隅々までプレミアム
ランドローバーのプレミアムコンパクトSUV「レンジローバー イヴォーク」の2代目が日本上陸を果たした。新しいプラットフォームとマイルドハイブリッドの採用によって、ブランド躍進の立役者はどう進化したのか。最高出力300psを誇るトップグレードで確かめた。
触っていいのかためらうほど
これがリサイクル素材を活用したという自慢のスエードクロスなのか、あるいは本物のスエードなのか確認し忘れたけれど、起毛素材で覆われたステアリングホイールのリムは細身で硬く、ほんのわずかに下端がフラットになっているものの、形状もほぼ真円で一番好きなタイプのステアリングホイールだ。この手触りだけで、細部までおろそかにしない丁寧な仕事ぶりが伝わってくる。最近はリムが太くて柔らか目のまるでソーセージのようなステアリングホイールが少なくないけれど、やはり細身のリムの方が丁寧なステアリング操作を促すと思う。
インストゥルメントパネルは兄貴分の「ヴェラール」同様、クリーンで滑らかで精緻そのもの。恐ろしく整ったセンターコンソールのタッチスイッチなどはとても汚れた手では触れないほど。本格的なラフロードや雪道を走る時にはどうすればいいのだろうかと心配になる。この辺りの出来栄えは定評あるアウディのそれを上回っているのではないだろうか。
ボディースタイルもインテリアと同じくヴェラールとの血縁関係を感じさせるもので、従来型よりもさらにクリーンにスリークになった。4WDの名門ブランドではあっても、リダクショニズム(還元主義)をデザイン哲学として掲げるだけあって、押しの強さやタフネスを表現するのではなく、これ見よがしではない洗練された処理が目を引く。例えば「トヨタRAV4」などとは対照的である。泥まみれにするにはカッコよすぎるという気がしないでもないが、そのクオリティーに見合うように価格もなかなかのものだ。
試乗車はトップグレードとなる「R-DYNAMIC HSE P300 MHEV」だったが、その車両本体価格は801万円。それに約200万円のオプションが加わり総額は1000万円あまり。イヴォークはランドローバーの中では「ディスカバリー スポーツ」と並んでエントリーモデルのはずだったのだが、もはやヴェラールと重なるほどの価格帯となっている(ベーシックな「P200」は461万円から)。...