“ワークス”だからできること
TRD、STI、NISMO、無限と、メーカーのモータースポーツ活動やアフターパーツの開発を担う4つの“ワークス”が合同試乗会を開催。まずはTRDが手がけた「スープラ」と「プリウス」、STIの用品を装着した「フォレスター」と「インプレッサスポーツ」の走りを報告する。
主役はヤマハの試作ダンパー ――トヨタ・スープラTRD用品装着車
TRD(トヨタ・レーシング・ディベロップメント)は、いま最も話題のスポーツカー、スープラを2台持ち込んだ。鮮烈なイエローカラーにカーボンのエアロパーツが映える双子のスープラ。オリジナルのスタイルに準じてこれをサイズアップしたという前後スポイラーやサイドスカートといったパーツは、いずれも品よくレーシーだ。
しかし今回の主役は、エアロではなくサスペンションシステムである。先代にあたる“ハチマル”スープラ(A80)に「REAS(Relative Absorber System:リアス)」を搭載したヤマハが、新たに「TRAS(Threw Rod Advanced Shock Absorber:トラス)」というシステムを開発。これをTRDがスープラに搭載してきたのである。
REASは、左右のショックアブソーバーを中間ユニットで連結し、ストロークの速度差を利用して減衰力を変化させ、車両姿勢を安定させるシステム。後に、右前と左後ろ、左前と右後ろと、“たすき掛け”にショックアブソーバーを連結させる「X-REAS」も登場した。コーナリング時に負荷が掛かる外輪に対し、荷重が減る内輪のストロークを増やす方法だったと記憶している。もっとも、このREASが登場したとき(1997年)、筆者はまだ自動車誌の新米編集部員であり、スープラに乗るなんて夢のまた夢だった。ただ80スープラがこの最新システムを搭載した記憶は鮮明にあり、いまだREASの名前を覚えていたのだ。
一方、今回プロトタイプながらスープラに搭載されたTRASは、それぞれのショックアブソーバーが独立して車両姿勢をコントロールする。ただしコンベンショナルなアブソーバーが縮み方向で反力を生み出すのに対し、TRASはダンパーが伸びようとするときに減衰力を発生するのである。...