イメージをぶち壊せ!
新しいユーザー層に訴求すべく、従来モデルとは趣を異にするパーソナル志向のセダンとして登場した15代目「トヨタ・クラウン」。その中でも、最もドライバーオリエンテッドな2リッターターボの「RSアドバンス」に試乗し、変革の成果を確かめた。
ドライバーズカー志向のターボモデル
「社長さんのクルマというイメージがあって、パーソナルカーではないという見られ方をしてしまっていた」
クラウンのチーフエンジニアを務めた秋山 晃さんの言葉である。「いつかはクラウン」なのだから、地位とクルマが一致するという意味ではそういう論理が成り立つ。でも、それじゃあイヤだということで作ったのが新型である。社長さんのクルマのほかに、パトカー、タクシーというイメージも払拭(ふっしょく)しなければならないと話していた。
プロトタイプに乗った時も感じたが、今度のクラウンはひと目見ただけでドライバーズカーだ。後席に収まるためのクルマには見えない。先代モデルも結構思い切ったクルマだったが、比べてみるとまだグリルデザインを生かしきっていなかったのだと思える。新型は伸びやかなプロポーションと調和していて、グリルだけが悪目立ちすることがない。
試乗したのは2リッターターボエンジンを搭載したモデル。クローズドコースで乗った際には、最もスポーティーだと感じた。とはいえ通常とはかなり違う乗り方だったので、今回は日常使いでの使い勝手を試す。グレードは「RSアドバンス」。ターボのRSにはリアパフォーマンスダンパーとリアフロアパネルブレースが追加装着されており、高速走行時の操縦安定性を高めているという。要するに、現行クラウンの中でも特にドライバーズカーとしての性格付けが強い一台なのだ。
燃費の数値を見てもそれは明らかである。JC08モード計測で、2.5リッターハイブリッドが24.0km/リッター、3.5リッターハイブリッドが18.0km/リッターなのに対し、2リッターターボは12.8km/リッター。760kmほど走行した試乗では、満タン法で8.7km/リッターだった。燃費よりも走りを重視したモデルなのだ。経費削減が求められる昨今、社用車には向かない。...