20代、そしてCB1000Rは40代以上のベテランを想定している。当然、最後に登場したCB650Rにはその間を埋める、もしくは全方位的にフォローする役割が与えられていて、実際、デザイナーやモデラーは30代のメンバーが中心になっている。...