これぞ老舗の底力
欧州カー・オブ・ザ・イヤーにも輝いたジャガーのEV「Iペース」は、他のEVや従来のジャガー車とどう違う? 市街地や高速道路を走らせてわかった“エレクトリック・パフォーマンスSUV”の乗り味を報告する。
EVの時代がやってきた!?
EV(電気自動車)は過渡期の乗り物である。クルマ単体の技術的な進歩に加え、急速充電器を中心とした社会的なインフラ整備も並行して進めなければならない。
「なんとまァ、当たり前のことを……」とあきれた読者の方もいらっしゃるでしょう。その通り。でも、最新のEVモデルに乗るときは、あらためて基本的なことを確認しておかないと、もう、ひたすら褒めちぎることになってしまうので、注意が必要なのだ。
ジャガーIペースは、同社初のフルバッテリー電気自動車である。内燃機関を持たないクールなピュアEV。静止状態から100km/hに達するまでわずか4.8秒という「シビれるパフォーマンス」(カタログより)を誇り、気になる航続距離は438km(WLTCモード・国土交通省審査値)である。
他社の調査を流用して恐縮だが、日産によると、日本のガソリン車ユーザーが1日に走る距離は、その95%が200km以下だという。ちなみに、370kmで99%のユーザーをカバーできるので、400kmを超える航続距離があれば、まず“電欠”の心配はしないで済む、はずだ。
Iペースの価格は、959万〜1312万円と高価だけれど、そこはジャガーだから仕方ない。むしろ伝統を誇る高級ブランドがピュアEVをリリースするくらいだから、いよいよ電気自動車の時代がやってくる! ガソリン車と遜色ない使い勝手。むしろ性能は上。EVだからといって、走れる距離を気にする必要はなくなった……そんなフレーズを目にしたら、(いまのところ)眉にツバした方がいい。そんな風に自戒しながら、ジャガーIペースの試乗に臨んだ。...