いいじゃねーか!
往年の名車「Z1」を思わせるデザインをまとって登場した、カワサキの新型バイク「Z900RS」。その走りは、ベテランライダーの期待に応えてくれるのか。Z1のオーナーでもあるモーターサイクルジャーナリスト、後藤 武が試乗した。
予想通りの大ブレーク
ここ最近、二輪界で最も大きなニュースといえばZ900RSのブレークだろう。発売前からカワサキが流した動画や写真で、世界中のライダーたちがSNSで盛り上がり、2017年の東京モーターショーで姿を現した途端に大ブレーク。予約が殺到した。発売されてすぐに2018年度の生産分を売りつくしてしまったという人気ぶりである。
1970年代後半の「Z400FX」や80年代後半の「ゼファー」が登場した時の人気をほうふつさせる。あの時もまったく同じような感じだった。それまでにない4気筒のマシンが登場してくることを人々は待ち焦がれ、発売と同時に販売店に駆け込んだ。手に入れたくても入手できない状況もそっくりだ。
Z900RSに夢中になっているライダーたちの多くは、実を言うとこの2台をリアルタイムで経験している。両方合わせれば大変な数になる。カワサキが4気筒で似たような路線のマシンを出せば、ほぼ過去の刷り込みで条件反射的に反応することは容易に想像できた。しかもそれが憧れ続けていた「Z1」「Z2」のスタイルなのだからたまらない。
最新のエンジンや車体を流用して作られたマシンを疑問の目で見る人は少なくなかった。「どうせ形だけでしょう?」「乗ったら昔の音とかフィーリングなんてないはずだ」 うるさいライダーたちはそう考えた。何しろ今まで、“デザインだけ昔風のマシン”で散々だまされてきているのだから無理もない。
しかし、カワサキが偉かったのは(上から目線で失礼!)、こういったうるさいライダーたちも黙らせてしまうようなサウンドとエンジンのフィーリングを作り上げてしまったことだった。...