シビれるワゴン
ワゴンとしての魅力を磨いた現行型「ボルボV60」。そのプラグインハイブリッドモデルが、いよいよ日本の道を走り始めた。ボルボの世界戦略を担う電動パワートレインと伝統的なエステートスタイルとの組み合わせを、中間グレードの「T6インスクリプション」で試す。
再びエステートの本筋へ
「240」に「940」、「850」に「V70」。ボルボといえばやっぱりエステートでしょう。
……いささか残酷な話だが、そんなイメージを抱いているユーザーは、気づけば鏡の中に白髪のひとつやふたつも見受けられるようになった中年以上ということになるのかもしれない。
SUVが台頭する中、強くなりすぎた「ステーションワゴン屋さん」というキャラクターを果たしてどうすべきか。ボルボ自身、それに悩んでいた気配は先代のV60あたりから感じられた。それまでは荷室容量を優先してパッツンと垂直に落とされたテールまわりこそがボルボの象徴だったが、先代V60ではルーフ長を縮めリアウィンドウを寝かせたファストバック的なフォルムを採用。言ってみればスポーツワゴン寄りのたたずまいを示したわけだ。
そのV60が登場した2010年にボルボはジーリーの傘下となり、エンジニアリングの全面的な見直しを含むリブランディングに取り組むこととなった。その過程で、エンジンは4気筒以下に集約、2019年には全銘柄で電動化グレードを販売など、世間を驚かせるような目標設定が次々となされていく。デザインにおいては2015年に登場した「XC90」以降、4年をかけて新たなテーマを全銘柄に浸透させ、日本で言えばマツダに比するだろうダイナミックな変貌を遂げて今に至った。
その中で、V60の位置付けは先代のスポーツワゴン的なところから再びエステートの本筋に戻ろうとしているようにみえるのは僕だけではないだろう。上位モデルにあたる「V90」よりもしっかりと立てられたゲートまわりのデザインや、約30リッター少ないだけという529リッターの荷室容量はそれを物語っている。実際、日本市場でも導入直後は動きが悪かったものの、現車に触れるとその使い勝手に納得するユーザーが増えて販売は上向き、今では「XC40」や「XC60」と並ぶ国内販売の柱となっているそうだ。...